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愛を知らない神様  作者: ビター
スロウス編
47/113

悪魔対鬼

 

  ユグドラ学園第4訓練所。

 

  「女性?じゃあコイツが転移魔法ラトニー」


  青髪の落ち着いた様子で大人しそうな男――ニコラスはラトニーとの距離を置いている。


  「分身魔法」


  姿形が全く同じのニコラスが10体に増える。

  見た目だけではどれが本物か分からない。


  5人のニコラスは拳銃を構え、ラトニーに発砲する。

  射撃を止めず何発も打つが、


  「転移魔法」


  ラトニーの体より面積が広い転移空間が現れ銃弾は全て転移空間の中に消える。

  拳銃を発砲してないニコラスが2人ずつ右側と左側から回り込むようにラトニーに向かって走って行く。

  それに気づいたラトニーは防御に使っていた転移空間の中に入り、転移空間を閉じる。


  「奴の戦闘スタイルの1つ····どこから来る?」


  ニコラスは消えたラトニーを探すように冷静に周りを警戒する。

  10人で見る方向を分担する。


  「上だ!」


  ニコラスは全員上を見上げる。

  上空には転移空間が大きめに開かれている。

  だがラトニーの姿が見えない。

  代わりに転移空間から出てきたのは大量の水だった。


  「どんどん出でくる、転移空間が蛇口のようにこの訓練所を水いっぱいにして窒息死させる気か?ならこの水は····海の水?」


  ニコラス達は水が浅いうちに訓練所の出口に走って向かうが転移空間が徐々に増え、上から落ちてくる水が増える。

  更に、


  「何だアレ?まさか――」


  転移空間からは海に生息する魚も出てくる。

  中には鮫もいる。

  それも1匹や2匹では無い、軽く20匹は居る。

 

  「上に登るぞ」


  ニコラスの1人が銃で自分の体を打つ。

  体からは大量の血が出る。

  鮫達はいっせいに血に反応して血が出るニコラスを食い散らかしに行く。


  「今だ」


  残りの9人は肩車に肩車を重ね1人のニコラスを訓練所の壁の上まで登らせる。

  壁の外は普通の街中であったがニコラスは壁上を走ってユグドラ学園の屋根まで行く。


  「サントスの壁」


  だが屋根のギリギリでサントスの制約魔法の壁があった為壁上に留まらざるならなかった。


  「良く登れたわね、肩車のプロかしら?人間技では無かった」


  ニコラスから少し離れたその壁上に転移空間と共にラトニーが出てくる。

  壁上に足をつけると再び転移空間を開き炎を出す。

  転移空間から放たれた巨大な炎はニコラスを一瞬で飲み込んだ。

  だが炎の中から飛び出てきたように燃えながらニコラスがラトニーに向かって走って行く。


  「耐えた?」


  ラトニーはニコラスの背後から飛んできた銃弾が額に掠る。


  「2人?」


  燃えているニコラスの後ろにはもう1人のニコラスが銃を構えて居た。


  「分身·····これ以上は危険、転移魔法」


  危険を悟ったようなラトニーは転移空間に入る。

  ラトニーが訓練所に戻って来ることは無かった。


  「サントスの制約魔法の中関係なく転移できるのか?なら俺の勝ちかな」


  ニコラスの分身は燃え尽きて消滅する。

  決着が着いた事によりニコラスは先程居た街中にテレポートする。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  ユグドラ学園第5訓練所。

  赤髪の目つきの悪い怖い表情をした男――イアンはラースを睨むだけで動こうとはしない。

 

  「人殺しの囚人で魔道士、生かす理由が見当たらない·····だが楽に死なす」


  ラースはイアンに向けて手をかざす。

  イアンの体が僅かに中に浮きラースの手元に引き寄せられる。

  イアンの左手にはナイフがある。

  ナイフにイアンの腹が当たるとパキン!とナイフが折れる。


  「ん?」

  「身体強化魔法」


  ラースがイアンの姿を見て表情を変えた。

  限りなく赤色に近い肌、膨大な魔力。

  イアンの体は魔法により強化されていた。


  「ナイフが!?ヤバい」


  ラースはイアンの蹴りを首筋に食らう。

  蹴りを食らったラースは右方向に吹っ飛び受身を取れないまま地を削りながら止まる。


  「魔力で防御したが···それでも首の骨が砕けかけた、動けない」


  血を吐きながらも立ち上がろうと両手を血に付けるが体が動かない。

  追い討ちをかけるようにイアンはラースに向かって脚力だけで飛んで来る。

 

  「磁力魔法」


  だがイアンの体は後方に吹き飛ぶ。


  「殺す」


  そのままイアンの体が宙に浮く。

  高さが10mくらいまで来ると自由落下より早く叩き付けられるように床に引き寄せられる。


  「身体強化魔法····100%」


  イアンの肌の色は更に赤くなり、目や爪も赤くなる。

  体の魔力も赤くなり肘や膝尖り、額には魔力が具現化した赤い布が巻かれる。

  そして頭から1本の小さい角が出る。

  そんな姿になったイアンは膝を曲げて思いっ切り床に足を伸ばし床を壊す。


  「強力だが傷をつける力はないな」

 

  イアンは平然とした表情で生きていた。

 

  「磁力····これには磁力を発生させれるか?」


  赤い爪を立てながら風を切るように手を強く振るう。

  イアンの手からは風の衝撃波のような物が出てラースの体を深く切り裂く。


  「くっ!····空気の刃?」

  「まだだ」


  続けてイアンは手を振るい風の衝撃波を放つ。

  だが衝撃波はイアンに返ってくる。


  「これにも磁力を?」

  「舐めるな」


  ラースは座ったまま自身の体と床に磁力を発生させ体を宙に浮かす。

  傷だらけの体には力が入っているようには見えない。

  首は一切動かさず、


  「磁力魔法」


  ラースの手元にイアンが引き寄せられる。

 

  「この体に傷を付けれるのか?お前の魔法で?」

  「神器!」


  ラースはナイフを取り出しナイフに魔力を纏う。

  手元まで引き寄せられたイアンの髪を掴み、引っ張りながら腹に勢い良くナイフを刺す。


  「図に乗るな!てめぇ見たいな悪人に負ける俺では無い!」


  イアンの腹にはナイフどころか手も貫通していた。

  目には光が無く、力が抜けたかのように脱力しているイアンは死んだようにしか見えない。

 

  「図に乗るな?今のお前の事か?」

 

  グイッと顔を上げてラースを睨むイアン。

  突然の事にラースは思わず、


  「死んでない!?」

  「俺はいつだって殺す側だ」


  イアンの腹に空いた穴は徐々に再生していた。

 

  「身体強化魔法、体の治癒力も強化される」


  イアンはラースの腹を蹴り飛ばす。

  空中で磁力を発しながら飛んで行ったラースは空中で脱力した状態で止まる。


  「腹を突き破ったつもりだったが?ギリギリで俺に磁力を放ち自ら飛んだか」

  「死ぬ訳には······指輪を使うしか·····」


  ラースは自身の指に付けている指輪を気にするが悔しそうな表情をして、


  「痛すぎて身動きが取れない····指輪を取る事が出来ない」

  「依頼は必ずやり遂げる」


  イアンは人間離れした脚力で高く飛び、ラースを蹴ろうとする。

  それに気づいたラースは魔法でイアンを吹き飛ばす。


  「取り敢えず逃げなければ」


  ラースは磁力魔法の応用だけで身動きの取れない体を移動させイアンから逃げる。

 

  「目にも止まらない動きでお前に攻撃する」


  イアンは再び床を蹴り飛ばしラースに近寄る。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  (俺は今気配も匂いも音も消している、なのになぜ目隠しした状態で動ける?)


  ユグドラ学園高等部では僕とルーナが戦っていた。

  僕は目隠しをしながらルーナに刀を振るう。


  「解けた、謎が解けたぜ」


  1歩下がり僕の頭を指さしてルーナが言った。

 

  「髪の毛に居る小さな生き物、確かドラゴンに変身する種族、そいつが俺を見てるんだろ?」


  正解だ。

  僕の髪の毛中にはいつもポムと呼んでいる手の平サイズの小さな生き物が居る。

  僕が付けている特殊な目隠しはポムと視界を共有する魔道具。

  これによって本来の自分の目を休ます事ができる。


  「僕は強い、君に負けるような戦いはしない」

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