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第一章 女神様のダンジョン作成計画 その9 魔物を造ろう。 その3

 ぐーるぐる。


 ぐーるぐる。


 回す。回す。回す。


 ぐーるぐる。




 初級合成釜は合成材である液体の入った釜と、梯、棒の3点セットだ。

 私は釜のなかにレッドワームモドキと輝石を投入。

 オデブちゃんは釜に立て掛けた梯に登って釜のなかを棒でぐーるぐる。

 回している。


 そーれ。

 がんばれー!

 オデブちゃーん!


 ん?

 私?

 私は隣で応援してるよ?

 だって幼女だからさ。

 手が短いんだよね。

 ちなみに声に出す時はオデブちゃん=クラちゃんと言い直している。

 言い直したところで称号はオデブちゃんのままなんだけどさ。

 オデブちゃんもこのところの極貧食生活のおかげで少し痩せてきた感もある。

 が元がねー、相当なもんでまだまだオデブだ。


 ぐーるぐる。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

 ぐーるぐるぐるぐるぐーるぐるぐるぐる。


 そーれ。

 えっさっさっー。

 回して回して回してー!


「・・・・・・はひ、はひ、あれ?なんか重くなって」


 ぐーるぐーる。

 ぐーるぐーる。


「か、神様・・・っ!もう腕が限界ですっ!」


 えー?

 まだ5分くらいしか経ってないよー?


「もうちょっと!もちっと踏ん張って!」


 ほらほら。

 色変わって来てるからさ。

 たぶんもうちょいだし!


 全体的に銀色っぽい液体だったのが、赤いドロドロに変わって来ている。


「イメージ。忘れないでー!人間だよー?人だよー?」

「・・・は、はひ、はいー」


 合成するのも魔法と同じ。

 合成している者のイメージが大きく反映される。

 後のことを考えると、人の姿を取れる魔物を造っておきたいからね。この先また輝石が手に入るかもわからないし、今回みたいなランクの高い魔物を造る場合はできるだけ人間に近いもの、もしくは人間の姿を取れるものを造っておきたい。

 人間のなかに紛れられるような、ね。


 ぐーるぐーる。

 ぐーるぐー・・・る。


 赤いドロドロの表明がきらきら煌めき出す。

 赤い宝石がいくつも混ざっているみたいに。


 ピカー!


 うおぅっ。

 眩しさに思わず腕で目を覆う。

 合成釜の中身がピカーっと真っ赤に光ったかと思うと、光の玉が飛び出してきた。


 光の玉は釜の前でぷかぷか浮かんでいたかと思うと、


「うひゃああああぁ!メタモルフォーゼ!?」


 あれ?

 私こんなん作ってたっけ?

 いや、合成とか錬成はエマーリエの担当か!

 おのれエマーリエ!

 ビッ〇のくせに、粋な真似を。

 ちょっと格好いいとか思っちゃったぢゃないか。

 ・・・うみゅみゅみゅみゅ、悔しいよーぅ。


 目の前で人型に変わっていく光の玉。

 すらりとした手足、長くて細い指先。

 細い首。

 腰まで伸びる真っ直ぐな髪。

 シルエットなのにわかるボンキュッボンな身体つき。


 おやおや?

 おかしいな。

 私はオデブちゃんに『人間』をイメージてしか言ってないよね?

 女子だとか、スタイル良くとか。

 ボンキュッボンにとか言ってないよねえ?


 おーのーれ~、オデブちゃん。

 オマエもかー!?

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