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特戦部隊トライアンフ 王都防衛雑記録  作者: 竹中姫路
序章 戦乙女の咆哮
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序章

趣味作品です。

指摘・感想・誤字・脱字

どしどしいただけると幸いな事このうえありません。

 さる一人の英雄が国を成した。

 国の名はブルドスタイン。

 農業、商業、科学、医学、軍事、教育、魔導技術……ありとあらゆる分野において革命的発見を繰り返したこの国は瞬く間にその頭角を現し天に昇る龍が如く、戦乱の世を治めわずか一代で世界を統べる大国となった。

 その英雄が死に二百余年。

 多くの戦いを経て、分裂を繰り返したこの国は聖ブルドスタイン王国と名を改めるもなお大国として世界に君臨している。

 聖王都アルトゥリアはそんな栄華を極めし国の首都であり、輝かしい栄光の歴史を持つ都市として光の都と英名えいめいとどろく大都市である。

 その光が輝けば輝くほどに、影は長く濃く、奈落と見紛みまごう深い闇をも生み出していた。

 光あるところに影あり。

 あまりにも使い古されたその言葉だが、使い古される訳がある。


「……あ、ああ………お、お母さんっ……」 


 恐怖に震え嗚咽おえつとともに絞りだす様な声で母を呼ぶ少女、その目の前にはまさに光の都の生み出した影があった。

 少女の三倍はあろう圧倒的体躯たいく、血のように赤い一つ目と巨大な口だけがある頭は体の半身程もある不格好な人型、釣り合いの取れぬ頭を支えるため地に伸びた長い腕の先には人など軽く串刺しに出来るであろう鋭い五本の指。

 毛も爪もない、流動する黒い皮膚だけがその体を形作っているまさに影の化物。


「いや、だよぉ、お母さん……お母さん!」


 国お抱えの庭師によって整備された公園は普段であれば昼食を終えた学生や家族連れで賑わう時間帯にも関わらず少女以外に人の姿はなく、代わりにそこにいたのは三匹の化物であった。

 春の心地良い風で揺れる木漏こもれ日の中、化物の巨大な腕がゆっくりと振り上げられ、悲痛な少女の叫びが木霊こだまする。

 光あるところに影あり。


「……でぇぇぇぇりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!」


 しかしその逆もまた然り。


「…!?」


 影あるところに光あり。

 少女を圧殺せんと振り上げれた化物の腕はきらめく閃光によって、否、化物の頭と同等程の巨大な剣によって阻まれた。


「遅くなってごめんね、だけどもぉ少し待っててくれないっ?」


 剣に続いて現れた光。

 背負う物の大きさを体現したかの如く広い背中、その背中から伸びる腕や足は太く力強い重みを感じさせ、化物に劣らぬ巨大な体躯は上から下まで歴戦の騎士を思わせる甲冑に包まれていた。

 無骨ぶこつ

 それは光と呼ぶにはあまりに無骨ぶこつな鉄塊。


「これからちゃちゃっとかたずけちゃうからさっ!」


 しかしその体から発せられる声音は無骨な見た目にまるでそぐわぬ、


「王国直轄対二ビル特殊戦闘部隊トライアンフ実動班アリエス所属エリス・ベイカー……」


 優しくも凛然たる乙女の調べであった。


「推して参るよっ二ビル共!!!」


命みじかし 恋せよ乙女

黒髪の色 褪せぬ間に

心のほのお 消えぬ間に

今日は再び こぬものを

(ゴンドラの唄より抜粋)


 特戦部隊トライアンフ王都防衛雑記録、開幕

仕事もあるので不定期連載とあいなります。


申し訳ありません(汗


ストック分はどしどし上げていきます。


が、がんばります。

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