第19話 人助けの報酬
なんだよ、この変態、凄腕じゃん!
絶対モブだと思ってたのにぃ!
ていうか、1人で片付けられたんじゃないの?こいつ!野宿に持ち込むために敢えて倒さないことにしたな!
なんてやつだ!でも助かった!
「変態さん、そっちの3匹お願いしていい?」
見るからに余裕たっぷりの態度が鼻につくわー!
「美少女からの罵倒……、フヒ!もちろんだとも、もっと貶してくれていいよ!」
何がもちろんなんだ!?
とりあえず、ここを片付けよう。
変態よ去れ!集中ゥ!
目の前の3匹は、数が仲間の数が減ったことで飛びかかるのを躊躇しているようだ。
今の私なら、急に動けないタイミングも見えるんだぞ!
左の一匹の重心が上がったところで、兼定を振り下ろす。重心を落とせない、つまり踏ん張れないから回避もできない。
軌道を細かく調整しながら頭に叩き込む。
視界の端に剣閃が走る。
続いて二匹目。
飛びかかってきた足を払う。
地面に転がるタイミングで突き下ろす。
最後!
下から這うように近づく。
動いた。前へ。
足を止め横にずれる。すれ違う狼。
着地と同時にその頭に後ろから叩き込んだ。
魔石が落ちる音。
ふぅ、おわった。
ちょっと無理しちゃった。身体が痛い。
振り返ると、変態剣士が私を見てニヤついてる。3匹はとうに始末したようだ。
リーチと筋力の差かなぁ。悔しい。
どさくさで抱きついてきそうなモーションを示したから、即座に兼定で牽制した。
さてと。
壊れた馬車の方に向かう。
中年の男性とたぶん15〜16くらいのおねえさん。ふんわりとした雰囲気だけど、さすがに襲われたあとだからか、泣きそうな険しい顔。
可愛らしい顔が台無しだぞ!
「ふむ……。あれくらいも……良(略)」
ぶれねぇな!おまえは!
「あのー、片付けましたよー。だいじょうぶですか?」
努めて幼く、怖がらないように声をかける。
女児には警戒しないよね!
中年男性が顔を上げ、私を見て言う。
「あ、あの、魔人様か、精霊様の類いでしょうか……」
誰が魔人か!人間の美少女だぞ!
話してると、どうやらこの街の商人らしく、名前をポルタさんというらしい。女性はリーンさん。家族とかではなく、別の街から便乗してきたとのこと。散々な目にあったね。
行商から戻ってきたときに遭遇してしまったそうだ。
話し込んでたらナイスミドル御者とマトモ剣士もきた。
宿を探すっていったら、お礼に泊めてくれるってさ!しかも個室!!
やった!!
ダメ元で、甘いお菓子もほしいなーって呟いてみたら、笑いながら出してくれるって!
やっほう!甘味だ甘味!
個室の宿を確保して甘味付き!
人助けした甲斐があるってもんだね!




