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愛を知らない神様  作者: ビター
殺し屋編
38/113

しばしの別れ

 

  ユグドラシル、ユグドラ病院。

  イアン達に眠らされた生徒達は体に異常が無いか検査されていた。

  それとは別にアーサーとルーナは傷が酷く体が疲れ病棟で眠っていた。


  「ここは?····病棟、寝てしまったのか」


  ルーナは目を覚まし体を起こす。

  そして自分のベッドを枕にするように椅子に座り少年が寝ているのに気付く。


  「こいつ····」


  ルーナは少年の頬っぺを優しく突っつき、更に頬をゆっくり触ろうとする。


  「んん」


  だが少年が目覚めそうになった為、手を引っ込める。

 

  「あれ?起きたの?ごめん、逆に僕が寝ちゃったね」

  「なぜここに寝てた?ジャック」


  少年――僕は眠たそうにしながらニコッと笑う。

 

  「まだお礼言ってなかったから」

  「お礼?」


  ルーナは片目を細めて睨んでいるような不思議がっているような表情をする。


  「ルーナのおかげでドッチボールに勝てた」

  「俺が居なかったら真理の義眼で勝てた、俺は邪魔をしたの分からないのか?」

 

  僕は首を小さく傾げて、


  「何言ってるの?ルーナが居たからアマノに頼らず僕の力でやれた。今回の戦いで過程が大事って気づけたよ」

  「バカと天才は紙一重·····お前の事だな」


  ルーナはそう言ってベッドから降りて魔法陣を出して制服を取り出し着替える。

 

  「また明日学園で」


  そして移動魔法を使い、どこかへ消えた。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  3日後、アーサーは学園が始まる前朝早くユグドラシル入口に来ていた。

  体に傷の痛みや骨の痛みがある為松葉杖を使いながら立っている。

  今日は大会に参加していた各国の魔道士が国に帰る日だ。


  アーサーの目の前には大会で戦ったブルーハーンが居る。

 

  「本当に良いのかい?賞金だけじゃなく君のお金まで譲って?」

  「実際は俺の賞金じゃなくブレッドさんのだ、それに俺の家金持ちだし、ハーンさんに使って欲しい」

  「ありがとう、この金で祖国を救うよ」

  「ああ」


  ブルーハーンは泣きそうになりながらアーサーに貰ったと思われるお金の入ったカバンを握り締める。


  「やぁ!見送りに来てくれたのか!」


  そこに竜介が刀を杖のように使って歩いて来た。


  「竜介さん!」

  「聞いたよ、アメリカのSランク反魔道士を倒したらしいね?確か殺し屋で鬼の5兄弟とか言われてた厄介者達?」

 

  竜介はニコニコとしながらアーサーを尊敬の目で見ている。

  だがアーサーは困った顔をしながら、


  「倒したのは俺じゃないよ、もっと凄いやつ」

  「あらま、それより――」


  竜介は話の途中で大きなキャリーバックから大きめの箱を取り出し、


  「成長したそなたにこれをさずけよう!」

  「なんだろ?」


  アーサーは不思議に思いながら箱を開けて見る。

  箱の中には輝く剣が入ってた。


  「なんで剣?」

  「そなたはアーサーだろ?」

  「·····アーサー王をイメージしたのか?なんて単純な日本人だ」

  「復讐するなら魔法だけじゃなく武器も使えたら良いと思って」


  アーサーは一瞬、少し口を開けて顔を上げるがすぐに口を閉じ顔を伏せる。


  「復讐の事気づいたんですね、けど俺は自分の為に戦うのを止めたんです。七つの大罪を倒すのは俺ですが殺しはしません·····ラストも生きてたらしいし」

  「何言ってるのだ?知ってたぞ」


  それを聞いたアーサーは顔を上げてムスッとしながら、


  「知ってて言ったのか!?騙しましたね!?危なく剣で斬り掛かる所でしたよ!」

  「怖っ。ん?そろそろ時間だから行く」


  竜介は周りの魔道士が入口に向かって出て行くのを見てその場を去ろうとする。


  「待ってくれ!」


  だがアーサーが引き止める。


  「なんだい?」

  「七つの大罪を倒せるのは貴方だけだと聞いた。だから俺はユグドラ学園を卒業して島を出たら日本に行きます」

  「うむ、そなたを待っている。しばしの別れだ」


  竜介はそう言ってゆっくりと刀で体を支えながらその場を去った。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  七つの大罪のアジト。

  ラトニーは車椅子に座りながら2階から1階に降りる階段を降りようとする。


  「転移――」


  ラトニーは転移魔法を使って階段を安全に降りようとするがプライドが後ろから車椅子ごと持ち上げ階段を降りる。


  「魔法に頼らず人に頼れ」

  「そうね、けど神に頼るのは悪いと思って」


  プライドもラトニーもお互いを見ずに小さな声で言う。


  「遠慮は神にも無礼だ」


  プライドはそう言って車椅子に座ったラトニーを大きなテーブルの前に移動させる。

  プライド自身も隣に座ると7人全員がテーブルを囲んで座った。


  「プライド、スロウス、学園の方はどうだ?何かあったか?」


  包帯や湿布を体中に身につけて如何にも怪我人らしいラースが言う。


  「別に」

  「え?プライドのクラス殺し屋達に襲われたって聞いたけど?」

  「殺し屋?」


  プライドはため息をついて眠そうにしながら、


  「アメリカの鬼の5兄弟とドッチボールした。赤髪の奴はリーダー並に強さだった·····それと意外にスポーツは楽しい」

  「誰?鬼?」

  「アメリカの殺し屋、受けた仕事は必ずこなし、今までに1000人以上殺した最悪の反魔道士だ。足取りも残さず探すことができなかったから有難いな」


  ラースは少し微笑みながら言う。

  そしてラトニーが口を開き、


  「白髪やアーサーは暗殺できそう?」

  「多分無理だ」

  「そう」


  ラトニーはそう言って黙り込む。


  「ならばスロウスの学年から攻めるか····またセキュリティを把握したり情報を集めたり計画を立てないとな」

  「じゃあ僕はそれまで学園生活を楽しむよ」


  スロウスがそう言うとラースが指パッチンをする。

  同時にラトニー意外の6人は立ち上がりそれぞれの部屋に戻る。

  だがラースだけは指を痛そうに抑えてる。


  「リーダーどうしました?」

 

  ラトニーはそれに気づきラースを覗き込むように見る。


  「指パッチンで····つった」

  「リーダーのドジ、久しぶりに見ました」

 

  ラースとラトニーが会話する中プライドは部屋に戻り目元の手を外し、


  「暗殺するのは無理だ·····あんな楽しい奴らをまだ壊せない、壊すならお前ら七つの大罪を壊してからだろうな」


  悲しく虚しい笑を浮かべる。

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