悔しさ
炎に包まれ崩壊途中のお城の中。2階ではラストの死体があり、1階ではアーサーがグリードを抱えたプライドを目の前に座り込んでいた。
絶対的な存在を目の前に震えが止まらない。
アーサーは悟った、神には勝てないと。
「プライド、そいつを抑えろ」
そこにラトニーと共にラースが来てそう言うとアーサーはプライドに強く踏みつけられる。
だがアーサーは絶望しながもまだ生きるのを諦めていなかった。
(この神から気絶した爆破野郎を奪って人質にすればまだ可能性はある)
アーサーはそう思いながらその機会を狙う。
そしてラトニーはラストの死体を抱え、ラースは燃える城の中を降りてきて、
「魔導師はせめて楽に死なせようと思ったが、俺だって人間だ。神や悪魔と違う···アーサー、お前復讐者だよな?なら復讐される覚悟は良いか?」
ラースがそう言うとプライドは脚を退けアーサーがゆっくりと立ち上がる。
そしてアーサーはプライドを蹴り飛ばしすぐにグリードの首を片腕で抑え、頭に拳銃を当てる。
「あらま〜、取られちゃった、ごめんなさい」
プライドはそう言って微かに笑う。
だがラースもラトニーもプライドの笑み何かよりもグリードの身の危険に目を向けていた。
2人共、アーサーに怒りを覚えた。
「俺は復讐者、手段は選ばない。こいつを殺されたくなければそこの女の転移魔法で俺を魔導師協会本部に転移しろ」
「リーダー、どうします?」
アーサーが要求する中、ラトニーはラースを見て指示を待つ。
するとラースは、
「魔導師の中で1番生かしてはならないのはお前らしいな····俺は、お前が嫌いだよ」
そう言ってアーサーの持っていた拳銃が一瞬にしてラースの手に引き寄せられた。
アーサーは困惑しながら、
「ウェザー.サン!」
太陽を創るがアーサーは後方に吹き飛び、グリードはラースの手元に引き寄せられる。
「なんの魔法だ?まるで···超能力みたいだ···」
アーサーはそう言って立ち上がるがラースの拳銃により両足を打たれる。
「ああああああぁぁ!」
「後、1発···ムカつくが脳天に当てる」
アーサーが両足を抑えて叫ぶ中、ラースはアーサーにゆっくりと近く。
だが瓦礫に躓き頭から転けてしまう。
「こんな時までかよ···」
プライドですらドン引きだ。
ラースは何事もなかったかのように立ち上がりアーサーの脳天目掛けて銃を構える。
だがラースは何者かの水を勢い良くかけられ、再び転ける。
「急いで火を消せ!」
「消防隊?」
水をラースに当てたのは消防隊員だった。
城が燃えている為、近くの消防隊が来たのだ。
「あの、私達火を消すために集まった魔導師なんですけど····邪魔しないで下さい」
「そ、それは失礼!まさか魔導師の方が···すみません?その方々、この城の者ですか?」
消防隊はラトニーの嘘を信じる。
そしてラトニーとラースが抱えていたラストとグリードを見て心配そうに聞いてくる。
「はい。ですが私の魔法で病院に送りますから大丈夫です」
「あ!分かりました。それでは任せますね」
消防隊はそう言ってホースを片付けてすぐに消防車でその場を去る。
「良くやった、ラトニー····?奴は?アーサーが居ない!?」
「まさか!あの足で消防車に乗って?」
「奴には魔法がある、他の移動手段があったのだろう」
2人が気づいた時にはアーサーの姿は城内から消えていた。
だがラースもラトニーも案外冷静でいる。
そしてラースはどんどん離れてく消防車を見ながら、
「プライド、ラストとグリードを頼む。今回ばかしは神の力は借りない···行くぞラトニー」
「はい、転移!」
2人はプライドにラストとグリードを引き渡すとどこかに転移してしまう。
プライドは崩れかける城を出て、
「ケッケッ。向かった先は消防車か、見に行くしかないだろ」
ゆっくりと飛びながら消防車を追いかける。
ラストが死んだと言うのに、ニヤニヤと笑ってる。
そして転移したラースとラトニーは消防車の上に居た。
消防車の上には足から血を流したアーサーが座っていた。
「転移の女めー!なら!」
アーサーは2人に気づくと雲に乗って逃げようとする。
だが何からの魔法により、ラースの手元に引き寄せられて目潰しされる。
そして目を抑えながら発狂し、
「あああ!くっっ····先に命を奪ったのはお前らだ、なのになぜ俺が負けなければならないんだ!」
「それはお前が悪だからだ。自分の欲でしか動けない、おまけに敗者···お前は悪だ」
「お前らと俺は同じだろ?」
「いや、勝ったか負けたか。それに俺は手段は選んでる、魔導師の命は人々が求める世界に必要な犠牲。俺は人々の夢と呼ばれる欲を背負って動いてる、まぁお前には分からないだろうが」
ラースはそう言ってアーサーの額に拳銃を突き立てる。
そしてゆっくり引き金を引く。拳銃の大きな音が鳴る。
「····なぜ生きている?まさか不発?」
アーサーは生きていた。理由は、
「真理の義眼。未来を書き換えた」
「白の神!?」
間一髪間に合った。僕がアーサーの場所を自力で突き止め、真理の義眼の力で見たい未来に変えた。
見た感じ、かなりピンチだったようだ。
「真理の義眼を使った僕の負け、今から逃げさせてもらう」
僕はそう言ってアーサーをお姫様抱っこする。
だがラースは、
「逃げるな!神に頼るなんて卑怯すぎるぞ!」
「ごめんなさい、けど見殺しにはできない」
僕はそう言って移動魔法でアーサーと共に僕の街に逃げる。
「奴らの逃げ場は分かっている、追うぞラトニー!」
ラースは悔し涙を流しながら言う。
だがラトニーは下を向いて黙っている。
「ラトニー!早くしろ!」
「落ち着いてください、相手は神の世界でも最強の存在。助けられたのはこちらです、ここはぐっと堪えて下さい」
ラトニーがそう言うとラースは悔しそうにラトニーにしがみついて、
「分かっている、分かっているが···俺だって人間だ!悔しくて悔しくて収まらない」
顔をくしゃくしゃにして泣き崩れる。
ラトニーはそんなラースに合わせてしゃがみこみラースを抱き寄せる。
ラースはラトニーの胸でめいいっぱい泣いた。
すみません。キリがいいので短めにしてしまいました。
m(_ _)m




