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愛を知らない神様  作者: ビター
殺し屋編
29/113

新たな脅威

 

  「週末いろいろありましたが気にせず勉強しましょう」


  月曜日になると何事も無かったように学園生活が始まった。

  アーサーも退院できたらしい。

  階段の上り下りがキツイだけで後は問題ないと言ってた。


  「こんな時期だけど転校生を紹介する」


  ユグドラシルの学園にはちょくちょく転校生が来る。

  理由は各国で発見されていない魔導師や霊媒師が居て、その子供達を日々協会が探しているからだ。


  「入って来なさい」


  ミハエル先生がそう言うとドアから1人の男の子が入って来る。

 

  「イギリスから来たルーナです。魔法属性は雷、よろしくお願いします」


  と陰気な感じで言った少年は黒髪が片目にかかっていて綺麗な顔立ちをしている。

  だがどこか不気味で近寄り難いオーラを発している。


  「かっこいい!」

  「けど怖そう」

  「魔導師で黒髪って珍しい」


  皆はざわめきながら転校生に興味を持つ。


  「転校生が来たからついでに席替えします」


  ミハエル先生はそう言ってくじ引きで席替えを始める。

  皆順番にくじを引く。


  「アーサーとアリスの近くが良いな」

  「俺も」

  「私も····2人の近くが良い」


  声に出したつもりは無かったが声に出ていたらしい。

  けどアーサーもアリスも優しく僕にそう言った。


  くじが終わると決められた席に移動する。

  残念ながらアーサーもアリスも廊下側の1番前、2人は隣同士で近くになれたらしい。

  アーサーはアリスに話しかけられて女子苦手を発動している。

  僕が居ない時に2人きりになるといつもああだ。


  そして僕の席は窓側の1番後ろ。

  アーサー達とは真反対····隣は転校生のルーナ。


  「よろしく」

  「····お前男だろ?女みたいな顔だな」

 

  初対面なのに失礼な人だ。

  それとこの声····どこかで聞いた事のあるような····。


  「それを言ったら君だって女の子みたいな名前だ」

  「別に良いだろ」


  変な人だけど悪い人では無さそう。


  朝のホームルームが終わるといつも通りの日常が始まった。

  いつも通りじゃないのは転校生だけだ。

  ルーナは誰とも関わろうとせず学園生活を送っていた。

  人付き合いが苦手なのか?それは分からないがいつも寂しそうに見える。


  「隣良いか?」


  昼休みになり食堂でご飯を食べる。

  アーサーとアリスと食べていたがアーサーは1人で食べていたルーナの場所に行き声を掛ける。

  やはりアーサーは優しい。


  「誰だお前?」

  「アーサー、クラスに居たでしょ?」


  アーサーはそう言ってルーナの目の前に座る。

 

  「勝手に座るな」

  「もしかして俺嫌われている?」

  「ああ、少しは悟れ」


  アーサーはガックリしながらも話を続ける。


  「雷魔法ってどんなの?」

  「こんなのだ」


  ルーナは手のひらをアーサーに向けて雷魔法を放つ。

  アーサーは軽く吹っ飛び椅子から転げ落ちて頬が焼ける。


  「アーサー!」

 

  僕とアリスは急いでアーサーの元へ駆け寄る。

  だがアーサーはゆっくりと立ち上がりニコッと笑いながら手を僕らに突き出す。

  俺に任せてと言わんばかりの手だ。


  「なんでこんな事するんだ?同じ国出身だろ?」

  「馴れ馴れしくするな」


  ルーナは食事を置いて雷魔法を足に纏い素早く移動してその場を去る。


  「怒らせちゃった」

  「酷い人」


  アリスはアーサーに駆け寄りアーサーを心配そうに見る。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  ルーナはトイレに入り鏡の付いた手洗い場の前で息を切らす。


  「はぁはぁはぁ、ダメだ――壊れる··」


  ルーナは右手から魔法陣を出してそこから何かを取り出す。

  それは2個の手だ。


  「早く····君を···」


  その手を自身の目元に付ける。

  そして呼吸を整える。


  「はぁぁぁ、やっと息ができた····危なく壊れる所だったぜ」


  ルーナはしばらくするとその手を魔法陣の中に入れる。


  「戻るか」

 

  ルーナが振り返るとそこに居た少年――僕と目が合いお互い固まる。


  「いや、遅いから心配になって····ご、ごめんね」

 

  僕がそう言うとルーナは僕を無視してトイレを出て行こうとする。


  「待って、さっきの手はなんだい?ルーナ····いや、プライド」


  ルーナは僕の方を見てニヤリと笑い、


  「この手はサタンの手だ」

  「知ってる、なぜ君がこの学園に?君個人の意思か?それとも七つの大罪としてか?」

  「どっちも」


  ルーナはそう言ってその場を去って行く。

 

  「····」


  5時間目、とても心がモヤモヤする。

  隣にプライドが居る、同じ神が居ると思うと変な気分だ。

  ルーナからは人間の匂いや気配がする、きっと魔法か何かだろう。

 

  「チラチラ見るな」

  「アーサーにバレたら厄介な事になるよ?」

  「隠すさ」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  「今臓器1つにつき1000万らしい」


  レストランのような場所で5人の男達が食事をしている。

  全員髪の色が特殊····魔導師か霊媒師だろう。


  「行くんだな!」

  「作戦は完璧だ、上手く行けば子供だけじゃなくSランクの奴らも」


  1人は興奮した様子で1人は冷静に言う。

 

  「マザーの為には莫大な金が必要」

  「えーとえーと!手術代に借金返済代····あとは?」

  「永遠の幸せ代だ」


  男達は食事を済ませると立ち上がりレストランを出て行く。

  男達がレストランを出るとレストランは爆発して吹っ飛ぶ。

  激しく燃え上がるレストランを気にもせず男達はスタスタと歩く。


  「あーあ、このレストラン美味しかったのに」

  「仕方ないだろ、このレストランのシェフがターゲットだったんだから」

  「だからって店ごと?」


  2人の男そう言うと1番前を歩いていた男がため息をついて、


  「明日でこんな汚れ仕事も終わりだ、マザーは明日の俺達が救う」

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