第25話 あっという間に時間が過ぎていく
領主邸にきて1週間が経った。
朝はうそうそと起きて外で素振り。それが終わると朝食を食べた後に、クラリッサ様とマナーや作法のレッスン。昼食を挟んで、勉強、たまに素振り。そして夕食っていうなかなか詰め込まれた1日が続いた。
クラリッサ様は無表情でほとんど感情も現さないのに、すごく親切。
一度だけ、「クラリッサ様」って言ったら、ほんの少しだけ悲しそうな目をしたから、「クララ様」って言ったら、元の無表情に戻った。
ひょっとして、無表情が微笑んでる表情なのかな?
走馬灯世界で今まであった中で唯一表情がわからない人だから、なんか面白くなってきた。
クララ様の深層心理を暴いてやる!!
なんてね。
素振りしてるときは、意外にもゴリラ隊長グラッドさんも変態ノーマンも来なかった。なんか止められてるのかな。
たまにロリアンさんが様子を見に来る。
うん、1回目は名前、間違えたよ。
「ノ…リアンさん、おはようございます」っていう感じになった。
ロリアンさん笑ってたけどね。いい人だ。
一度くらい剣士訓練に参加してみない?って言われたけど、全力でお断りした。
ゴリラも変態もいらないよ。
お勉強は極めて退屈だ。
曲がりなりにも、女子高生を経験しているのだ。
文字も読めるし、書ける。
今さら、足し算引き算で戸惑うことはない。
先生役の執事さんが、ビックリしてたけど、こんな足し算引き算でドヤ顔なんてできないよ。
恥ずかしくて。
そんな日々が退屈かと言えば全然そんなことはない!だって、書庫にある本を自由に読んでいいって言われたから!
空き時間をほぼ全て書庫で過ごしてたら、たまにクリストフが様子見てたらしい。全然気づかなかったけど。
クララ様からたまには構ってあげてね、って言われた。
クリストフは私の一つ上の8歳。
まあ、そんな年頃かもね。
妾扱いは赦さんけど。
書庫では、他の人からみたらやっぱり凄い勢いでページをめくってるように見えるらしく、使用人の人達が時々内容を聞いてくる。
なんてことなく答えると、釈然としない顔で出ていく。なんか変なのかね。
変なのといえば、ここ、それなりの蔵書数なんだけど、宗教に関するものが置いてないんだよね。魔法のとこで神の御技って言葉があるくらいだから、宗教もあると思ってたんだけど。
道徳とか倫理感ってどうやって養ってるんだろうか。これくらいの文化レベルだと、宗教がその役割っていうのが定番じゃないのかな?
そんなこんなで時間はとぶように過ぎていく。
未読の本もあっという間になくなっていく。
明日は服のサイズ合わせって言ってたっけかな?
ドレスとか着させられたらどうしよう。
コルセットで内臓が出そうになるのがお約束だよね!




