第4話 3歳になって
わたし、ルナ、3さい。
なんだか、あたまの中がすっきりした気がするの。でも、ちょっとだけさびしい……
ということもなく、あすかさんは健在ですよ。
チュートリアルあすか説は否定されることとなってしまった。
いや、一瞬きた!って思ったのよ。
3歳になった日、突然、かわいらしいお婆さんが訪問してきたんだから。
ああ、このお婆さんに連れて行かれるんだわ。じゃあね、ルナ。元気で生きて行くのよ……
なんてモノローグ入れてたら、葉っぱが沢山ついた何かで、頭をふぁさふぁさして帰っていったわよ。あのばーちゃん。
何か、魔除け?とかお祓いみたいな意味合いらしい。それなら真っ先にチュートリアルあすかが祓われてもおかしくないと思う!
というわけで、走馬灯は続いている。
最近の苦行は食事だ。
空腹を感じてるというのに、スプーンでシチューを掬ってから、口に入れるまでの時間の長いこと……
空腹は最高のスパイスってほんとよね。
口に入った瞬間の味の広がり……素材の味がそのままいきたシチュー……前世より圧倒的に美味しくないけど、空腹を満たすものならもう、なんでもいい。
パパもママも好き嫌いを全くしない私に喜んでいいのか不審に思ったほうがいいのか、複雑そうだ。
そうそう、あまりにゆっくり見えるもんだから、細かい表情の加減もわかるようになってきた。
思考ってホントに顔にでるんだね。
この年になると、外にも連れて行ってくれるようになった。
何となく雰囲気から察してたけど、都会ではなかった。でもそれなりに人はいる村。
田舎生活に全然憧れてはいなかったけど、空気が美味しいのはいいことだ。
すれ違う人も皆笑顔。
パパは頼りにされてるのだ。凄腕のハンターとか言われて、凄くうれしそう。
ハンターって、何?モンスターとか出るのかな。コワイコワイ。
でっかい竜と戦う推し(パパ)…、いいね。
ふと、何かハエ?か何か小さい虫が周りを飛んでるのが見える。視界の端から端へ、ゆーっくり。
パパが私を抱っこしながら、手で払っているが、どこかに行こうとしない。
視界にうろちょろされるのは邪魔だし、パパは手を振ってるもんだから抱かれ心地が悪い。
ゆっくりとしか動かないけど、それは虫も同じ。
私の手がゆっくりと虫に近づいていく。
避けてもそれも見えてるから!
私は虫を指で摘んだ。
パパの顔が固まった。いやそう見えたわけではなくて。
その後、家に駆け戻って、ママと一緒になって、手を洗われた。
どうやら、少し毒をもつ虫だったらしい。命に別状はないけど、めっちゃ腫れた。
虫刺されの薬がほしい!!
結局、腫れた痛みは夜まで続いた。私にとっては延々と続く拷問、泣き叫んだ私を心配しつつも、パパとママは、普通の子よねと、安堵していたのを見逃さなかった。




