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幻想見聞縁起  作者: silica
#01
4/7

#01-04 まずは常識から…大事よね?

久々に投げ込みます。ノリと勢いなんでごめんなさい。

神凪について行くと何故か教室があった。何故か日本の大学のような講義室があった。

「ここに入って、席に自由についてください。またノート類は机に置いてあるのでそれを使ってください」

言葉に従って席に着く。そうこうしているうちにあれよあれよと授業が始まる。

「はい。初日の第一講は私、神凪夕姫が担当します。色々と分からない事も多いと思うので、質問タイムにします。なんでも質問してください」

質問タイムにするらしい。『なんでも』ってあって不安だが流石に幾ら何でも下品な質問はしないだろうと思う。幾ら青春してる連中でも。


「此処は何処ですか?」

手が上がり質問が出る。その質問が出ると教卓らしき物を神凪が操作し、用意してあったらしいホログラムの地図が浮かぶ。そこにあったのは6500万年前の地球によく似た大陸配置だった。

「この地図を見てください。その内赤い枠に囲った部分がこの国、ナチャート王国です。その中の赤い二重丸が此処、王都セントラヌイになります。そして目標たる魔王の居城はそこからずっと南に降ったかなり先にある青い二重丸です。また敵対種族魔族は青い線で括った部分です」


その説明を聞きながら少し端に追いやった疑問が蘇る。地図を見る限り勢力は5分。こっちが知らない事情がない限り『存亡の危機』という奴には見えない。っと手が上がりその質問がなされる

「その地図では勢力は5分に見えますが、存亡の危機とはどういう意味ですか?」

「確かに領域で言えば5分です。ただしそれは連合出来ればの話です。これはオフレコで頼みたいですが、はっきり言ってあの脳内お花畑どもは自分は生き残る事前提で、誰があの土地の主権握るかとかで揉めてますので、逃げたかったら魔族に逃げても構いませんよ。どうせ人は滅びませんし。滅ぶのは王家他のお偉いさんだけですよ。むしろ私としては適当に脱走する事を進めたいくらいですかね。でも、暫く従順なフリをしといた方がいいかと。色々な授業の類は受けた方が楽になるので」

いきなりぶっちゃけられた内容に驚くべきか呆れるべきか。それは兎も角、そういう事なら納得する。さて私は改めてどうしようか。まあ取り敢えずの授業は受けるとして、抜けようかどうしようか。行く宛て自体はある訳だし、呑気に行きますか。

「魔族ってなんですか?」

「建前としては、 神に反逆する悪の種族ということになっています。が、実際の所、殆ど差がありません。徹底的に潰そうとしているのは、我々から見て異教徒だからということになります。彼方も彼方で別の神を信仰していまして、それを気に食わないとやってるというわけです」

「魔法はありますか?」

「ええありますよ。まとめてスキルについても説明します。あまりよくわかっていないのですが、システムなるものがあるらしく、それが今迄の努力と才能を判定して、『今こんなことできますよ』という目印のようなものがスキルです。また、スキルにはアーツが存在し、これを起こすとある程度決まった動きをなぞり、何故か効果が上昇します。ただし体が追いつかなければ壊れますし、動きも読みやすくなります。で魔法ですが、スキルが無くても発動出来ます。魔法は術式を文法通りに組み立て、魔力を通すことで、文法の記述を元にイメージと魔力量に従い発動します。術式、魔法陣は脳内で組んでも、適当にイメージしても、紙や石や他のものに描いても発動します。その上位スキルに当たるものに魔術がありますが、必ずしも上位互換ではありません。魔法は制御が楽で速度も速いです。それに対し魔術は楽に規模を大きく出来ます。まあ、使い分けですね」


その後も質問は続いていく。正直よく知っている内容のため途中から半分寝かけていた。

「綾波さん、暇そうですが質問したいことはないですか?」

と唐突に話を振られるが当然無い。

「無いですよ。オカルトチックな、不思議な話には元の世界でも事欠かなかったですし」

「と言いますと?」

「まあ色々あったんですよ。聞かないでください」

「まあ、そういうことにしましょう。はい、本日の授業はこれで終わりです。それとやりたい事を考えておいてください」

そう言うと神凪は去って行った。その後を使用人が引き継ぎ部屋へと連れて行かれる。


さて部屋へと帰還する。割と真面目にどうしようか。やりたいことを考えとけって言うと言うことはほぼ確実にこれからどういう戦い方をするか、生き方をするか決めろと解釈することになるが、私にはどうでもいいような?行く宛てはあるわけだし。

で、そこに転移してきて覗き続けるのはなんなのさ?紅。

「あら、口で言わなきゃ通じないわよ。通算召喚回数33回の絢波狭霧さん」

「通じてるでしょうにとぼけるのは相変わらずね、紅遙」

「そんな言い方することないじゃない。地図は役に立ったでしょ」

「ん、まあそうね。明月は?」

「遠野明月は駆逐艦『暁』の仕事が忙しいらしいわ」

噂すればなんとやら。空間が裂けてスクリーンが現れる。

「色々噂してるようだけど、私は忙しいのよ。鎮守府1の嚮導艦だから、指導することも多いのよ。でも、本題はそっちじゃなくてね。狭霧、兵装の改修終わったからそっちに転送するわ」

床に魔法陣が現れアタッシュケースが出てくる。

「大体見れば分かる筈だから説明は省くわよ。ただ召喚されたタイミングなら丁度良かったようね。適当に楽しめばいいと思うわ」

そう言うと明月は通信を切った。

「随分と勝手なこと言ってくわね。別になくてもなんとかなったのに」

大嘘である。慣れの問題で無いと強敵相手には厳しいためラッキーだったがなんか悔しくてこうなる。それはさておきアタッシュケースを開け、中身を取り出す。開けると一見ハンドガンらしきものといくつかのマガジン、直径3cm長さ30cm程の棒が入っていた。まず銃を握る。私の手によく馴染み、銃器としてもそれ以外の用途にも使い易そうだ。

「狭霧ー。私もここらでお暇するわね。いつでも私の家に来ていいから、適当に楽しみなさいな。でも死なないように気をつけてね」


遙が去るがほっとき、新兵装を試す。銃のマガジンを入れ替え魔力を通していく。大体解ったところで部屋に標的と結界を展開、試し撃ちに入る。右に撃ち込み左に撃ち込む。更に連射して単発で打って、特殊効果持ちの弾丸を撃ち威力を変化させてみる。かなり使い勝手がよく半年以上も改修に出した甲斐があった。銘は『海神』らしい。明月は神を含む単語を使うのは自信作のみだから、力作なのだろう。さてもう片方の棒はっと。銘は『閃雷』、明月は近接武器には雷か電をつけるため、いつもの命名である。取り敢えず持ち上げる。魔力を全体に行き渡らせイメージする。短槍、長槍、斧槍、投槍、二叉槍、三叉槍。慣れてきたため、使い慣れた槍系統を脱し、細剣、刺突剣、サーベル他刀剣類に変化させる。更にはヌンチャクやモーニングスターなどの鎖系、戦鎚やハンマー、棍棒などの打撃武器にも変化させる。自分で作った試作品より圧倒的に使いやすいため本当にタイミングが良い。

「とはいえこのままだと持ち運びに不便だしどうしようか。現状だと首から下げるのが丁度良いのだけど」

独り言を呟きつつ、棒を縦横2cm程の錨にしチェーンを着けて首から下げる。実験、首にかけた錨を握り、魔力を込める。イメージするは長さ1m20程の短槍。実体化位置をチェーンを握る左手ではなくフリーな右手に設定。うまく出現し、私の右手は短槍を握っていた。

「ふむふむ、いい感じね」


ひとしきり新装備をチェックしたため今度は元々持っていた装備品のチェックに移る。両太腿に巻いたベルトを外す。其処にセットした鉄針がそれぞれ12本揃っていることを確認し、傍に置く。さらに右太腿にセットしたナイフホルダーも外し、中のナイフ6本が鋭いままのことを確認してその傍に置く。左腰にセットしてあったホルスターも外すと、今までセットしていた拳銃を右手首に装備したリストバンドもといアイテムボックスに収納、『海神』をセットする。右腰につけたポーチを外し、中をチェックする。符と省略式魔法陣を決めた枚数揃っていることを確認する。減っていた省略式魔法陣の属性と枚数を確認すると、一旦傍に起き紙を取り出す。趣味の問題で多用する氷系統と雷撃系統を重点的に増やす。それを終わらせると残りも同じようにこなしていく。


全部のチェックをすると日も暮れてきていた。暇なのでぼーっとする。

鍛冶師と薬師、どっちの方が面白いかな?なんてことをぼやぼや考えていると使用人がやってきたらしい。ノックと共に声がかかるので、部屋を出てついていった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「絢波狭霧、どこかで見たことあるような気がしますが、まあ気のせいでしょう。何故勇者よりチート染みた能力なのかとか問題はありますが、今回のイレギュラー枠なのでしょう」

神凪はそう呟く。それを国王が拾い上げる。

「ふむ、どこで見たかわかるか?」

「よくわかりませんが、存在感を薄めている黒髪美少女という属性は召喚記録を見ると割といるようですし、その辺りと混同している可能性がありますね」

「確かにその通りだな」

「では、私は明日以降の準備に帰らせて貰います」

そう言うと神凪は去って行く。国王の東雲は執務にひと段落つけ書庫へ向かった。




気長に、たまに見に来てくれると嬉しいです

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