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棒使いの冒険記  作者: 月代
雨の街ベルデル編
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第十三話:逃走

どうやら聖弓の勇者は割と戦闘力があるらしい。

さっきから一体も近寄れてない。


ただ…


ガイコツのアーチャーがたくさんいるせいで数が減っていかない。

アンデットがいるとは驚きだな。


まあ、手伝わないとな…


アーチャー達はかなり後ろの方にいるため正攻法じゃあ無理だ。

なので、森の方へ走って入る。


痛いな…

どうやら地面に生えてる草が尋常じゃないぐらい尖っているようだ。

まあ、そこまで痛いという訳でもないので無視してすすむ。


そして、丁度ガイコツ達の真横に来たときに止まって後ろに回り込む。

そのまま棒で殴る。

周りのガイコツは仲間がやられたのに気がつかず弓を打ち続けている。


…こいつら、頭が悪いのか…?

いや、脳みそがないからか。


なんだか勝手になっとくして、周りの奴らも倒す。

これでガイコツ達は全滅か…

そう思って、聖弓の勇者の所へ戻ろうと森へ足を向けた瞬間

背中に悪寒が走った。

思わず思いっきり横に飛ぶ。


さっきまでいた所には大きな斧が…


持っているのはミノタウロス。

そして、ミノタウロスの大きな目でこちらを睨みつけられた時に思った。

 怖い…


異世界に来て初めての感覚だった。


「ひっ…!」


変な声が出る。

そして、思いっきり森に向かって走り出した。


死ぬ、死ぬ、死ぬ、殺される。


今までが夢だったんだ。

どこかでゲームだと思ってた。

だけど、あいつは駄目だ。

あいつに見られただけで、死への恐怖がとめどなくあふれて来る。


「ブモォォ!!!」


木や、草をなぎ倒しながらミノタウロスが追って来る。


「うわぁぁぁ!!」


叫びながら聖弓の勇者の所へ戻る。


「戻りましょう!」


なんとか口から出た言葉はそんな情けない言葉だった。


しかし、彼女もミノタウロスを見た途端向きを変えてベルデルに向かって走り出した。

恐らく彼女も本能的に勝てないと思ったんだろう。


走りに迷いがない。

後ろからまだ声がする。


ベルデルまで絶対に逃げるんだ!


腹に激痛が走った。

途端にペースが落ちる。


駄目だ、止まったら。

止まったら終わりだ。

逃げなきゃ…


少し覚えのある風景が見えて来た。

来るときに通った道だ。

ということは後すこしでベルデルが…


そして、ようやくベルデルが見えてきた。

まだ昼時。空いているはずだ。


門の近くまで来ると後ろにミノタウロスはいなかった。

やっと逃げ切れたんだ。

早く入りたい…

そう思いながら門番に声をかける。



「あのーすいません。入れますか」


反応がない。

そして、大きく前から倒れた。

え?

突然、上から声がした。


「よう、陽。」

「デメトリオ…」


デメトリオは壁の上に立っていた。


「はは、なんでそんなとこにいるのか疑問に思ってるんだろ」

「ああ、そうだ。」

「その答えは、前を見ればわかるさ。」


何故かゆっくりと扉が開く。

扉の奥の町並みは…

全てが燃えていた。

次の話で

第一章は終わりです

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