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5話 「ダンジョン」


 『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』


 「う、うお、おおぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 じ、地震だ。

 ゆ、揺れている。

 今まで経験した中でも、かなり強い。立つことができない。


 『メシメシッッ』

 『バゴォンッッ』

 『ガシャァァン』


 地面が割れ、塀が崩れ、ビルから窓ガラスが降り注ぐ。


 「こ、ここは危ないッ!! 早く広い所か頑丈な建物に――――」


 『「「「バゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!」」」』


 「な、何だ!!??」


 遠くから爆発音。

 地震でガス爆発でも起きたのだろうか。

 いや、この音はまるでコンクリートを突き破るような――――

 

 『「「「バゴォォォォォォォォォォンッッッ!!!!」」」』


 「近い!!」


 俺は音のした方向――すぐ後ろへ咄嗟に振り向いた。


 「な、何だこれ……」


 そこにあったのは……近代建築とは似ても似つかない、石でできた神殿のようなものだった。

 表面をツタのような、見た事のない植物が覆っている。

 

 俺の知っている言葉でそれを表すなら、『ダンジョン』だろうか。


 ダンジョンである根拠は全くない。

 本能なのか、それが『ダンジョン』だと即座に理解できた。


 『「「「……コォォン………コォォン……」」」』


 遠くからそんな音が聞こえてくる。

 おそらくダンジョンが現れているのだろう。


 『「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」』

 

 そ、それにしても、揺れが収まらない。それどころか強くなっている気がする。

 どこか頑丈な建物はないか?


 「あっ」


 目の前にある『ダンジョン』は全く崩れる様子がない。

 ここに入るのも……手かもしれないな。


 俺はダンジョンの中へと滑り込んだ。


 「寒っ…………」


 かなりひんやりとしている。

 空気がまるで外と違うようだ。

 

 「!!」


 揺れを感じない。

 ここに入ったのは良かったかもしれないな。

 なぜ地震の影響を受けないのかは分からないが、逃れられたのだし考えないようにしよう。


 「あれっ、入り口どこだっけ」


 俺は周りを見渡した。

 それなのに、俺が入ってきた時に使ったはずの入り口が見当たらなかった。


 「嘘だろ……」


 前言撤回。

 ここに入ったのは最悪だ。

 こんな薄暗く、ジメジメして肌寒い所から出られないなんて苦痛以外ない。


 俺はダンジョンの中を歩き回った。

 部屋らしきものはあるが、魔物という魔物が1匹も居ない。

 いや、ここに魔物がいるのか、そもそもダンジョンなのかは知らないが、とにかくいるような気はするのだ。


 「……下に行くとか?」


 歩き回った俺の目の前にある、下へ降りる階段。

 更に陰湿感が増している。

 だが――――


 「何か、いる」


 下に行けば行くほど、魔物が出やすくなっているのだろう。

 こういう形ならば……最下層のボスを倒さないと外に出られないのは定番だ。


 「……行ってみるか」


 俺は階段を駆け下りた。


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