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なんとなく理解できた気がする、ジーザ様が金額に無頓着なのはただ不自由しないだけの金があるからだけじゃない…あれだけの腕もある、この方はすべてに退屈している。簡単なことじゃないか、なぜ気づけなかった、エス様と楽しそうにしていたところに割って入った。これが僕を気に入らないと言った理由。


どうしたらいい、考えろ…ジーザ様の興味を引く方法を、なんでもいい…




『先生、私どうしたらいいんでしょう』

『どうしようもない。そのソニミオはもう嬢ちゃん専用になった、プレゼントだと言うなら貰っておけばいい』


『こんな高価な物をそんな簡単に貰っておけばいいって言われても…』


『僕にとってはそんなに高くないから使ってよ、カネホリなら絶対に必要になるからさ。迷惑だったかい…』

『本当にどうにもならないんですか』

ハッカさんは困惑している。


『ソニミオは最初にその口に本人情報を取り込んだらその人間の物になる。コルティック社なら下取りもしてくれるが金額は買ったときと比べれば微々たるもの。よって、使うのが一番だな』


『もっと喜んでくれるかと思ったよ…エス君があんなに嬉しそうにハッカちゃんのことを話すから、きっとかわいい子だろうと思って一生懸命選んだのに…僕は悲しいよ…』

『ごめんなさい、ジーザさん私突然のことで。会ってもいない私のことを考えて選んでくれたのに…ありがとうございます。でも、いつかこのお金は払いますから。幾らぐらいするんですかこのソミニオ。高い物なのは知っているんですけどどれくらいか知らなくて…』

『ジーザ、そのわかりやすい嘘泣きはやめたらどうだ』


ジーザ様は嘘泣きを続行したまま、指を4本ハッカさんに見せる。


『えっ、4000ジルもするんですか、私、頑張って返します…』

『嬢ちゃん。残念ながら桁が1つ違う』

『はぅっ、40000ジ…ル…あぁ…』


ハッカさんは放心状態だ、仕掛けるなら今しかない…


『エス様、とにかく、この鉱石の代金をご確認ください』


『お前は、せっかくの僕のプレゼントでの楽しいやり取りを………また邪魔する気か』

ジーザ様は嘘泣きを止め、僕への殺気を隠すことなく叩きつけてくる。

エス様は高額コインは数えやすいと言いながら、金勘定まっしぐら。

ハッカさんは4万ジル…4万ジル…とつぶやいている。


姉さんとジーザ様の見えない攻防の気配に押しつぶされそうになりながらも僕はただ時を待つ…



『お姉ちゃんの盾がなければ何も出来ないガキが、勘違いするなよ、エス君やハッカちゃんが居なければ、お前ら2人ぐらいすぐに始末できるんだよ。金勘定しか能がない分際で』

『その辺にしとけジーザ。武義、金額は間違いない。ジーザほら半分分けといたからそう怒るな』



『エス様それでは鉱石をいただきます』

『当然だ、その鉱石はお前の物だ』

ジーザ様は怒りが収まらない様子、ハッカさんもその迫力に震えてしまっている。僕も震えを抑えるのがやっと…でも、ここで震えてしまっては駄目だ。もう一押し…


『ジーザ様、せっかくのプレゼントもそうお怒りではハッカさんが怖がっておいでですよ』

『どこまで…どこまで、僕を怒らせれば気がすむんだお前は…』

『誤解です』

『誤解だと、笑わせるな』

『笑っていただきますよ。ジーザ様…』



机の上の規格外鉱石を手に取り、ハッカさんの隣へ走る…

『何をする。お前…』

『何って、ジーザ様のプレゼントに感銘を受けましたので、燃料を贈り物にしようかと』

ハッカさんのソニミオに規格外の鉱石を落とす…




やってくれる、あのガキ…いや、武義だったか…40000ジル程度の初心者用ソニミオに規格外鉱石を喰わせる…ハッカちゃんのソニミオ、この先補給無しで何十年稼動するんだろうか、ハッカちゃんが寿命で死ぬまでは間違いなく稼動するだろうね。


『武義、なかなか面白いことをするじゃないか。気に入ったよ、今までのことは水に流そう』

『ジーザ様、2度にわたるお楽しみの邪魔をお許しください』

『いいよ、いいよ、気にしなくても。今後も何かあれば言ってくれ、悪いようにはしないから。なかなか見られないよ、あんなのは。いやーよかった』


愉快、愉快。気分がいいから武義と肩組んでやろう。




『楽しんでるところ悪いな、2人とも。そこに座れ。早くな…』


2人は笑顔の俺を前に大人しく座る。


『デビュー前のカネホリに、ソニミオ。その燃料に規格外鉱石。それで2人で仲良しになって。よかったな』



『プレゼントは受け取る相手の気持ちを考えような。この馬鹿共。この後は嬢ちゃん抜きで反省会だ』


『では、私は先に戻っているから武義』

『舞、お前も何か耳打ちしてただろう…付き合えよ』

『わかりました、エス様』



『先生、私にプレゼントしてくれたんです。あんまり怒らないであげてください』

『『ハッカちゃん(さん)』』

『嬢ちゃん、この手の馬鹿は同じ過ちを繰り返す。キッチリしつけなければ駄目だ。あと卒業したから先生と呼ばなくて名前で呼んでくれ、先生はなんかくすぐったいからな』

『じゃあ、私のことも名前で呼んでください。エ、エスさん…』

『うーん、わかったよハッカ』


『エス君、照れてるね』『照れてますね』『そのようですね』



『反省の無い馬鹿共はとっとと説教会場へご案内だ。ほら立て、とっとと歩け』

『ほどほどにしてあげてくださいね、エスさん』

『ハッカがそう言うなら、ほどほどにしといてやるよ』


『顔が赤いね、妬けちゃうな』『結構、純粋かも』『不思議な人ですねエス様は』


『無駄口は叩くな、俺の指示通りにとっとと歩け、ほらほら』


エスさんは3人の後ろから指示を出して通りを歩いていった、方向からしてボブさんのところかな。


『随分と賑やかかったな。エスはどうした』

『みんなを連れてお説教会場に行ったわ』


お爺ちゃんは私の手にあるソニミオをチラッとみて『エスには後で私からもよくよく話をしないとな』そう言って宿の中に戻っていきました。


『ハッカ、ちょっと座りなさい』

私にも話があるようです…




とりあえず呼んでみたはいいが、どうしたものか…

ハッカから何があったか聞くとソニミオをプレゼントされ、その燃料として先ほどの高純度のプルトロン鉱石をもらった。その金額はかなりのものになるだろう、しかしハッカは贈られただけ…悪い点は無い。


『ハッカ、お前はどう考える、その贈り物を』



『出来ることならお返ししたい、でも普通にやっても返せる金額ではないだろうし』

下を向いて考えている様子から、あの鉱石は途方も無い金額で取り引きされたのがわかる。

いい頃合かもしれないな…


『では、エスについて稼げるカネホリにならなくてはいけないな』

『お爺ちゃん…』


『ちょっと待っていなさい』

食堂にハッカを残し、自分の部屋へ入る。


ベッドの下の引き出しを開け、大きめのカバンを取り出す。



『お前の物だ…これはお前の母と私が集めた物。使ってくれ』


A-12のカスタムパーツ、予備のマガジン等。娘が帰ってきたときに持っていた物、私が集めた物。私はこの銃に娘の思い出を重ね、一人眺めることで近くに感じたかったのだろうな。

自由奔放な娘を銃に重ねるのなら、カバンに仕舞われるのを激しく嫌がることだろう。

あの娘ならば自分の娘を守り、広い世界を見たいときっと言うだろう、いや、また勝手に出て行くか。



『お爺ちゃんは私がカネホリになることに反対だと思ってた…』

『私も昔は金鉱山採掘で用心棒等もやっていた、昔のカネホリだよ』


こうやって孫と向かい合って何かをするのは始めてかもしれないな…


『エスの足手まといにならないように、パーツの使い方を教える』

『はい、お爺ちゃん』


今夜は我が孫に、娘の話でもしながらゆっくり教えるとしよう昔の知恵でも。


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