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第26話 ファッションとは無縁なもので

今日は服のサイズ合わせ。

ドレスがくるかとドキドキしてたけど、剣士風のパンツスタイルの物だった。

ただ、膝あたりから足の先に向かって広がるブーツカットタイプ。


なんかカッコいい感じ!

剣帯も付いてたんだけど、わたし剣は木刀しかないよ?木刀さげててもカッコつかないよねぇ、と思ってたら、そのうち用意するそうな。

でも刀とは振り方違うよねぇ。

今まで木刀一筋でやってきたから対応できるんかな?


正装と略装(通学用)と普段着とをそれぞれサイズを見る。

これくらいの年齢だと、すぐサイズ変わるんじゃないかな?って疑問だったから聞いてみたら、その都度作るそうな……

期待が重い。


一通り確認が終わって、もう終わりだね!って思ってたら、クラリッサ様が相変わらずの無表情で使用人をこれでもかってくらい引き連れてやってきた。

みんな何かの箱を持ってる。


ダンッ!ダンッ!って音立てて机に置かれて、順番に開かれていく。


……え?全部……ドレス……?


「クララ様……あの……これは?」


なんか……凄みが……


「グラナド家の女に、そんな格好だけをさせるわけにはいきません」


いや、わたし平民


「あ、あのクララ様?わたし従者なので、ドレスを着る機会は……」


クラリッサ様が無表情のまま見下ろしてくる。

こ、怖いよ……


「あなたは、私の娘です!娘に美しい装いをさせるのは親としての義務です!」


おぉぉぉぉぉぉい!!娘ぇぇぇぇぇぇえ?

違う違う違う違う!

わたしはあなたの腹からは産まれてない!


横からこそっとクラリッサ様のお付きの人が囁いてきた。

「クラリッサ様は、女の子が欲しかったのにできなかったのよ……。あなた、凄く優秀らしいから、気に入られたのねぇ」


うっそ!

何?グラナド家はそんなんばっかりなのか!!


気がついたらみるみるうちに服を剥ぎ取られて、コルセットが装着される。


いやいやいやいや!

そんな砂時計みたいなスタイルにはならんて!!

やめてやめて………ぐぇぇぇぇぇぇぇぇ!!


後ろにまわった恰幅のいい使用人さんがコルセットを締め上げてくる!!

身体が軋む音が聞こえてるよ!

それ!身体にわるいやつぅぅぅぅ!

内臓が!内臓が口からでるぅぅぅ!


走馬灯ぉぉぉぉぉお!仕事するんじゃねぇぇぇぇ!


早くおわってえぇぇぇぇぇ!!

………

……


コルセットは地獄だった……


わたしは、虚無となって十数着のドレスのビスク・ドールとなっていた……


クラリッサ様、無表情のままテキパキと指示をだしている。

これはもうわかる。上機嫌なんだな……

頭に音符が見えるよ……

もう少し締められるわね?無理だよ?死ぬよ?


そんな着せ替えの時間は夕方まで続いた。


しかも、ドレス着たままの夕食。

いや、コルセットで締め付けられて何も入らないよ!!

ていうか、クラリッサ様、よく食べれるね!


それから、クリストフ。

こっち見てないでさっさと食べてしまいなさい。

君の視線、見えてるからね?

開いた胸元にきてるの。

エロガキが!!

給仕の人が最初の皿を下げられなくて困ってるよ!

わたしもだけどさ!


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