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愛を知らない神様  作者: ビター
神様の街編
11/113

アーサーの策

 

  「なぜ友達を作る?あの金髪野郎なんかよりアマノを生き返らせる魔法を創るとかやる事があるだろ?」


  僕の目の前には黒髪の小さな少年が居た。

  天も地も無いような空間で僕とこの少年以外何も無い。

  そしてこの少年は、過去の僕だ。


  「僕は変わったんだ。二度と殺しはしない、アマノの存在より気持ちを大事にしたい」


  何故だろう。ありえない光景を目の前にして僕は当たり前のように過去の自分と話をしている。


  「屁理屈。他人を殺してないのは分かった、だが自分を殺してしまったんじゃないのか?」

  「それは···。だからって殺しは、ダメだ」

  「別に俺は他人を殺せと言ってない、ただ自分を見失うなと言ってるんだ」

  「自分を見失うなってる訳じゃない···成長しようとしてるんだ」

  「成長。それがアマノの為に生きることになるのか?黙ってアマノに尽くせ、余計な物は要らない」

 

  黒髪の少年は淀んだ目をしている。まるでこの世の全てを憎んでいるかのような目だ。

 

  「笑って。それがアマノの最後の言葉···心から笑う為に僕はもう少し彷徨うよ」

  「心から笑う為にアマノが必要だ」

  「いつ僕がアマノの死を受け入れた?僕はまだ諦めてない、だからもう関わらないでくれ」

  「その目、その目的に固執する目が見たかった」


  僕の目は気づくと過去の僕と同じ目をしていた。

  慌てて目と表情をリセットする。


  「ジャック?どうしたの?」


  目が覚めると部室に居た。目の前にはアリスが居て、すぐ近くにはアーサーが居る。

どうやら少しボーとしていたようだ。

  だけど夢にしては違和感がある夢だった。

  まさか過去の自分が夢に出てくるとは···。


  「今日は情報整理だったよね?教室にそれをまとめたノートがあるから少し待ってて」


  アリスがそう言うと部室を出て行き僕とアーサーの2人っきりになる。

  正直まだ気まずい。


  「ん?」


  アーサーが僕の目の前の机をトントンと軽く叩いてきた。

 

  「何?」

  「ただ机を叩いただけ、別にジャックに話しかけた訳じゃない」


  そう言えばアーサーから関わらないって言ってたな。

  だから机を叩いて話しに来たのか。意外とプライドが高いのか?


  「そう」

  「ついでだ、窓の外見てみろ」


  僕はアーサーの言う通り窓の外を見るが特に変わったものは無い。

  アーサーはそんな僕に背後から神器ナイフを刺そうとするが僕が、


  「特に変わったものは無いけど?」


  と言って振り返った為、咄嗟にナイフを隠して刺すのを止める。


  「知ってた」

  「え?」


  嫌がらせか?そう思いながら僕は椅子に座る。

  その数秒後アリスが教室から帰ってきて僕とアーサーに情報を教えた。


  「まず七つの大罪と呼ばれたのは3年前の事、それから急激に魔導師狩りが加速した。それに彼らが狙っているのは魔導師だけじゃなく霊媒師も、だけど一般人に危害を及ぼした事は無い」


  やはり七つの大罪に近付ける情報はあまり無い。

  それに情報なら魔導師協会の方が持っているだろう。

 

  「妖退治行こうか」


  今日も情報整理をした後、妖退治をしに行った。

  だがその日も七つの大罪と遭遇する事は無かった。

  七つの大罪は僕が居るのを知ってこの街を諦めてしまった可能性が高い。

 


  そして部活が終わるとアーサーは人気のない森に向かった。

ただただ森の奥に進む。

 

  (こんな所で何を?それに霧が濃い)

 

  アーサーを見張っていたプライドはそんな事を思いながらアーサーにバレないように透明になりながらついて行く。

  だがアーサーは見えないはずのプライドの方を見て神器ナイフをプライドの体に突き刺す。


  「がァ!」


  プライドはいきなりの事に反応出来なかった。

  そして血を流しながら姿を現し、地に倒れ込む。


「やるな···だがなぜ?」


  「なぜ分かったって?それはこの霧だ。この霧は俺の魔法、霧に触れている者の動きは見なくても分かる」


  アーサーはそう言ってプライドの体に刺さったナイフを手に取り再び突き刺そうとする。


  (気配をも消していたのに····それに神器の使う相手を逆手に取りやがった)


  プライドはアーサーから逃げようとするが傷が深すぎて逃げれなかった。

  だがアーサーがナイフを振り下ろすと同時にラトニーが現れナイフを吹き飛ばす。


  「なぜこいつの危機が分かったかは知らないが、ちょうど良い」


  アーサーはそう言って素早くラトニーの腕を掴み、手の平に創った太陽で脅す。


  「アジトに連れてけ」

  「貴方、死にたいの?」


  ラトニーは脅されながらも冷静に聞く。


  「これだから女は苦手だ、早く行け!」

  「プライド、少し待ってなさい」


  ラトニーはそう言ってアーサーを連れてアジトに転移する。


  「助かった。治癒」


  プライドはため息を付きながら治癒魔法を使い体の傷を治す。


  「あの子供、バカなのか賢いのか···まぁ良い」


  体の傷を治し立ち上がって森を出て行こうとするが背後から、


  「待て!君って···」

  「あ?って、ジャックか?」


  プライドはそう言いながら話しかけた僕を嬉しそうに見る。


  「名前で呼ぶなんて···結構親しみやすい人?」

  「なんでここに居るか知らんが···殺るか?」

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  アーサーはラトニーと共に七つの大罪のアジトに居た。

  手首を抑えながら背後から太陽で脅したまま、


  「奴らが居ない?そうか、仕事中だな?今は城に誰が居る?」

  「好きに探したら?」


  ラトニーがそう言うとアーサーは雲を創りラトニーを拘束する。


  「この雲は魔力を乱す。つまり魔法が使えないと思え」

  「乱暴なのね」


  アーサーは拘束したラトニーを連れて城の中を隅々まで探す。

  だが城内には誰も居ない。


  「仕方ない」


  アーサーは2階にある小さな部屋にラトニーを雲で縛り付け周りに小さな太陽を配置する。

 

  「雲を力で振りほどくと太陽がお前を溶かす、妙な気は起こすな」


  ラトニーはその小さな部屋に拘束されたまま変わらず冷静で居た。

  アーサーは城内を霧でいっぱいにして誰が来ても良いようにする。


  「でさ〜、スロウスの奴いつも俺に罠を仕掛けるんだよ。だから今日は俺が仕掛けるの!って霧?」


  1階からそんな声が聞こえた為アーサーは2階から様子を見る。

  居たのはグリードとラストだ。

 

  (転移使いは今拘束中。直接帰ってきたのを見ると、この城の近くの街で魔導師を潰してたな?まずはコイツらからだ)


  アーサーはそう思いながら慎重に様子を伺う。


  「冷気じゃないか?いや、霧か?」

  「絶対スロウスの奴だよ、もう仕事終わったのか?俺にイタズラする為張り切ったな?」


  ラストはそう言いながら警戒する。

  だがラストの警戒は仲間のイタズラへの警戒。

  それが命取りだった。


  「ウェザー.サン」


  アーサーはグリードとラストの真上に巨大な太陽を創り、その太陽を雲で隠していた。


  「なんか熱くない?」

  「確かに···って違います!上!?」


  グリードが上を見て気づくとラストと共に魔法を放とうとする。


  (手遅れだ)


  アーサーが太陽を2人に落とすと城は燃えて吹き飛ぶ。


  「まずは2人」


  城は燃えながらもまだ原型を保っていた。

明日から投稿時間は15時になります。

ご了承ください。

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