準決勝
「準決勝1回戦!ブレッドVSミハエル!」
昼休憩が終わると準決勝が始まった。
「開始!」
ブレッドは開始早々火をミハエル先生に放つ。
ミハエル先生は日に包まれながらも体の皮膚を次々と再生させながら突っ走った。
「不死身のミハエル、1番厄介な奴だ」
ブレッドはそう呟きながら火力を上げた。
ブレッドの近くまで来たミハエル先生は鎖を取り出すが火によって溶けてしまった。
だがすぐに鎖を再生させてブレッドに投げ付ける。
鎖はブレッドの腕に巻かれるがまたすぐに溶ける。
「時間かかりそうだ」
ブレッドはため息を付きながらミハエル先生に向けて火を放とうとする。
だがミハエル先生は手を挙げて、
「参った!」
「は?」
ミハエル先生は負けを認めてその場を去った。
(参加した目的はアーサーに復讐を止めさせる為、ここでブレッドとお互いの魔力と体力を削り合うのは無意味すぎる。アーサーの勝率を上げるだけにしかならない)
ミハエル先生はそう考えながら、
「最強の魔導師ブレッドにアーサーをボコボコにしてもらおう」
微かに笑った。
「勝者ブレッド!」
アナウンスがそう言うとブレッドは困惑しながらも退場する。
そしてすぐに次の試合が始まった。
「準決勝2回戦!アーサーVS竜介!」
アーサーと竜介が入場する。
竜介は見た感じ20代くらいの若い顔立ちの男性だ。
日本らしく着物と日本刀、それと軍帽のような帽子を身に付けている。
そしてアーサーの不自然に折れ曲がった足と竜介の潰れた腕は治っていた。
きっとミハエル先生が再生魔法で治したのだろう。
「開始!」
試合開始と同時に竜介は腰につけていた日本刀を取り出す。
だが鞘は抜かないままだ。
「さっきの試合では無茶したね、負けず嫌いなのか?それとも···勝たないといけない理由があるのか?」
竜介はそう言いながら手を点に上げる。
そして手から光が放たれ眩しさでアーサーと観客達の視界を奪う。
「見えないが策はある!」
アーサーは目を閉じながらも霧を造り出す。
竜介は光魔法を使いながらスピードを上げてアーサーの背後を取る。
だがアーサーは目を閉じたまま右手に太陽を造り竜介に当てる。
「ガァ!」
竜介は火傷した腹を抑えながら後ずさりする。
アーサーはそんな竜介に追い討ちをかけるように蹴りを入れる。
「ああ〜、この霧みたいなので俺の位置を?」
竜介はそう言って光を解除して刀を構える。
「ウェザー.クラウン!」
アーサーは創った雲に乗りながら上空から太陽を投げ付ける。
だが竜介は光魔法を使い自慢のスピードで避けていく。
「下に降りて近距離で仕留めないと俺に勝てないよ!そこからの攻撃は全て避けれる!」
「お望みどうり」
アーサーは両手に太陽を創りながら竜介に向けてかかと落としを入れる。
竜介はすぐにかかと落としを避け刀を振るいアーサーを吹き飛ばす。
「鞘がある分重いだろ?光魔法の応用でスピードは早い」
「ウェザー!」
「おっそい!既にそなたは俺の間合いに入った!」
竜介は雲を造って逃げようとするアーサーに飛びかかり刀を振り落とす。
アーサーは刀を真剣白刃取りして竜介の顎を蹴り上げる。
そして太陽を造り竜介に放つ。
「やるね!けど!」
竜介は刀で太陽を受け止め弾き飛ばそうとするが太陽は光を放ち目玉を殺られる。
「良く考えれば太陽を直接見るものじゃなかった!小学生で習ったのに!」
竜介は完全に目を閉じて深呼吸をする。
そして刀を自身の背後に持って来る。
刀はアーサーの攻撃を受け止めた。
「何だと!?こんなに正確に俺の攻撃を?目は見えてないはずじゃ!」
「気配って知ってる?俺が頼ってるのは魔法では無いんだよ!」
竜介はそう言ってアーサーに蹴りを入れ刀で腹を突く。
「ガァ!」
「そなたは良くやった!光魔法!」
竜介は光魔法を銃弾のように放ちアーサーを吹き飛ばす。
アーサーは地に倒れ込むがゆっくりと立ち上がろうとする。
だが体は既に限界を迎えており傷や出血が酷い。
「そなたは···なぜ勝ちたい?今立ち上がれる理由を聞きたいんだ」
「理由?····すみません、誇れる理由では無いです」
アーサーは足をガクガクと震わせながら答える。
竜介はそんなアーサーを見て、
「良いよ、教えて」
「····七つの大罪を倒す、父の仇です」
「復讐?若いのに大変な子だな···確かに誇れる理由では無いね」
竜介はそう呟いて少し微笑み手を挙げて、
「参った!俺の負け!そなたの勝ちだ!」
「は?な、なんで?」
「日本男子は勝ち負けにこだわらない、勝ち負けより大切な事を分かってる」
竜介はそう言ってアーサーを抱えながら退場する。
「納得いかないし悔しいけど決勝に上がれたのは嬉しい、ありがとうございます。だけどお姫様抱っこは恥ずい」
「我慢しなさい」
アーサーは「へへっ」と笑いながら目を閉じ、眠りにつく。
「勝者アーサー!決勝はアーサーの治療後に始めます!」
そんなアナウンスが流れ、観客達は拍手と歓声を上げる。




