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愛を知らない神様  作者: ビター
魔道士大会編
21/113

戦う理由

 

  第6訓練所ではアーサーとブルーハーンがお互いに様子を見ている。

  アーサーは警戒しながらも真っ直ぐと走って行く。

  だがいきなり止まりブルーハーンに腹を蹴られる。

  体は後ろに倒れ込み足の骨が折れる。

  良く見てみると足は地面に埋まって固定されていた。


  「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」


  アーサーはすぐに両手で起き上がり血に座り込み不自然に曲がった足を抑える。

 

  「負けを認めるならその埋まった足を引き抜く、この大会は死んだ時の保証は無い」


  ブルーハーンはそう言ってアーサーを悲しそうに見下ろす。

  だがアーサーはうずくまりただただ足を抑えて叫ぶだけだ。


  「やりすぎた、審判に止めともらいますか」

  「ウェザー···サンッ」


  アーサーがそう呟くとブルーハーンの頭上に巨大な太陽が現れる。

  ブルーハーンは太陽を見上げながら、


  「熱いな、だがこれを落とせば君も死ぬだろ?って何!?」


  ブルーハーンが気付いた時にはアーサーは創った雲に乗って太陽より上に逃げていた。

  アーサーの足とその足が埋まっていた地面は火であぶられたように溶けていた。


  「太陽で足ごと地を掘ったか···うずくまって居たのはそれを隠す為、若いのに無茶な事を」

 

  ブルーハーンがそう呟いた時には太陽を地に落ち周りの全てを溶かした。

  煙が舞い辺りが見えなくなる。

 

  「ウェザー.ウィング···」


  アーサーは風を造り煙と蒸気を吹き飛ばす。

  そこにブルーハーンの姿は無かった。


  「まさか?手加減はしたはず···」

  「天気魔法、噂に聞いていたが流石に強い能力だ」


  そんな声と共に地面からブルーハーンがゆっくりと出てきた。

  地面はドロドロになっており硬さが全く無い。

  だがブルーハーンが地面から出るとすぐに硬さを取り戻し元どうりになる。


  「物を液体にする魔法か?」

  「激痛なのに良く喋る。僕の魔法は泥魔法、もう隠す必要は無い」


  ブルーハーンは手を手を点に突き出す。

  同時に地面がドロドロになり上空に居るアーサーを撃ち落とす。

 

  「ア゛ア゛ア゛ア゛!····くっ、痛い痛い」


  アーサーは雲から落ちてしまい折れ曲がった足を地にぶつける。

  両手でドロドロの地面に這いつくばりながら涙を流す。

  痛みを堪えるので精一杯で口や耳に入った泥を気にも留めていない。


  「君の父は七つの大罪に殺されたらしいね、君を突き動かすのはやはり復讐心かい?」

  「ウェザー.サンダー」

  「!?」


  ブルーハーンは何かに気付いたように自身の頭上に泥の壁を貼る。

  それと同時にブルーハーンの頭上に雷が落ちた。

 

  「手加減できない技だから確実に死ぬ、だけどあんたを信じた」


  ブルーハーンは泥の壁のおかげでかろうじて生きていた。

  だが体は燃え上がり気絶している。


  「ウェザー.レイン」


  アーサーが創った雨によりブルーハーンの体の火は消える。

  地面も何事もなかったように元どうりになっていた。

 

  「勝者アーサー!」


  アナウンスがそう言うとアーサーは雲を造り自分とブルーハーンを乗っけて退場する。

 

  「スーダン、貧困が問題の国···世の中にはそんな国がまだたくさんある。そんな大きな理由で戦える貴方は凄い、俺は貴方のような理由で戦えない」


  アーサーはそう呟いきながら雲の上で横になり目を閉じる。


  「あのブルーハーンって奴ヤバかったな」

  「ああ。けど流石アーサー君、あの状況で勝つとは」


  観客達はがそう呟く中次の試合が始まる。


  「第4回戦!ガビールVS竜介!」


  この試合も1回戦同様、一瞬で決まった。

  最初にガビールが岩魔法で竜介の腕を潰した。

  次に竜介が光魔法を放ちガビールの視界を経つ。

  ガビールが目を開けれるようになった時には竜介に背後を取られていた。


  「勝者竜介!」


  試合が終わると昼休憩に入った。

  次の試合が始まるのは1時間後、午後1時からだ。

 

  「アーサーが大会に参加した理由聞いた?」

  「いや、ジャックは知らないの?」


  どうやらアリスはアーサーが大会に参加した理由を聞かされてないようだ。

  聞かなくても予想はできるが···


  「アーサーが心配?」

  「え?あ、まぁ、心配」

 

  アリスが僕を覗き込むように見てきた。

  顔に出てたらしい。


  「似た道を歩んだジャックだから分かるんだろうね」

  「····分からない」

  「アーサーが間違った道を行ったならその時に止めてあげればいい、今何か出来る訳じゃないよ」

  「その通りだよ」


  アリスは髪をかきあげながら少し笑った、ように見えた。

なんか···今回は短めになりました、すみませんm(_ _)m

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