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愛を知らない神様  作者: ビター
殺し屋編
31/113

ルール説明

 

  体育館の入口ではミハエル先生を含めた大勢の先生方が薄紫色の魔法の壁の前に居た。

  壁を見て困惑している。


  「なんの魔法かは分からないが中にいるあの男達の魔法だろう、だがどうやって島に潜入した?」

  「取り敢えず協会に連絡を」


  ミハエル先生は壁に向けて銃を放つが傷一つつかない。

  焦った様子で壁の中を見るが何も出来ない。


  「耐えてくれ、皆」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  体育館内では謎の男達が僕らを待つように立っている。

 

  「こっちは4人、魔法で造る人形も入れて7人」

  「分かった、なら始めるぞ」


  イアンがそう言うとドッチボールをする線の中に入る。

 

  「言いずらいんだけど、ドッチボールって何?」


  僕の一言でアーサーやアリス、男達までズッコケてしまう。

 

  「知らないで仕切ってたのか!?」

  「すみません」


  イアンが振り返って驚いた様子で僕を見る。


  「仕方ない、特別ルールも含めてルール説明だ」


  すると『審判』と体に書かれた人型人形――審判が前に出てきてホワイトボードを持って、


  「ドッチボールとは相手チームにボールを当てて――」


  だがアーサーが僕の体を引っ張り、


  「いいよ!ジャックには俺が教えとくから!それより特別ルール?ってのは何なんだ?」


  審判は口を閉じると四角形の箱を取り出す。


  「まずチームごとに人数分ここからカードを引いてください」


  僕らは不思議がりながらも4枚カードを引く。

  向こうのチームも5枚カードを引く。


  「何これ?」

  「これは能力値カードです、この体育館内では皆様の能力値が強制的に決められます、カードをよく見てください」


  カードには攻撃力、素早さ、防御力、魔力量、体力、回復力の6つがパラメーターになって表示されている。


  「攻撃力はボールを当てた時の威力、または魔法の攻撃力、素早さはボールのスピード、または魔法のスピード、防御力はボールや魔法を受け止める力、魔力量は魔力の量、体力はスタミナの量――」


  そしてカードを1つ取り出し、


  「今私の表示は全て3、回復力は分かりやすく言うと――」


  ボールを思いっきり真上に投げる。

  同時に審判が持っていたカードのパラメータ表の上にある2つの横線のゲージのような線――ゲージが少し減る。

  よく見ると上のゲージは魔力量、下のゲージは体力と書いてある。

  だが体力ゲージはすぐにゆっくりと戻る。


  「今私はボールに魔力を込めて投げました、そして少し体を使って投げました、ですから魔力量と体力が減りました、この回復スピードが回復力です、魔力量は回復しずらく体力はすぐに戻ります」


  ――なるほど。


  「ゲーム見たいだな」


  ルーナの言う通りゲーム見たいだ。

  いくら僕やルーナが神で身体能力が人間離れしていてもこの空間では能力値カードによって僕らの能力が決まってしまう。

  1番厄介な魔法に掛かった。

  真理の義眼を使えば見たい未来を見て解決できる、だが使えばルーナによってアーサー達が危険になる。

  ルーナにも真理の義眼を使って対抗すれば良いがどんな能力、魔法を隠しているか分からない――リスクが高い。


  「まず誰がどの能力値カードを受取るかチームで話し合ってください」


  チームごとに分かれ能力値カードを床に広げ考え込む。


  「どうする?」


  僕らのチームには能力値カードが4枚。


  1枚目。攻撃力5、素早さ3、防御力2、魔力量3、体力4、回復力4。


  2枚目。攻撃力3、素早さ4、防御力2、魔力量5、体力2、回復量5。


  3枚目。攻撃力4、素早さ5、防御力1、魔力量2、体力4、回復量5。


  4枚目。攻撃力1、素早さ2、防御力5、魔力量3、体力3、回復量2。


  「私、ルーナの事信用できない、まだアーサーに魔法を放った事謝ってないし」


  アリスは目を細めてルーナを見る。


  「ケッ、なら俺はこれで良いぜ」


  ルーナは1枚の能力値カードを手に取り能力値を僕らに見せる。


  「防御力が5なだけで魔力量と体力は3、攻撃力と素早さと回復力に関しては1、2、2、この中で1番弱い、それに防御力なんて使わなそう」


  アーサーはカードを見て不思議そうにしながらもルーナの顔を見る。


  ――何を考えている?君が弱いカードを選んでどうする?一体何がしたい?


  「じゃあルーナはそれね、他はどうする?」

  「アリスの植物人形が作れるようにアリスは魔力量と回復力が5のこのカードにしよう」


  アリスのカードが決まり残りは僕とアーサー。


  「どっちにする?」

  「どっちもどっちだね」

  「ならこれで」

 

  僕とアーサーのカードが決まり向こうのチームも決まる。


  「では能力値をお互い確認し合いましょう」


  全員の頭の上にパラメータと名前が表示される。

  向こうのチームの名前と能力値――


  イアン、攻撃力5、素早さ5、防御力5、魔力量5、体力5、回復力5。


  ニコラス、攻撃力2、素早さ4、防御力1、魔力量5、体力2、回復力5。


  サントス、攻撃力3、素早さ3、防御力3、魔力量2、体力4、回復力3。


  シーマス、攻撃力2、素早さ4、防御力3、魔力量5、体力2、回復力4。


  コルビン、攻撃力4、素早さ2、防御力3、魔力量3、体力5、回復力4。


  「まぁまぁ····って!1人だけ異常なんだけど!?」


  皆が思っていた事をアーサーが言ってくれた。

  イアンだけが全て5、異常値だ。


  「ルール説明の続きです、ボールに当たった人は外野に行きます、ですが相手チームの内野にボールを当てれば1人1回だけ内野に戻れます、2回目以降の外野行きは完全アウトと言う事で退場です――」


  ――退場もあるのか。


  「退場になった人の分の能力値は仲間に均等に配分されます」


  つまり人数が少なくなればなるほど一人一人能力値が上がり強くなると言う事。


  「もちろん魔法は使って良いです、ですが魔法を直接相手に当てての物理的攻撃はアウトです。気おつけて下さい、使うボールは魔法で作ったボールなので壊れません」


  ヤバいな、魔法で作ったボールって事は僕やルーナにもダメージを与えれるって事。

  このドッチボールでは神の特権も能力も無意味と言う事。


  「確認です、イアンチームが勝った場合、ジャックチームの皆様と生徒達は死にます。ジャックチームが勝った場合はこの空間が解除されます」


  僕達の負は死を意味する。

  クラスの皆の命もかかってるし、負ける訳にはいかない。


  「それでは初めましょう」


  審判が指パッチンをするとステージに居たクラスの皆が眠ったように倒れ皆の姿が見えなくなる。

  観客は要らないって事か。


  「ボールはジャンプボールで決めます」


  審判は中央に立ちボールを持つ。

 

  「分身魔法」


  相手チームの男――ニコラスが魔法を使うと自身の姿をした5人の人が現れる。

  ニコラス本人と違うのは顔に目や鼻が無く、数字が書かれている事。

  数字が1、2、3、4、5、単純で分かりやすい。


  「相手が10人に、だから10人出せと言ったのか」


  だがアリスも対抗するように植物人形を3体造る。

  身長も体格も一般の大人くらいだ。

  樹木のような体でところどころに花や草が付いてて可愛げがある。


  「10対7だけど、充分勝てる」


  植物人形は全員外野に向かい僕ら4人は内野に行く。

  向こうチームは外野にニコラスの分身3人、内野には分身2人と本物の人間5人。


  「ジャンプボールは1番背が高い····アーサーとルーナどっち高いの?」

 

  ジャンプボールを決めたいが同じくらい身長があるアーサーとルーナで迷う。

  だがルーナはアーサーの足元を見て、


  「男が行く、お前より高く飛べる」


  中央には審判がボールを持って待っている。

  ルーナは静かに中央に向こう。

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