第1話 転生した女子高生
私は、御門あすか17歳。
公立高校に通って、試験に悲鳴あげつつ、部活には入らず悠々と帰宅部を満喫する、何の変哲もない女子高生。
読書好きが高じて、顔には極厚の眼鏡。
今だって恋愛小説の新刊片手に心の中で悲鳴をあげたり、嬌声をあげたりしている。
ん?彼氏?いない。できるはずが無い。
恋愛の新約聖書を読みながら家への道を急ぐ。この状態、もはや慣れっこだ。幾億の回数を歩いた道だ。目を瞑っても帰れる。一度、学校で眼鏡が壊れた時もちゃんと帰れたからな!
横断歩道、信号が赤なのはちゃんと見えてる。
ザックを背負い読書をしながらも、周囲に気を配る私。もはや二宮金次郎を超えたと言っても過言ではない。二宮金次郎が何をした人かは知らないけど。
ただ、いつもと違ったのは、目の前に『あるもの』が見えたのだ。一般的にはトラックというのだろう。こっちに向かってきてる!!
……あ、走馬灯ってこんな感じに見えるんだ
一説には、命の危機に陥ったとき、生存の術を記憶から探ってるのだとか。
今読んでいた小説のヒロインが、彼氏とギクシャクしてる……
今日の朝ごはんの卵かけご飯……
あれは、一昨日見た推しのアイドルがでた歌番組……
握手会、外れたなー
あ、このまま死んじゃったら、押し入れのちょっとエッチな小説が……
なんの役にもたたないものばかり!
居眠りする運転手
ドリンクホルダーにはエナドリ
何かが壊れるような、音、身体から響いてる
視界が白でいっぱいになり、青、黒、赤
身体が宙を舞う
身体が回転してる、ゆっくり景色がかわる
鉄の匂い
寒い
眠い
私、御門あすかは死んだ……
と、思ってたのだけど。
気づいたらベッドに寝かされてる。
誰か泣いてる。
お母さんかな?娘がトラックに跳ねられたしね。
大丈夫、痛くないよ。
ん?痛くなくてホントに大丈夫なのか?
目を開けると知らない人、お母さんじゃない。
その人の目から涙が、落ちる……落ちる……、あれ?落ちてこない。
凄く、ゆっくりと……
目から涙があーふーれーてーーーー
お、やっとポロっと…………、宙に浮いてる?
ここ宇宙?
いや、少しずつ落ちてきてるらしい。
そして気づいた。
泣いてるの私だ。
しかも
赤ちゃんになってる……
身体を動かそうとしても、何か凄く重い。
全然動かない。
いや、動いてはいる。
超、ゆっくり
あ、やっと涙が落ちてきた。
これってもしかして……
走馬灯が止まってなくない?!
不定期更新になると思います。




