表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛を知らない神様  作者: ビター
神様の街編
4/113

新入部員

 

  妖撲滅部を設立して1週間経った。表向きは妖退治だが本当の目的は反魔導師組織、七つの大罪を捕らえる事。


  「俺や魔導師協会の者が知っている事はこれくらいだ、後は俺とジャックで直接調べる必要がある」


  アーサーはかなり詳しく教えてくれた。

  まずメンバー。リーダーはラースと言う現最強の魔導師、魔法種類は不明らしい。

  それから···

  グリード、魔法種類は爆破。30代くらいの男性。

  ラスト、魔法種類は空気。22歳のオシャレボーイ。

  スロウス、魔法種類は毒。18歳の目にくまがある青年。

  エンヴィー、魔法種類は闇。30代くらいの男性。


  そして情報が少ないのが残りの2人。

  ラトニー、女性だと言う事以外不明。

  プライド、子供だと言う噂があるが···定かではない。


  七つの大罪は基本ツーマンセルで行動して2人で1つの街の魔導師を排除するらしい。

  ちなみ七つの大罪と名乗った訳ではなく悪魔の神話の七つの大罪にふさわしい7人の反魔導師だから七つの大罪と呼ばれている。

 

  「なるほどね」

  「そして七つの大罪は俺を襲った、つまりこの街の魔導師をまだ狙っている可能性がある」

  「つまりアーサーを囮におびき寄せようって事?」

  「そんなとこ」


  だとしたら···七つの大罪側からしたらアーサーを狙う時は暗殺って形になるだろうな。

  1度失敗したのだから街を諦める可能性もあるが七つの大罪のような奴は諦めが悪いはずだ。


  「よし!今日は俺が妖を倒すから遠くから見てくれ、しばらくそれを続けよう」

  「だね」


  僕とアーサーはノートに七つの大罪や魔導師についてまとめていた。

  そのノートは部室で管理している。


  「ん?ちょっと待ってて」


  僕はドアの近くに気配を感じてドアを開けに行く。

  ドアを開けると1人の女の子が居た。


  「あ」

  「どうしたの?こんな所で?」


  ここは旧校舎、生徒が居るなんて怪しい。もしかして七つの大罪の者か?


  「あの、妖撲滅部って妖を倒す部活?」

  「え?あ、そうだよ」

  「そちらに居るアーサーも?」

  「あ、知り合い?」


  女の子はお嬢様のようにお上品だ。穏やでクールって印象かな。

 

  「え、あ、知らない、な、何しに···き、たの?」


  そうだった。アーサーは女が苦手だったんだ。大して近くに居ないのに戸惑っている。


  「私も入れて、部活に」

  「僕は良いけど···」


  僕はアーサーをゆっくり見ながら言う。前、アーサーが部員を入れたくないって言ってたし、女子苦手だからな~。


  「悪いけど···ダメかな、いや!嫌いとかじゃなくて、この部活は···ちょっと、それに女子は特に危ないし」


  アーサーがそう言うと女の子はムッとした表情で


  「分かったわ、この子と2人っきりで部活をしたいのね?完璧王子は、部室で女子と2人っきりになりたい変態だもんね」

  「いや、褒められるのは嬉しいけど···ダメなんだ」


  アーサーお前、褒められて、けなされているんだぞ?

  ん?それよりこの女の子···僕を女と言ったか?まったく···

 

  「あの、よく見て!僕男!制服男用でしょ?」

  「見つかって言い訳するためだけの為に制服まで買うとは···さすが金持ちお坊ちゃん、普通そこまでする?しかもロリコンになるとは」


  この子···アーサーに恨みでもあるのか?アーサーだけならともかく僕まで誤解されるとは···後ロリコンってなんだ?分からないがバカにされているのだけは分かる。


  「本当に男だから、証拠に···証拠はないけど」

  「ほら、やっぱり女の子でしょ」

 

  悔しい、勘違いされたままは悔しい。仕方ない···相手は女性、まだマシだ。


  「証拠がある、ほら」

  「えええー!な、何やってるの貴方!?」


  僕が女の子だけに見えるよう股間を見せつけると女の子は顔を赤くして目をそらす。


  「よく見て!」

  「本当に男なら見せちゃダメだよ!何して···え?無い···貴方、無い」

 

  女の子がそう言って目をそらすのを止め僕の股間を見る。

  アーサーも不思議そうにしている。


  「無いって?」

  「この子···男でも女でも無い···」

  「え?」


  そう僕の股間にはどっちも無いんだ。昔ある神によって切り落とされた時からずっと無い。


  「あ、大変失礼、ごめんね」

  「良いんだ」


  女の子は納得したようだ。だがアーサーはずっと口を開けて驚いている。


  「まさか神だからか?」

 

  おい!アーサー!それ言っちゃダメなやつ!


  「どっちにせよ入部したいんだけど」

  「なんで?」

  「アーサーに勝つ為、それと魔導師になる為」


  やっぱりアーサー何かしたのか?


  「アーサーに何で勝ちたいの?」

  「全て、学問、才能、全てよ」

  「な、ぜ?」

  「アーサーに勝たないと1番になれない」


  つまりアレか。クラスに1人は居るか知らないけど1番になりたい完璧主義タイプ。

  アーサーは一見バカっぽいがクラスでは爽やか少年だし成績も運動神経も良い。


  「じゃあ魔導師だけど、普通に魔導師になったら?そっちならお金も稼げるし」

  「親がダメって、代わりに霊媒師をやってるけど···私は魔法を使って妖を倒す職業をやってみたい」


  なるほど、魔法は使えるが親のせいで魔導師になれないのか。

  1人で妖退治されても危険かもしれない···


  「アーサー、入れてあげよ?1人で妖退治は危険だよ、魔法を使うとこを見られたら七つの大罪に狙われる」

  「···仕方ない」


  と言う事で女の子は妖撲滅部に入部した。七つの大罪に襲われないよう身近に置いとくのが安全だ。

 

  「僕はジャック、君は?」

  「アリス、それより貴方···ジャックとアーサー、その髪の毛」

 

  アリスは僕とアーサーの髪の毛を見ながら言う。

 

  「だらしない、黒く染めたら?」

  「そうえばアリスの髪は黒だね、染めたのか···」

 

  けどこの学園の校則的に大丈夫なはず。それにアマノと同じこの髪は僕にとって誇りだ。


  「俺は···やめとくよ、ご、ごめん」

  「僕もこの髪気に入っているし、それに自分らしさだから」


  アリスは少し不満そうだが納得したようだ。なんかツンツンしているって言うか···難しい人だ。


  「自分らしく、ね···それよりジャック、貴方あまりみないけど···噂の転校生?」

  「多分噂の転校生」


  僕とアリスが話しているとアーサーがなにか言いたそうに僕を見てきた。

  この目は···早く七つの大罪おびき寄せ作戦実行しようって言いたそうな目だ。


  「今から妖を退治にしに行くんだ、アリスはどうする?」

  「置いてくつもりだったの?勿論着いてくわ」


  僕はアーサーとアリスと共に街の外の妖を探しに行く。

  少し暗くなってきたがまだ部活時間内だ。


  「居たね、アリスの魔法見せてよ」

  「植物魔法···フィトーネ」


  アリスの魔法属性は植物らしい。アーサーと言いアリスと言い魔法属性に入るのか?火とか水なら分かる、天気とか植物とか属性なの?


  「捕らえたわ」

  「え、あ、倒して良いよ」


  気づいたら妖が植物の樹木で縛られるように拘束されていた。

  アリスがそのまま妖を縛り付けると妖は消えて無くなった。


  「やった!初めてやっ···?」

 

  アリスは僕とアーサーが妖に祈りを捧げているのを見て不思議がる。

  だが不思議そうにしながらも一緒に祈りを捧げてくれた。


  「すげぇ〜」

  「凄いね」


  アーサーと僕がそう言うとアリスは少し嬉しそうな顔をする。

  だがすぐに目をそらして


  「部活終了の時間じゃない?戻りましょ」


  今日は七つの大罪をおびき寄せ作戦実行出来なかった。

  代わりに新たな部員が入った。アーサーの女子苦手を克服するのにも良い部員だろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ