第97章 ― 単なる競争
「この作品は純粋なフィクションであり、いかなる論争を引き起こしたり、人々の考えを変えたりすることを意図したものではありません。作品に描かれている出来事は、著者の見解を反映するものではありません。物語の一貫性を高めるために、一部の歴史的および神話的な出来事は改変または変更されています。この作品は、古代の出来事に関する歴史的または宗教的な言及を意図したものではありません。」
「大丈夫か、ミトラス?」
アテナが尋ねた。
「まだ残っているイコルで回復できます。アンブロシアは不要です」
ミトラスは山へ降りながら答えた。
「だが……ソルが無事かどうかは分からない」
三柱の神は山中へ降り、意識を失ったソルを発見した。
背中には深く裂けた大きな傷があり、シャウシュカの一撃でイコルは完全に尽きていた。
「アテナ、彼にアンブロシアを与えろ。私はまだ弟子たちを見ねばならん」
ホルスが鋭く言った。
「はいはい」
アテナは小瓶から少量のアンブロシアをソルの傷へ注いだ。
瞬時に傷は塞がり、ソルは意識を取り戻した。
「こ…ここは……な、何が……?」
ソルは体を起こしながら尋ねた。
「もう大丈夫よ、ソル。よくやったわ」
アテナは親指を立てた。
「ア、アテナ師……ホルス師……ご無事で、よ、良かった……」
金髪の神は安堵の息をついた。
その瞬間――
ソルの恒久の陽光の下にもかかわらず、空が暗転し、
深紅に染まったアレスの顔が天を覆った。
禍々しく、不気味な投影だった。
「妹よ、火星へようこそ。ずっと待っていたぞ」
戦神アレスの声が響く。
「講義は不要よ、アレス。
ちょうど部下から状況報告を受けるところだったわ」
アテナは手を払うように言った。
「相変わらず皮肉だな、妹。
だが、ここからが憂鬱な話だ」
アレスは続けた。
「何を企んでいる、アレス?」
ホルスが問い詰める。
「見ての通り、この次元は存在する全神格エネルギーの総和を読み取る。
時間はその平均値に比例して流れる。
お前たちが力を上げるたび――たとえ百万分の一秒でも――
その莫大な力ゆえ、時間は激しく加速する」
「現時点で、お前たちに残された時間は五時間未満だ。
すべては、力を制御できなくなった“あの娘”のせいだ」
アレスは歪んだ笑みを浮かべた。
「ならば彼女を落ち着かせ、最小限の力で動く。それだけだ」
ホルスは即答した。
「一時間もあれば十分ね」
アテナは退屈そうに首を鳴らした。
「おっと、もう一つ」
アレスは軽く付け加える。
「アンピエルにはクロノクシフォスが仕掛けられている。
時間切れの瞬間、どこにいようと刃が追いつき、心臓を貫く。
解除方法はただ一つ――俺を倒すことだ」
「つまり――アレオパゴスを見つけて、アレスをぶちのめす」
アテナは言った。
「ホルス、どれくらいかかる?」
「厄介なのは場所探しだ。
そこさえ分かれば……十分か十二分」
ホルスは肩をすくめた。
「私は五分で終わらせるわ」
アテナは挑発的に言った。
「なら二分だ!」
ホルスは即座に返す。
「じゃあ私は一分でアレオパゴスを見つけて、アレスを倒す」
アテナは顔を近づけて言い放った。
「いいだろう。
どちらが先にあの弱虫の首を持ち帰るか、勝負だ」
ホルスは額を押し付けた。
「おい! また俺を無視するのか!?」
アレスが抗議する。
「黙れ!」
アテナとホルスは同時に叫んだ。
「で、賭けは何だ、アテナ?」
ホルスが尋ねる。
「勝者――つまり私が、敗者――つまりあなたの主になる。
一週間ね」
アテナは得意げに笑った。
「ほう? そんなに僕の奴隷になりたいか。
なら扇情的な服を着て給仕してもらおう」
ホルスは挑発する。
「いいわ。
じゃああなたは腰布一枚。
想像力を刺激する程度のね。
一週間、裸足で歩く私の足に口づけなさい」
アテナは言い返した。
二柱は額を押し付けたまま、言い争いを続ける。
(……もう、キスすればいいのに)
ミトラスは冷めた目で思った。
「時間を無駄にしていると、友を救えぬぞ」
アレスが咳払いして言った。
「その通りだ。アレオパゴスを探す」
ホルスが言った。
「好きにしろ。
我が最強のケレスたちは、お前たちを待ちわびている」
アレスは狂ったように笑った。
「陳腐ね。悪役の笑い方」
アテナは鼻で笑った。
アレスは顔を歪め、通信を切った。
空は再びソルの光に包まれる。
「ミトラス、このアンブロシアを弟子たちに」
ホルスは小瓶を投げ渡した。
「私は南へ行く。あなたは北よ」
アテナが告げる。ホルスは頷いた。
「待ってください!」
ミトラスが叫んだ。
「突撃!」
ホルスが叫ぶ。
「ま、待っ……!」
ソルが止めようとする。
「アララララララララ!」
アテナは叫び、猛スピードで飛び去った。
二柱の神は、互いに反対方向へ、山々を越えて消えた。
「……アレオパゴスは、実はあっちだと
言う暇もなかったな……」
ミトラスは肩を落とした。
「い、いつも、好き勝手ですね……」
ソルは苦笑した。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




