外伝:「リューク」
今日は二本更新です。(多分)
三人称、説明回です
(あのガキども、なかなかやるな。)
消えたと見せかけて、この男、リュークは「幻術」を使っていた。
無論陽が倒れたところも見ていたが、そのまま立ち去った。
(いい目だった。ここで摘み取ってしまってはもったいない。さすがは勇者だな。」
「おい、まさかとは思うけど、負けたんじゃねえんだろうな?」
リュークの幻術をあっさりと見破ったのは「五芒団」三つ星のトレバー。
彼は雨の街ベルデルの領主を暗殺する仕事を請け負っていた。
「そういうあなたは終わったんですかい?」
「冗談きついぜ、リューク。俺が失敗する訳がないだろう。」
「まあそうですね。あなたの性格上逃がすなんてことはありえない。」
「まあな。で、どうだ、成功したのか?」
「いえ、逃がしました。あいつは間違いなく転移者。こちら側に引きずり込めるかもしれないので。」
「相変わらず狡猾な奴だぜ。まあいい。ボスにはいっとけよ。」
「承知しております。」
その時、誰かが話に入ってきた。
「終わったか?」
今までだらけていたトレバーも急に背筋を伸ばす。
「終わっています。」
「分かった。引き上げろ。」
「了解。リューク、行くぞ。」
トレバーの言葉に頷くリューク。
そして、次の瞬間二人は消えていた。
短めですがご了承ください