プロローグ
魔導師と言われる人間が現れたのはいつからだろう。
魔導師は魔法と言う特別な力を使い妖と言う普通の人には見えない者を倒す職業だ。
魔導師に似た職業で霊媒師と言う職業があるが魔導師は妖を倒す者、霊媒師は妖に取り憑かれていないか見る者で異なる。
魔法を使える者を魔導師、妖が見えるだけの者を霊媒師と呼ぶ人も居る。
それに職業として働く場合は魔導師一筋で生活はできず副業として働くのが一般だ。
俺こと、アーサーも学生をしながら魔導師をしている。
「···反魔導師か?」
たが魔導師は妖以外にも敵が居る。それは反魔導師と言われる魔法を悪用する奴らだ。そんな奴らが今、俺の目の前に居る。
しかも夜中、人気のない場所で俺を襲って来た。相手は2人だがかなり強い。
目的はお金とかではない、俺の命を奪う事らしい。
「誰かに頼まれたのか?」
「我々の意思です」
2人は俺に向かって来た。正直今の俺では逃げきれない。
だがそこに1人の女の子が現れたことにより2人は動きは止まった。俺もいきなりの事で困惑している。
女の子は美しい白髪で結構オシャレな服装をしている。
中性的な顔立ちをしていて身長は低め、見た目も幼い感じがする。
「この街の魔導師か?」
「なら大丈夫だ、この街で強いのはそっちの子供だけだからな」
2人は俺を指さして言う。そして容赦なく女の子に魔法を放ち殺しにかかる。
「戦う気はないよ、なんの揉め事かは分からないけど···殺すのはダメだよ」
女の子は透き通った穏やかな声で言った。2人の魔法を受けて何ともないようだ。
「嘘?」
「リーダーが言ってた、こういう奴が現れた場所は逃げろって」
2人はそう言って素早く逃げてった。
「あ!」
「大丈夫?···だね、一応病院に行く事をおすすめするよ」
「え、あ、だ、大丈夫で、す」
女の子が優しく話しかけてきた。けど、俺は女が苦手だから上手く話せない。
嫌いなんじゃない、目が合わせれないんだ。
特にこの子みたいに神秘的な可愛さを持つ子は、1番苦手だ。
「良かった」
「ありがとう、ございます」
俺はまだ知らない、この女の子がこの物語の主人公だと言う事を。
そしてこの女の子の過去、未来、正体、全てをまだ知らない。
初めに見ていただきありがとうございます。