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『ふー、疲れるぜ…』


キリさん達はジーザさんの件を引きづっているのか無言のまま。

『ハッカ、そちらのお嬢さん達はグループの人達か』

『そうなんですけど…』


私はさっきの出来事をエスさんに話した…


『ああ、まあ、ん、あの馬鹿は…』

複雑な表情をしているエスさん。




『エスといいます。ハッカのことよろしくお願いします』

エスさんがキリさん達に頭を下げた………



『ハッカは俺達としか組んだ事がなくて、異常なペースで成長したので皆さんが困惑する事も多いと思いますけど。腕は確かなので。仲良くしてやってください』


『ああ、いや、さっき一狩りしてきてハッカの腕前は十分わかったから。こちらこそ迷惑かけて申し訳ない』

『いえいえ、ハッカは知り合いも少ないし、同姓になれば更に少ない。人見知りな所もあるので皆さん気さくに接して頂いてるようで安心します。ハッカ、いい人達みたいでよかったな』

『ええ、はい』

『では、皆さんハッカをよろしくお願いしますね』


エスさんは私の頭をポンポンと軽く叩いてもう一度頭を深く下げて去っていった。



『若く見えるのにしっかりした人ですね』

『好少年…』

『実力があるのに嫌味がまったくない、素晴らしいね』


『エスさんは、普段はあんな人じゃないんです。お金に素直に貪欲で、すぐ人を子ども扱いしてからかって、ニヤッて悪い顔して悪巧みして、1人でなんでも背負い込もうとして、そのせいで私に心配かけて、本当にあの人は…』

『はいはい、ハッカちゃんがエスさんを大好きなのはわかったから』


その言葉で皆を見渡せば全員がニヤニヤしながら私を見ている…




『もう、コテージに帰りますよ』

『『『『はーい』』』』

皆、いい感じで気分を替えれたみたい、よかった。






『おい、ジーザ。こっち来い、ほら、早く。皆さん、すいませんねちょっとこいつお借りしますよ。ほら、とっとと来い』


『何だよ、そんなに乱暴に呼ばなくても僕が欲しいなら、あいつらコテージから叩き出すから待っててよ、ぁいたっ』

『そんな話しじゃないわ。何を企んでやがる、ほら吐け』


『グループが機能しなくなれば…自由にやれるようになるんじゃない』

『うぅぅ…確かに…』

どーだい、僕を褒めて抱きしめるといいよ。と言わんばかりに両腕を広げるジーザにチョップをかます。


『なんで、駄目なのさ…』

『ハッカはいいグループになったようだ。経験を積ましてやりたい…』

『あんな雑魚と組んで何の経験になるのさ、それにここは明らかに今までとは違う。安全の為にもハッカちゃんは僕らと居たほうがいい』



『温室育ちはいざって時に真っ先に死ぬ…』

『はいはい、わかったよ。もう少し大人しくしてるよ。金より大事かい』

『ボレロへの義理だ』

『はいはい、そういう事にしておくよ。でもねエス。人は知らない間に化けるもんだよ、子ども扱いは逆に失礼じゃないかい…まあ、いいや、暴れて良くなったら言ってよ。またね』




まったく、ハッカちゃんの腕前はもう足手まといじゃない。僕と狩りをしてもそこそこ役に立つレベルまできている…

エスにはそれがわからないのかね、そんなはずないと思うんだけどなぁ。


暴れないように好き勝手やる…難しいね。あいつらを黙らせる事はできたし、少しエサやって飼ってみるか…




『遅かったなエス君』

『いやーすいません。1グループの知り合いに探りいれてきたものですから』

『君は本当に隙がないな。あの報告書もコルティックは高額で買い取ってくれたよ』


『たまたまですよ。コルティックは実力に合わせて怪我や死亡者を出さないようにしたいと思ったんで難易度の情報はいけるかなと』


『確かに、いつまでも入り口付近に人を余らしておいても仕方がないからな』

『そういう感じです』


先行する5グループが内部を開拓、その感触を見て後続のグループを入れて鉱石の回収と細部の把握。

当たり前のようにこいつらは感じているだろうな…前提を忘れて。


ここはワンダー、ならばいつかは消えていくはず…それなのにコルティックは細かな情報と内部把握を重要視している。きっと何かある、俺達に知らされていない何かが…





あれから1週間たった、私達は中層まで入ることが許される様になった。あの日以来エスさんともジーザさんとも会えていない…

ただ、コルティックでは各グループの進捗状況やワンダー内の情報は随時公開されているので良くわかる。

『それにしても、トップ2チームはずば抜けてるね』

私の頭の上からキリさんの声。


『3,4,5グループ涙目みたいなっ』

『見せ付けてくれる』

『ハッカさんの知り合いの力ですかね』


『…どうでしょうね…』



『ほらほら、人のことより自分の懐だよ。折角いい位置で稼げてるんだがっちり掴んでいくよ。ほらほら』

『『『はーい』』』

キリさんは3人のお尻を軽く叩きながら進ませる。



『ハッカ、あの2人はすげーんだろう、大丈夫。足引っ張ってる私らが言うのはお門違いだけどね。ほら、行くよ』


そう今は、少しでも先に進めるように…しっかりしなきゃ。





『ふーん、思ったより探索のペースが早いわね…トップ2グループのお陰ね』



『主任、追加の物資とか色々持ってきましたよって……主任……着替えてます、それ…』

『いろいろ、考えてたから』

『いやいや、シャワーくらい浴びたらどうです。髪もベタベタですよ』

『この辺りは涼しいから大丈夫じゃない。そんなことより、カノンこのグループの見て。きっとこのエスって男がチックスターの英雄よ、何とか捕まえられないかしら…』



『その前にその格好じゃ相手が嫌がりますよ』

『別に抱くわけでもないのに格好はどうでもいいじゃない』

『人としてどうかと思いますよ。そんなに会いたければこの結果に感謝してとか言ってトップグループを招待でもすればいいじゃないですか』

『カノン、それ採用。早速準備して頂戴』

『その前に、シャワーを浴びてください。最低限の身だしなみが出来ないなら私は協力しませんからね』



『…わかったわよ。ほら、好きなだけ使っていいから服とか用意して頂戴。あとカノンが必要と思うことはセッティングを頼むわ。準備が出来たら声かけて頂戴』

『とにかくシャワーくらいは浴びといてくださいよ』


カノンはいいこと考えてくれたわ、いろんな予定が前倒しに出来て嬉しい限りね…




しょうがないからシャワーでも浴びようかしら…キリがついたらだけど…






『武義、これからどう動くの』

『暫くはここで様子見ですね。姉さん…話をふっておいて聞いてるんですか』

『問題ない、聞いてる』


アクアサークルの道の真ん中でフェイにお姫様抱っこさせる姉さんの気持ちはわかりたくないが、とても目立つ…


『フェイ、目立ちすぎるから何とかならないか』

『わかりました。武義様もああおっしゃってますから』

『フェイが言うなら仕方がない、下ろして』



このベタベタにはなかなか慣れない…こちらの身にもなって欲しいが止められない…


『ところで、なんで様子をみるのでしょうか』

『勘…今からでは出遅れる、そんな気がするんです。動くのは今ではない』


『武義が勘…珍しい…』



『姉さんとフェイにはコルティックの計画を探って欲しいです。僕はいろんな物資の準備を…動きのとりやすいここで行いたいので』


『わかった、護衛は』

『いりません、街から出る予定も今のところ無いですし』




根拠はない、ただコルティックに何かがあるそんな気がするだけ、今は流れを掴むことに集中する時…


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