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愛を知らない神様  作者: ビター
殺し屋編
30/113

5人の殺し屋

 

  学園の相談室でミハエル先生とアーサーはお話をしている。

 

  「分かっていると思うが君は七つの大罪へ復讐を考えてはいけない――つまり七つの大罪を殺してはいけない」

 

  悲しそうな表情を浮かべながら言うミハエル先生を前にアーサーは真剣な表情をして、


  「分かってます、ですが魔導師として奴らを捕まえたいです。この島の皆の為にも未来の為にも、それと――自分の為にも」

  「信じていいんだろうな?」

 

  アーサーは真剣な表情を続けて少し間を空けた。

  そして何かを覚悟したかのように、


  「と言っても奴らを前にしては俺も冷静さを保てないと思います、けどそれは自分1人の場合です。今は守りたいものや失いたくないものがあります、それに俺が間違った時に止めてくれる友も居ます」


  最後にニコッと笑ったアーサーを見てミハエル先生は安心したように立ち上がり、


  「分かった、午後からは体育だろ?戻りなさい」

  「はい」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  七つの大罪襲撃から3日。

  火曜日の午後、僕ら中等部2Aは体育の時間だ。


  「ん?アーサー?階段の時は呼んでって言ったのに」


  僕が体育館に向かうと階段を手すりを使って手だけで降りるアーサーが居た。

  ブレッドとの試合の痛みで激しく動いたり階段の上り下りができないのに――。


  「ほら肩貸すから」

  「ありがとう」


  アーサーは僕の肩につかまりながらゆっくりと階段を降りる。

  だが途中顔を赤くして恥ずかしそうに、


  「や、やっぱり1人で大丈夫」

  「別に気にしないで」

  「け、けど·····ジャックの体女の子みたいで恥ずい――なんか柔らかいし」


  かなりショックだ。

  思わず掴んでいたアーサーの腕を離してしまいアーサーが階段から転げ落ちる。


  「痛た····1人で良いって言ったけどそんな早く離さなくても」

  「あ、ごめん」

 

  僕はアーサーと共に体育館に行く。

  いつもミハエル先生は遅く体育館に来る。

  どの授業も決まって5分以上遅刻する。


  「え!今日先生早くない?」

  「急ごう」


  だけど今日は時間通りに来ていた。

 

  「はーい!今日の授業は――」


  ミハエル先生はいつもよりテンションが高い。

  普段笑わないのに異常なくらいニコニコと笑っている。


  「死を体験しましょう!」

  「え?今なんて?」


  聞き間違えてはいない。

  クラスの皆が動揺するより早くミハエル先生は手持ち機関銃を取り出し僕ら生徒に向けて放った。

  だが神である僕の前では動きが遅かった。


  「皆伏せて!」


  僕の魔力をクラスの皆に被せる。

  目には見えないが近距離で手榴弾を喰らっても傷一つつかない程の防御力を持った魔力だ。

 

  「なぜ当たらん?いや、当たってるはず」


  機関銃の弾が切れたらしい。

  ミハエル先生は機関銃を捨てて、


  「カモン!ブラザー!」


  すると体育館内に隠れていたと思われる4人の男が出てくる。

  男の1人が天に向かって手をかざして、


  「制約魔法!」


  男の手からは薄紫色に見える透けた色の物質が出て体育館を囲う。


  「た、助かったの?」

  「ミハエル先生?どうしたのあれ?」

  「殺されるの?」


  クラスの皆はゆっくりと頭を上げて震えながら男達を見る。

  そしてミハエル先生は顔に手を当てて――顔から手を離す。

  その一瞬でミハエル先生の顔は別人になっていた。


  「変身魔法、僕はミハエル先生じゃなくてコルビン」


  ミハエル先生――コルビンはニコッと笑いながら言う。


  「シーマス、武器」


  1人の男がそう言うと男――シーマスが手から銃を創り仲間に渡す。

  男達は銃を僕達に発砲するが僕の魔力のおかげで皆に傷はつかない。

  そして僕は一瞬で全員を蹴り銃を取り上げる。


  「くっ、な、何が起きた?なんの魔法だ?」


  男達は床に這いつくばりながら不思議そうにする。


  「イアン兄さん!ヤバい!何かヤバいよ!」

 

  コルビンがそう言うと男――イアンが1人の男の方を見て、


  「サントス!戦い以外ならなんでも良い、何かやれ」

  「わ、分からないよ!」

  「戦わず勝てる――」


  イアンは体育館に転がっていたボールを見て閃いた表情で、


  「スポーツだ!早くしろ!」

  「制約魔法!」


  男――サントスがそう言うと体育館には妙な線がラインが引かれ得点表と『審判』と体に書かれた人型の人形が現れる。


  「そこの白髪の娘、今からは妙な動きを取るなよ」


  イアンがゆっくりと立ち上がり僕を睨んでくる。

 

  「俺達5人を圧倒する奴が現れるのは想定外だったが、もう想定外は来ない」


  そして男達は全員立ち上がり僕らを見る。

  気づくと僕を含めたクラスの全員が体育館のステージの上に移動させられていた。

  彼らの魔法か?


  「この空間では俺達に攻撃は効かない、勿論外にも出れない、だが出たいだろ?」


  イアンは僕らを睨みながら腕を組む。

 

  「だが攻撃できないのは俺達もだ、そしてさっきの戦いでお前らを殺せない事が分かった、だからスポーツで殺す事にした」


  クラスの皆は状況に着いていけず困惑している。

  男達が何者なのか?ミハエル先生はどこなのか?なぜ命を狙われているのか?疑問でいっぱいだ。


  「おい、サントス、このスポーツはなんだ?」


  イアンは小声でサントスに聞く。


  「ドッチボールだよ、10人くらいで出来るんじゃないかな?」


  サントスがそう言うとイアンは再び僕らを見て、


  「10人出せ、お前らの中から代表を10人」


  僕は急いで皆の方を振り返り、困惑した状況の中、


  「皆、いきなりの事で困惑してるだろうけどこの体育館から出るにはあのスポーツをやらないといけないらしい、代表を10人出そう」

 

  そして1番最初にアーサーが立ち上がり、


  「俺行く、奴がミハエル先生じゃないなら本物が心配だし」


  続くようにアリスが、


  「私も」

 

  僕は嬉しそうな表情を浮かべながらも切り替えて、


  「他は?僕を含めても後7人は必要だ!」


  だがなかなか出てこない。

  そしてイアンがどこからか取り出したボールを体育館の壁に投げ飛ばし、


  「早くしろ」


  壁には大きく穴が空きジュ〜と音を鳴らしている。

  魔力を込めて投げたボールだろう、でないとああはならない。


  「あ、あんなの死んじまうよ!」


  そのおかげで皆ビビって出てこようとしなくなった。

  ――まずい。


  「あの、3人じゃダメ?」

  「そっちが構わないなら別に」


  イアンはそう言ったがさすがに3人は····けど僕が頑張れば問題ないか!


  「ジャック、私の植物魔法で植物人形を3体までなら出せるよ」

  「凄い!それなら6人だ!」


  アリスのおかげで6人――忘れていたけど僕も分身できるんだった!

 

  「まて、分身とかチートを使うのは止めような」


  僕の心を読んだかのように聞こえた不気味な声は背後から聞こえた。

  だが背後にはクラスの皆が震えながら居るだけだ。


  「俺も出る」

 

  僕が背後を振り返っていると横からルーナがゆっくりと不気味なオーラを発して歩いてくる。

  アリスは嫌そうな顔をしながら自然にアーサーの背後に隠れる。


  「ルーナ!これで7人!あっちは5人だから勝てる!」


  嬉しそうに言うアーサーとは反対に僕はルーナを疑っていた。

  何を企んでいるのか?


  「ジャック、もし真理の義眼を使ったら俺が生徒を皆殺しにする、勿論アーサーやアリスもだ」


  ルーナは低い声で僕の耳元で脅すように囁く。

  案の定、邪魔しに来た。

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