第21話 私には使えないっぽい
魔法がある……
その前提で、もう一度、王国紀を読み返すと、魔法がいかに国の成り立ちに影響が大きかったのかがわかる。
さっきまでは、
まるで、デウス・エクス・マキナだな!
あるよねー、創作してたらどうにもならなくなって、超常的な何かを登場させちゃうやつ!
としか思ってなかったからね。
それに加えて……
「魔法使えた人って、みんな王族とか高位の貴族に、縁づいていくんだね」
リーンさんを見る。
「今も?これが王権の正統性になってたり?」
リーンさんがみるみる目を見開いていく。
剣士2人も呆然とした顔。
「あれ?なんか変なこと言っちゃった?」
「ルナちゃん……、すごいね。本当にちゃんと読んで…、いや読み解いちゃってる?」
およよ?正解?
「昔ほどじゃないけどね。聞いた話だと、今は、平民だったら、小さいうちに、国に招聘されて、教育受けて、半貴族みたいな立場で働くって感じかな」
そしたらきっと、そのまま貴族に取り込まれるかんじだよね。遺伝とかあるのかね?
「お貴族様はみんな、魔法使えるの?」
リーンさんは考え込む。
唇に人差し指当ててるの、かわいい。真似したい。
「んー、そういうわけでもないみたいだけど……。あまり公にならないのよねぇ」
そういうもんか。そうだよね、ある意味、国力そのものだから、秘匿するべきことなのかも
「わたしにも使えるかな?魔法!」
こういうのって、転生者の特典だよね!
走馬灯じゃない、チートもあっていいと思う!
「ルナちゃん、他の人と色の見え方が違って見えたりとか、する?」
ほえ?速度は全然違うけど……、色?
「魔法使える人って、普通の人と色が違って見えるらしいの。赤と緑が見分けつかなかったりって感じで」
それ、色覚異常じゃん!!
魔法使えるかどうかって、色覚特性で決まるんかい!
「あぁ……、わたし普通……」
そうか、色覚異常は確認しやすいよね、だから小さいうちに発見できるのか。
そういえば、4歳くらいの時に頃に赤いリンゴ、選ばされた気がするわ。
まあ、お貴族様をやりたいわけじゃないしね!
わたしがやりたいのは、ルカの推し活だ。
「まぁ、使えなくて困ったこともないしね。わたしはいっぱい本読んで、立派な事務職になるんだ!」
「いやいや、嬢ちゃん!剣士、剣士だから!」
その時、扉がノックされて、ナイスミドル御者さんが入ってきた。
「ルナちゃんや、甘いものができたから、持ってきたよ。ここで食べるだろ?」
きたーーーー!
なにができたのかな?
キャーーーー!パンケーキ!!
メイプルシロップっぽいのがかかってる♪
「うん!食べる!いただきまーす♪」
この世界で初めての甘いスイーツ!
もう、走馬灯フルに回して味わっちゃうもんね!
パンケーキを一口、口に入れる直前に、リーンさんが苦笑いしながら呟くのが聞こえた。
「事務職の頭の良さじゃ、ないんだよねぇ……」




