『異世界に転生した その2』
社会は僕に人間たれ、と強要する。
人ではなく人間たれと。
結局どんなにイキがったって人は1人では生きられない。だから間を求め、人間となる。
僕は人でありたい。
「いやー助かりました! あいつら依頼の魔物の牙を取ってきたのに傷がついてるとか言って依頼を齟齬にしようとしたんですよ!」
「その手に握ってるの何? 木の棒にしか見えないんだけど」
「魔猪の牙よ!」
「⋯⋯⋯」
この世界の猪は牙が小枝くらいのようだ。これ豆知識。
「あ、うん。あれ、妹さんは?」
「あそこよ」
「えーい」
可愛い子がなんか変な匂いのする大きい箱に向かって岩を投げ入れている。可愛い。
「そういえば依頼? 依頼ってどうやって受けるの?」
「冒険者になれば受けられるわよ」
「そっかー」
そして2人は冒険者になった。
ギルドに登録する時にカッコよく偽名でも使おうかと思ったけど、思いついたのがジークフリートとかバルムンクとかしかなかったから止めた。
「この依頼の場所ってここでいいのよね?」
「お姉ちゃん地図逆だよ」
「紹介しておくと姉の方がリアで、可愛い方がルカだよ」
「おいホセ誰に紹介してんだ?」
「あ、リザードマンだ!」
今回の依頼はリザードマン退治じゃない、けど殺せばお金を貰える。
「お金のために殺そう!」
「お前それでいいのか」
「でも二人はもう行っちゃったよ」
「あ?」
「死になさい!」
ドゴォ! 爆発音が鳴り響いた! リアがリザードマンを殴りつけると同時にリザードマンの頭蓋が弾け飛ぶ。その飛沫を浴びた他のリザードマンに恐怖の色が浮かぶ。
「水魔法『バブル』、えーい」
ドシン! リザードマンが倒れた!ルカがリザードマンに向けて魔法を唱えるとリザードマンの顔を水が包む。そしてそのままリザードマンは窒息した! えげつねえ!
「女の子にばっかり頼ってちゃダメだね、僕も行くよ。とりゃー」
ボコ。1発の威力は弱い、1ダメージだ。しかし何回も繰り返せばいい。
ピチャ。だんだん湿った音になってきた。そういえば反撃も止んでいる。
「やった! 50ゴールド!」
「俺はお前が怖いわ」
「このまま目的地に進もう!」
少年たちは歩を進める。その先にあるのは遺跡。人の思いの積もりし場所。思いは石の蓋の下、渦を巻き光を求める。求める想いはやがて狂い、狂気へと派生する。
次回、異世界なんたら! 『遺跡の果て』、時間を守って美味しくヌードル!
ちゃんちゃん
こんな駄文にお付き合いいただきありがとうございます。
あなたは時間の使い方が下手ですね。