美少女に励まされて1
修正、加筆していきます。
朝、お姉さんに起こされた。変なところで寝たせいか、体のあちこちが痛む。
記憶さんに問い合わせたら、きちんとベッドに行ったよ、と返答が返ってきたのに、なぜかソファーで寝ていた。
特に夢は見たような気がするし、見なかったような気もする。起きた直後は覚えているのに、今はなぜか覚えていない。
明は不思議がりながら、あくびをしていた。体の痛みと眠気が体を襲った。
「眠そうだな」
金髪の愛らしい見た目をしている少女が言ってきた。一瞬、魂が浄化されそうになった。体があまりにも疲れているせいか、妙にかわいらしく見えた。
彼女はいま、上目遣いでこっちを心配しながら見てきてくれている。くりくりとした瞳に優しさがあふれている。
人間ではなく、子犬やウサギなどが持つ守ってあげたくなるようなつついただけで壊れそうなそんな愛嬌があった。
だが、惑わされてはいけない。僕が寝不足になった原因は奴のせいなのだから。
そんなことを思いながら、彼と彼女はバスに揺られていた。
先日の班決めで一緒になったせいで、奴は隣の座席に座っていた。女の子らしい可愛らしいにおいを出しながら、一緒に座っていた。この前の先生に果敢に反論していた剣幕が嘘のようだった。
僕の隣には、動物的な儚げな可愛らしさをまとっている少女が、心配しながら上目遣いで座っているだけだった。
彼女の意外な一面に、僕の心臓は高鳴った。僕も、中学生である。そして、立派な男子である。
しかも思春期。女の子の近くにいるだけで鼓動が早くなるのに、こんなにかわいい子だったらなおさらである。
都会なのか田舎なのかよくわからない程度に栄えている町からしばらく走り、やまが見えてきた。
まだ春の面影が残っている。散った桜と、少しだけ花びらを纏っている、風が一吹きしただけで散っていきそうな、優しく風が葉を撫でても散っていきそうな桜が共存していた。
あの桜が散ったら、僕の青春の夢も儚く消えて行ってしまうのだろうか。
暗澹たる気持ちが心の中で渋滞を起こしている。
どうやら、感情が表情に出たらしく、横にいる少女が励ましてくれた。僕の心はたちまち元気を取り戻した。
今日から青春を始めればいいんだ。そう誓った。
昨晩は散々、横のクソガキのせいで悩んだが、そのクソガキはもういない。本当はいい奴だったんだなと胸を撫でおろす。
先生と隣の美少女が恐ろしい鬼のような形相で言い争いをしていたのは夢だったんだな、と思った。
だが、いつか夢も現実も覚めるものだ。
眠いなと、晴れない視界と頭に喝を入れようと、少し体を伸ばした。
外を見ると、ちょうど桜の木の最後の花びらが散っていった。
読んでいただいて、まことに感謝しております。
精進してまいります。