表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/13

第6話 転生少女、守る

私、ルナ、6歳。

「あすか、ステータスオープン」と唱えても、何もでなかった。そりゃそうだよね。


この村にも同じ年代の子はいる。走馬灯状態の私からするともう、孫みたいなもんだ。とてもかわいい。


そんな6歳のおばあちゃんは、最近は筋トレ三昧だ。腕立て、腹筋、スクワット……。

でも、6歳の老人の自重如きでは、筋肉を鍛えるどころか、むさ苦しいオジサマ方を喜ばせる効果が絶大だった。


近寄るな!臭い!


とは言え、ちゃんと効果はでていた。

何かの小説だったか、マンガでみた。


筋肉の半分は神経だと。

そしてそれは体感的に事実だった。


少しずつ頭の回転と身体の反応とのギャップが縮まっていく。


これなら、本気のパパと打ち合い、ギリギリで負けて、推しの顔で介抱してもらえる日も近い……


弟のルカはママにべったりだ。

そうそう、そのままその位置をキープするのだ。

とか思ってたら、たまにルカは私に甘えてくる。

どことなく、パパに似てて、推しの子どもの頃を彷彿とさせる。

あー、これ、ファンクラブ特典やわ……。


とかいって油断していると、また弟か妹が出来てしまう。


危ない危ない。


とか何とか妄想に一喜一憂していると、外から大声を上げながら、村の人が駆け込んでいた。


なんと非常識な!これから推しとの大切なスキンシップ(濡れタオルで身体を拭いて清める)儀式だというのに!!


いや、それどころじゃなかった。

盗賊の一団が襲ってきている。


パパが剣と弓矢を持ってでていってしまった。


心配そうなママとルカ。

年寄りとして、ここは私がささえなければ……


「ママ、ルカ、大丈夫よ。パパがささっとやっつけてくれるから……」


その時、ドアがドカッと大きな音がして、家の外から声が聞こえる。

「逃げろ!早く!」


パパの声。ゆっくりとした声色の中に、苦痛と焦燥が感じられる。


……推しが危ない。


私は咄嗟にルカに言う

「ルカ!ママを連れて森に逃げて!お姉ちゃんは推しと、ここで守るから!」


あ、推しって言っちゃった。


ルカにとっては早口すぎたようで、ポカンとしてたけど、ママがルカを連れて裏口からでていった。


私は壁に掛けてあった木刀を取り、扉を開ける。

そこには、浅いが切傷だらけのパパが、5人程の男たちに囲まれて、そのうちの1人に今、斧を振り下ろされそうになっていた。


……あの筋肉の張りだと、まだ間に合う!


判断するやいなや、ドアが開いたことに驚いたその斧男の喉元に木刀を投げつける。


「!!!ぉぉぉ重いけど!いけぇ!」


木刀が斧男の喉に食い込み、ゆっくりと斧が地面に突き刺さっていった。


まだ、あと4人!


パパが持っている剣

あれ、重いよねぇ。

斧はきっと、もっと重い。


迷ってはいられない。他にないのだから。


パバの剣を持ち握る。

目に映る風景がドンドン遅くなっていく。


男たちの口がゆっくり動く。

何か叫んでいるのだろう。

でも、あまりに遅すぎて意味にならない。

私にとっては。


振り上げそうな腕、切る。

踏み込んできた足、刺す

飛びかかってくる、剣を軸にして頭を蹴る

驚いている顔


「うぅぅぅぅぅるぁぁあああああ!」

あー!もうじれったい!


突きが、尻もちをついた男の股間の前、ほんの数ミリの所に突き刺さった。

その股間が湿り気を増していく。


多分、実際にはほんの数秒にも満たない時間。

でも私には長い長い瞬間。

長く、でも短時間に酷使した腕が悲鳴を上げる。

頭が痛い。マラソン大会の後よりキツイ。

目がチカチカする。


「パパ………。たすけて」


意識が途切れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ