第一話:望まない転移
短めです…
ごく普通…とは言いがたいが十条陽は高校生である。
少しラノベが好きなこと位が彼の意外な点であり、それ以外は普通に友達がいる、頭の回転が速く、
瞬発力があり足が速いといったわりと優秀な生徒である。
では何故、そんな模範的な生徒が重要な役を任されないか、それは単純な理由である。
そして、それはかなり大事なことである。それが、彼の性格である。
性格といっても悪いとかそういうものでは無い。
ではどういうものか…
それは彼が大のめんどくさがりやということである。
家ではあくまで普通に接しているが、学校に行くとなぜかはわからないが急激にだらけたくなるのである。
おそらくはストレスを感じなくなるのでは無いか、という予測を立ててみるが、それが当たったところで何の得にもならない。まあそれが何だろうと結局のところ眠いことには変わらない。
本人が気にしてないから良いのだろうか…
「眠い…」
ぼやきながら目を開けると、後一分で休み時間が終わるところだった。
いくら眠くても授業はしっかりと受けなければならないというのが彼のポリシーの一つである。
[そんなにめんどくさいのか?]
不意に頭の中に響く声。
(ん?誰だ?)
と思ったものの、とりあえず問い掛けには答を返そうと考えた陽
「めんどくさいです。」
[そうか…ならここではなく別の世界にでもいかせるか…残念ながらお前にこの世界は合わないようだし]
なぜか勝手に話が進んでいく。
別に陽は異世界なんて行きたくないのでこう答える。
「結構です。」
[遠慮するでない…これをやることによって別に我が困る訳ではないからな]
(違う、全然違う!この人(?)話を聞いてくれない!)
いよいよ危機感を持ちはじめ、やめてもらおうと口を開いた瞬間
[よし、準備が整った。]
(終わった…)
周りを見ると自分の周りがかがやいている。
[さらば、めんどくさがりの坊ちゃん]
「えっ、ちょっと待っt」
言い終わる前に周りの景色が歪んで、暗い岩壁のようなものに変わっていく。
(マジかよ…)
そのまま、陽は意識を暗闇に落としていった…。
ここまで読んでいただきありがとうございました。