自衛隊降臨 -2-
「私だけでは判断できん。海空の司令を集めてくれ。」
健軍駐屯地の会議室では重苦しい雰囲気が漂っていた。誰もが次の言葉を躊躇っているようにも見えた。
「にわかには信じられんね」
沈黙を破ったのは村上海将だ。
「しかし事実です。もう証拠ならいくらでもあります。」
中村が返す。
「さて、問題はこれからどうすべきかだが、1943年というのはどういう時代なんだね?」
「はい。まず、いうまでも無く第二次世界大戦です。6月にサイパンが落ちています。そして10月にはシブヤン海で戦艦『武蔵』が沈没しています。」
「この状況において我々には2つの選択肢がある。一つは米軍と戦ってよりよい終戦を迎えさせるか。二つは中立を保って独立勢力となり、元の時代に帰ることのみを考えるか。」
島谷がまとめるように言った。一番年上で経験豊富ということから島谷が総司令官的立場についている。
「本職としましては米軍を叩きたいですが…」
福江空将が真っ先に発言した。
「しかし、具体的にはどうするんですか?当然米軍と講和ということになるんでしょうが、どこまでいったら講和するんですか?それと補給はどうするんです?日本軍の物量なんてたかが知れてますよ?」
不安を述べたのは第2護衛隊群司令の佐々木毅夫海将補だ。
「そのとおり。全ては日本政府と話をつけてからだ。誰が行く?」
そうなるとまた全員黙り込んでしまった。村上海将に至ってはチラチラこちらを見ながら、
「やはり経験豊富で知勇に優れる島谷陸将が適任かと。」
としゃあしゃあと言ってのけた。
(この野郎…)
「わかった。俺が行く。」
prrrrr
「もしもし。ふむ。分かった」
「どうした?」
「鹿屋基地から連絡です。鹿屋基地滑走路に日本軍の航空機が緊急着陸しました。」