第三話:新たな仲間。
初戦闘から数時間後、後すこしで日が沈むという頃。
陽はニワトリを二羽引き連れていた。
二羽とも羽(?)に果実のような物を持っている。
えーと、確かこうなったのはいつからだったっけ…
~初戦闘後~
オークを倒したのはいいけど、食糧がない。
今はまだ大丈夫だけどそのうち困ることになるだろう。
周りを見回してみると森林がうめつくしていた。
ってことは動物もいるだろう。あんまり気が向かないがこれで食糧問題は解決するはずだ。
で、そう思って出発したんだよな。
~森の中~
わりと暗めだな。
ところどころに獣道があったから動物もいるだろう。
「「コケ」」
?
何の声だ?
声がした下の方を見ると二羽のニワトリがいた。
つまらないダジャレかよ!っとツッコミを入れたくなった。
「「コッコ」
ニワトリが持っていたものを差し出して来る。
果物だ。いや、正確には果物ではなくて、
なんだかパイナップルぽいのでそう思うだけかも。
「これ、もらっていいのか?」
「「コッコ」」
いい、ということだろう。
「ありがとう。」
多分これは見逃してほしくてやっているのだろう。
せっかく食糧を獲得出来たんだし、見逃そう。
「コッコ」
歩き出したのについて来る。
一歩進むと一緒に一歩進む。
しばらく動かないでいるとなんか新しい実を見つけては持ってくる。
「仲間になりたいのか?」
「コッコ」
そうだよ、といっているような気がする。
〔フルーツバード(ニワトリ)×2を仲間にしますか?
という表示が急に目の前に出る。
ニワトリの方を見ると盛んに飛び跳ねている。
ニワトリも望んでいるのか。じゃあやってあげるべきだな。
〔フルーツバードが仲間になりました。〕
仲間になれたみたいだし、ニワトリも見た感じ喜んでいる。
よし、もう少しだけ探索してみるか。
もう少しとか言っておきながらがっつり探検しちゃって時間をかなり食った…
で、今に戻る。
今回手に入れた果実は計30個。
後三日分ぐらいは持つだろう。
でもいい加減に街に下りないとめんどくさいことになりそうだからなぁ…
あ、洞窟が見えてきた。
あれ?誰かいる。
洞窟の入口に誰かが座り込んでいた。
傷だらけでボロボロだけどまだ生きてるみたいだな。
ここって意外と街から近いんだろうか?
もしかしたら助けられるかもしれないし、取った果物を出してみるか。
「ここに置いてくれ。」
「コッコ」
ニワトリ達が怪我人の前にフルーツを置く。
どうやって理解してるのかは謎。
「どれがいいんだ?」
怪我人に話しかける。
あるかどうかわからないから無かったら意味無しだけど。
怪我人は一番左の実をおもむろに掴んで食べた。
かなりワイルドな人だな。いや、これが普通なのか…
さっきよりは良くなっているのか…?
雨が降り出して来たので、怪我人をおぶって洞窟の中にはいる。
何やら言っているなぁ… 多分お礼だと思う。
怪我人を降ろして寝かせる。
明日には喋れるぐらいにはなっているといいな。
よし、かなり早いけど寝てしまうか。
「寝ていいぞ。」
「コケ」
ニワトリも目を閉じた。
そういえば鳴くんだよなニワトリ。
それについても考えないとな…
そんなふうに考え事をしているうちに、陽も寝てしまった。
一日目 終