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愛を知らない神様  作者: ビター
スロウス編
39/113

ロス

 

  七つの大罪襲撃や殺し屋襲撃から2週間経った。

  アーサーの怪我は完全に治り学園生活もいつも通り送れている。


  アーサーの復讐、ルーナの正体、気になることはたくさんあるが何れ分かるだろう。

 

  「2度も侵入者が現れた!やはりセキュリティがあまい!」


  ユグドラシル、魔道士協会本部。

  会議室では島に居る魔道士と協会の者が会議をしていた。


  「今回は優秀な生徒が居たから死人が出なかったが次は無い」

  「殺し屋達は解決したとして厄介なのは七つの大罪····奴らの1人ラトニーは転移魔法、この島の位置がバレればまたすぐに来る」

 

  緊迫した空気の中、1人の協会の者が場を凍らせるように、


  「内密者が居たら終わりですね」


  その一言で皆黙り込む。

 

  「居ないことを願うばかりだ、現時点では避けれない」

  「そうですね」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  ユグドラ学園高等部、霊媒師科3年B組。

  このクラスにはルーナが転校して来た同じ時期に転校して来た少年が居る。


  その少年は目にクマがあり、紫色の髪の毛が特徴の大人しい少年だ。

  年齢は18歳、身長は167、いや169――170あるか怪しいくらいの高さでスタイルはごく普通――強いて言うなら少し痩せ気味。


  「ロス!学園には慣れた?」


  少年――ロスは1人の少女に話しかけられる。

  戸惑いながらも目を合わせずに、


  「まぁまぁ、話せる人も1人出来たし」

  「それって私!?」

  「ごめん、違う」


  少女はガックリした様子で微かに微笑む。

  そんな2人の元に1人の少年が来て、


  「話せる人ってのは俺だろ?」

  「うん」

  「なんだ〜、君は····誰?」


  少女は首を傾げながら少年に問う。

  少年は不思議そうな顔をしながら、


  「俺はキース、そう言うあんたこそ誰だ?」


  少年――キースは両目を細め少女を見る。

  少女は驚いた表情をしながら、


  「エリザよ!クラスでは目立っている方だと思うんだけど····」


  少女――エリザ両手を組み、ムッとしながらキースをマジマジと見る。


  「目立っている?あー、つまりお調子者って事か」

  「違う!!何で悪い意味で捉えるのよ!」


  2人の会話を無表情で見ていたロスが「クスッ」と笑いながら顔を伏せた。

  エリザとキースは会話を止め、ゆっくりとロスを見る。


  「お前、普段笑わないのに嫌なところで笑うな」

  「はははは!」

  「何でお前まで笑う····」


  ロスはクスクスと、エリザはケラケラと笑い、キースだけが困った顔をしている。

  笑い終えたエリザは涙を指で擦りながらキースを見上げ、


  「お前じゃなくてエリザ!分かった?」

  「はいはい、俺の事も名前で呼べよ?」

  「言われなくても分かってるよ!!」


  楽しそうに話をするエリザとキースを見ているロスは少し虚しい表情を見せる。

  それに気づいたキースが、


  「何しけた顔してんだ?お前も話に参加しろよ」

  「ごめん、何話していいか分からない。それに2人の会話を聞いてる方が楽しい」


  ロスがそう言うと2人は少し間を開けてクスクスと笑う。

  そんな2人を不思議に思っているとエリザが、


  「貴方相当変わってるね」

  「確かに小学レベルの勉強が出来なかったり常識がズレてたり····国の違いもあるけど、ロスはかなりズレてる」


  ロスはキョトンとしてからニコッと笑うだけで何も言い返しはしなかった。


  「小学レベルが出来ないのは家庭や環境の影響じゃない?」

  「そうか」


  ロスは少し考え込んだように見える。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  その日の夜。

  七つの大罪アジトではラストとスロウスとプライドが1階でテレビゲームをしていた。

 

  ラストはソファーに寝転がりながらスロウスに足を掛け、スロウスとプライドはソファーにちんまりと座ってゲームをする。


  「ああ!まただよ!」


  ラストはゲーム内で死んでしまい諦めたようにコントローラーを投げる。


  「ラスト、今回はFPSだよ?得意でしょ?」

  「リアルじゃないと無理!」


  スロウスとラストの会話にプライドが横目で反応して、


  「昔話か?」

  「うん、前言ったよね?」

  「詳しく聞かせて欲しいな」


  ニコッと笑いながらスロウスはプライドの頭を撫でて、


  「いいよ、僕が10でラストが14の時だったかな?」


  スロウスはプライドを撫でるのをゆっくりと止め、ゲームをしながら話す。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  アフリカ、スーダン。

  アフリカでは戦争が今でも起こっている。

  スロウス――僕が10歳の頃、誘拐されて少年兵として戦地に立たされた。

 

  普通ならペンを持って勉強するはずの生活、だが僕は銃を持って殺し合い。

 

  「死にたくない死にたくない」


  僕は必死で銃を持って戦った。

  だが大人達が僕を誘拐したのは人手が欲しかったからじゃない。


  「毒魔法」


  魔道士と言う強力な戦力が欲しかったのだ。

  ラストもそんな大人達に利用された1人だ。


  戦っていない時は同じ少年兵と同じ部屋で待機させられる。

  やることは食べる、寝るくらいだ。

  同じ子供が居すぎて狭かった。


  「隣良いか?」


  そんな過酷状況で僕に話しかけできたのが後のラストだ。

  ラストとは歳が4歳違ったが妙に気があった。

  理由はすぐに分かった。


  「お前もアレだろ?えっと、魔女?ま、魔法使い·····魔道士!魔道士だろ?」


  歳の割には幼いからだ。

  ラストは常に明るくニコニコと笑っていた。

  こんなイカれた環境で生き生きとしてられるのはイカれた証拠だ。

  だがそんなラストが居たから僕は戦地を生き抜けた。


  「怯むな!怯むな!押せ!」


  戦地は凄まじかった。

  良くも飽きずに24時間365日殺し合うものだ。

  おかげで退屈何てものは無かった·····オールでゲームだから目にクマが出来ても不思議では無い。


  「おじさん何か言って?」


  とある日、ラストは今にも死にそうな仲間の兵士に話しかける。

  手を銃の形にして頭に突き立てる。

  僕には脅しているようにしか見えない。


  「な、何言ってる?は、早く助けてくれ」


  大人の兵士は苦しそうにしながら言うがラストはそんな事お構い無しに、


  「次は違う事言ってね、間違えたらバーン!だからね?」


  兵士はラストの目を見て悟った。

  自分が殺されそうになっている事に。

  戦争中に仲間の兵士を殺そうとする少年·····正常とは言えない。


  「何が目的なんだ?」

  「人が死ぬ前に叫ぶように、おじさんも僕に涙を見せてよ!もっと······分かるかな?」

  「た、助けてくれ、何でもする」

 

  それを聞いたラストはニコッと笑いながら手銃を下ろす。

 

  「はぁ」

  「戦争中に安心しちゃダメだよ」


  だがラストは兵士が身に付けていた手榴弾のレバーを引き抜く。

  兵士は身動き取れない状況と手榴弾の発動に恐怖して、


  「や!何て事しやが――」


  兵士は言葉を言い切らずに爆破して死んでしまう。

  ラストは近くに居たが空気魔法で防御していた為、傷は無かった。


  「経験より頭が足りてない、殺してるんだからいつ殺されても仕方ない。分かってても死を目の前にすると慌てふためき己を捨てる····自分のラストくらい華々しく死ねないかな〜?」


  僕はラストのようにイカれた子供では無かったが戦争をする内に、呼吸するように殺しをなせる様になってた。

  出来れば殺したくないけど、自分が必要ならば誰でも殺す。


  けど戦争とは僕が15歳の時にさよならした。

  ある4人の魔道士が戦地を訪れたからだ。

スロウス編スタートです。

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