第20話 この世界にはあるのか!!
「そうなんだ!ルナちゃん、その年で王都の学院に通うのね!すごいわ!」
話してて判明!リーンさんはなんと、学院の関係者だった!
そんな、リーンさんが顔の横で手をあわせて満面の笑みで言うのが、とても可愛らしい。
少し高めの声でバツグンの透明感!
男なら惚れてたね!
変態剣士、お前は近づくな。
「王都かどうかわかんないけど、学院に行かせるって領主様が言ってたよ」
そもそも王都がどこかもわかんないしね。
地図本が欲しい。
あれがあればめっちゃ妄想が捗るのに。
「学院は王都にしかないのよ。将来は騎士様になるのかな?おねえさん、憧れちゃうよ」
はぅ!人生(前世も含め)で初めてそんなこと言われた!!リーンさん、好き!
「ホントは本とか読みたいから、文官になりたいんだけどさ、領主様が息巻いてて。私、剣士とか向いてないと思うんだよねぇ」
剣士どもが苦笑いしてる。
「嬢ちゃんが向いてなかったら、残るのコイツとゴリラ隊長くらいだよ?」
「そうだぞ、美少女剣士!ともに剣を振り、汗にまみれ……」
すんごい音が鳴って、マトモ剣士の拳が変態の鳩尾を貫いた。いいぞ、もっとやれぃ!
「あはは……、そうだルナちゃん。本なら私、今持ってるよ?読んでみる?難しいかもしれないけど」
まじか!!いい、何でも読むよ!
読書好きとしては、文字に飢えてんのよ!
般若心経でも、喜んで読む!
「うん!読みたい!リーンさん、大好き!」
リーンさんが荷物から、分厚い、紙を束ねたものを取り出した。和綴じよりも粗い綴じ方。装丁とかしないのかな?この世界。
表紙には、王国紀とある。
おおおおおあ、文字ィィィ!
手書きだけど、ちゃんと文章だ!!!
めくる……めくる……
内容は、王国になる前の時から、建国にいたって、王だったり、領主だったりの話。
平民から、戦争で英雄になって、国の偉い人になったなんていう話もある。
人物毎にまとまってるところもあるから、『史記』みたいな感じかな?
お、おもしろい……!
私にとっては、これはファンタジー小説の設定資料集だ!!
「じょ、嬢ちゃん……、それ読めてるのか?」
ん?何が?ちゃんと読んでるに決まってるじゃないか!
「すげぇ勢いで、めくってるけど……」
あ!!そうか!
めっちゃ集中してたよ!文字だけ見てると、走馬灯状態、わかんないね!
どうりでページめくる手が遅いと思った!
「ちゃんと読めてるよ?すごく面白い!」
せっかくだ、気になった記述について聞いてみよう。
「ねぇ、リーンさん。たまにでてくる、神の御技の再現とか、神の技術とかっていうの、なに?」
この表現がでてくる単語、知らない言葉なんだよね。
「なんか、火とか雷とか。自然現象のこと?迷信か何かが書かれてるのかな?」
そのページの箇所を指差した。
「えーとね、それは…………」
リーンさんは、長い髪を耳にかけて、首を傾げながらその言葉を確認すると、長々と説明してくれた。
な、な、な、なんですと……?!
この世界には………
魔法があるのか!!




