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あれから問題なく3日が過ぎた、5人組の件は支部長さんが一緒に食事をしたときにジーザさんがかなり嫌味にねちっこく絡んでいたけど「本社からの決定通知なので」と大量の冷や汗をかいて謝っていた…私も何とかならないかなって思ってたから止めなかったけど悪い事したかな…


本当は知り合いであっても分けられる可能性もあったらしいけど詳しくは開発部主任って人が来てからになるので、と終始頭を下げていた支部長さん。



『さて、ウェアの話しじゃ後数日で細かい話しが聞けるって事だが、補給も済んだし暇だな』

『結局登録者は何人位になったんだい』


『ざっと200位だそうだ』

『うぇー、そこそこの腕前の奴が200人…揉め事の臭いしかしないね。少し間引く』

『ジーザさん冗談でもそんなこと言ったら駄目ですよ。5人組が決定事項なら後2人は誰が来るかわからないんですから』


『『『はーっ』』』

もともと人見知りの私に基本群れるのを嫌う2人、理由は微妙に違うけれど嫌だなって気持ちは同じなのかな。


『組んだ後にやればいいか…』『『駄目だろ(でしょ)』』




『だよね』

あの顔は絶対にそう思っていない顔だ、隙あらばって感じだ…





遅れた…私の想定以上に遅れるとイライラするわね。といっても原因は私にあるからどこにもこの怒りをもっていけないわ…それにしても、スースーするわねこの服。



『主任、キャス主任。起きてくださいよぉ』

うるさいわね…

『頼まれてた服、ここに置いておきますからね。あと明日のお昼に最終チェックしたいから工場に来てくださいよって工場長が言ってましたからね。伝えましたよ』


分かったわ。軽く片手を上げてたぶんカノンだろう人物に合図を送る…

再び眠りに落ちていくのを感じる…




『主任、いつまで寝てるんです。起きてくださいよ工場長待ってますよ』

さっき来たと思ったらもう少し寝かせてくれてもいいじゃない。


メガネ、メガネ…


『はい、主任メガネです。どうですこの際だからと思ってメガネも新品にしましたよ』

『触った感じは今までと余り変わらないみたいだけど』


『形は一緒ですよ。淵をぴかぴかの金色に変えてみました』

メガネをかけると目の前にはよく知ったカノンが腰に両手を当ててこちらを覗き込んでいる。いちいち仕草がかわいいわね。そんな感想を考えていると黒い生地に赤いラインが映える服を手に取りこちらに突き出してくる。


『なにそれ』

『主任が私に服を用意しろって言ったから用意したんですよ。まったく、ほらほら早く着替えてください、例の奴最終調整しにいかないと』



『ん、明日でしょう』



『なに寝ぼけてるんですか、昨日伝えたじゃないですか。まさか、あの後ずっと寝てたんですか』

大げさに片手を額に当てて「あちゃー」と言わんとばかりにポーズをとる、いちいちかわいいと思うけどそれどころじゃないわね…


スッと立ち上がり部屋を出ようとする私をカノンが引き止める。

『早く行くわよ』

『折角だから着てくださいよ』

『最終調整が先でしょ』

『でもでも、折角買ってきたのに』

『あとあと、アクアサークルに向かう時に着るから、はい、急ぐ急ぐ』


「もーう」と後ろからカノンに文句を言われながら工場へ急ぐ。




『待ちくたびれましたよ。珍しいですねこんなに遅くみえるなんて』

『ちょっと寝すぎたのよ。さあ、早くやってしまいましょう』

工場長は苦い顔してるけどなんでかしら…

『主任、嫌味ですよ今の』

『そうなの、別にいいわ。それよりも調整の方が先よ』




結局出力調整に2日、移動の為の準備に3日…少しでも早くしたかったのに、しょうがないわね。

それにしてもこの服、やたらピチピチしててスカートは短いし…丸投げしたからこちらも文句は言えないわね、やっぱりミラの言う事なんて聞かなければよかったかしら。


『キャス主任後1日程度でアクアサークル到着の予定です』

『ん、ありがとう。やっぱり早いわね』

『さすがですね。革命ですよこの大型輸送車は。では、失礼します』


革命ね…この程度の物で革命は言いすぎだわ。

もっとよ、もっと。その糸口があの町にあるかもしれない、ゾクゾクするわ。


早く逢いたい…早く…


新しいメガネを通してまだ見えないアクアサークルとそこに居るであろうチックスターの英雄の姿を思い浮かべて何もない荒野から頭上の太陽を見上げる。





コルティックアクササークル支部はいよいよ本隊到着を前に業務に追われていた。


『支部長、宿の手配終わりました』

『支部長、登録者の方々への連絡も8割終わりました。後2割の方へは手分けして街の宿に確認を取っています』

『なるべく急げ、開発部主任様は気が短いという噂だ迅速に動け』

『例の大型を泊めて置く場所については保安部に警備要請の返事が来ています』

『どれくらい人を裂いてもらえそうだ』

『常時20名体制をとって下さるそうです』

『コルティック社の私設警備をあわせれば何とかなるか。感謝状を保安部に届けておけ』


『明日には到着されるだろうからみんなしっかり頼むぞ』

アクアサークル支部史上最大のイベントはどんどん盛り上がりを増していく。




『そろそろコルティックの本隊が来るみたいだね』

『街の外れに保安部が出入りしてるからその辺りでキャラバンでもひらくんじゃね』

『でも、見に行った時の広さはかなりでしたよ』

『移動前だから説明会とかするのかね』

『本隊がこりゃはっきりするだろうっと。今回も俺の勝ちだ』


私達は暇をもてあまし、カードゲームをして時間をつぶしていた。


『ジーザなんだよその目は、ほら出す物出せ』


『エス、まさかと思うけどイカサマしてないかい』



確かに30連勝もすれば疑いたくもなるけれど…



『ハッカちゃんもおかしいと思うよね』

『まあ、ここまで1人勝ちですからね…』


『ハッカまで俺を疑うのか…なあ』

ああ、エスさんが私の両肩に手を置いて真っ直ぐに私を見つめてくる。

憂いを帯びた悲しみが両目から…

『私、エスさんを信じます』


『えっ、ハッカちゃん変わり身早』



『ジーザよ、そもそもイカサマすればお前なら気づくと思うが』


『そう言われれば、そんな気もするね。でも、エスだからな…僕だって戦闘中ほど集中してないし…』


『まあ、ジーザさんエスさんは小銭が稼げて嬉しい、ジーザさんは暇がつぶれて嬉しい、私はなんとなく嬉しい。みんな嬉しいからいいじゃないですか』

『そうだそうだ、ハッカ良いこと言った』


『そうか、じゃあいいか。疑って悪かったよエス』

『分かってくれればいいんだ、俺達はチームじゃないか』


5人組の件はどうなるか分からないけれど私達はチーム、そう信じあうチームなんだ。


『そうだね、僕らはチーム。あとの2人が足手まといじゃない事を祈るのみ、だね』

『本当だな、ハッカも腕がガンガン上がってるし。俺達傍から見たら舐められるんだろうから気をつけないとな』


『エスさん達に敵う人なんてそういないと思いますけど…』

『そりゃそうだろう。俺が心配してるのはジーザが気に入らないって理由で殺っちまうんじゃないかってこと』

『ああ』



『ああ。じゃないよ、それを言ったらエスだって同じじゃないか。そう思わないかい』


『う…ん、そうですね』

私がしっかりしないと、このチームを守るのはそう、私。



『大丈夫、2人がもし恐ろしい事を使用としたら私が全力で止めますから。だって私達はお互いを信じるチームですもの』


『感動的だね』『そうだな』


私達は3人顔を見合わせ軽く頷く…




『あの、ウェアですが…そろそろ気づいてもらえませんかね』


私達は盛り上がりすぎていたようですね。


『本隊がもう少しで到着の予定なので混雑する前に皆さんをお呼びしろって支部長からです』

『よし、行くか』


勢いよく立ち上がったエスさんから一枚のカードが落ちる…

『『エス(さん)』』


声高らかに笑いながら走り去っていく愛おしいうそつきを私は真っ直ぐに追いかける。


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