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第86章 ― マアヘスとモントゥ対コンス

「この物語は歴史と普遍的な神話に基づいたファンタジーです。」

赤い火星の砂漠に、微かな風が吹き抜け、

砂塵が静かに舞い上がった。

地平線には石の山々が連なり、

まるで天然の回廊のように両側を囲んでいる。

空は青灰色に濁り、雲一つなく、

この地にほとんど水分が存在しないことを物語っていた。

マアヘスとモントゥは武器を構えた。

獅子の顔を持つ神は、湾曲した二振りの大剣を抜き、低く構える。

モントゥは両手で黄金の杖を握りしめた。

コンスはゆっくりと彼らに近づいた。

両腕をわずかに下げ、

鋼の索に鉤爪の棘が絡みついた、

薔薇の茎のような異様な笏――鞭状の武具を手にしていた。

「ロドリゴ、マラクども――先へ行け」

マアヘスはコンスから目を離さずに言った。

「ここは俺たちが引き受ける」

「これは私怨だ。貴様らは進め。アレオパゴス山を探せ」

モントゥも視線を逸らさぬまま続けた。

「ふざけるな!

あの力を感じてるだろ!

俺も戦う!」

ロドリゴは怒りを露わに叫んだ。

「我らを信じられぬか、ロドリゴ?」

マアヘスは静かに問うた。

ロドリゴは歯を食いしばり、黙り込んだ。

「道は切り開く。

ホルスの弟子が何者か――その目で見ていろ」

モントゥは闘志を込めて言った。

「逃げる? 笑わせるな」

コンスは指を立て、嗤った。

「今回は、このゴミどもを全部駆除してやる」

その瞬間――

マアヘスの姿が消えた。

雷光の如く、

彼は一瞬でコンスの眼前に現れ、

紅く輝く刃を一閃――

コンスの指を斬り落とした。

切断面から、深紅の光が走る。

マアヘスはそのまま顔を上げ、

コンスの眼を真正面から見据えた。

「セセン・ダ (Sesen Da)(蓮華旋風)」

コンスの足元から花弁の竜巻が噴き上がった。

無数の花びらが刃となり、

彼の身体を切り刻みながら空へと巻き上げる。

「こんなものか!

この惨めな獅子野郎が!」

コンスは怒号を上げた。

同時に、

モントゥの背に灰色の翼が展開する。

彼は空へと跳び、

安全な距離から杖を突き出した。

「ヘト・セセル (Xet Seser)(炎矢)」

背後に無数の炎の矢が顕現し、

唸りを上げて放たれる。

既に傷ついたコンスの身体を貫き、

胸、眼、腹、脚、腕――

何度も突き刺さった後、

矢は一斉に爆ぜた。

爆風に弾き飛ばされ、

コンスは隕石のように地面へ叩きつけられた。

「今だ、ロドリゴ!」

マアヘスが叫ぶ。

ロドリゴと生き残ったマラクたちは走り出し、

二柱のエジプト神を背に置いて前進した。

(……後悔しないといいが)

ロドリゴは振り返り、そう思った。

マアヘスとモントゥは、

崩れ落ちたコンスの身体に追撃を放った。

――だが。

怒りの咆哮と共に、

二人の攻撃は弾かれ、砕け散った。

コンスの傷は瞬時に塞がる。

消費されたイコールは、ほとんど無かった。

コンスは視線を遠くへ向けた。

逃げるロドリゴとマラクたち。

距離はあったが、彼は再び指を立て――

――その背に、

マアヘスの刃が突き立った。

刃は背中から腹を貫いて突き出る。

「本気で来い!

でなければ殺すぞ!」

獅子神は咆哮した。

「……だがな」

コンスは静かに言った。

「この戦いは、もう終わっている」

「お前たちが、まだ理解していないだけだ」

次の瞬間――

マアヘスの腹部が内側から破裂した。

内臓が飛び散り、

彼は血溜まりの中に崩れ落ち、嘔吐した。

「な……何を――!?」

モントゥが叫ぶ。

隼面の神は急降下し、

杖で頭蓋を砕こうとした――

だが、

刃も振るわれぬまま、

その首は切断されていた。

コンスは、指一本動かしていなかった。

モントゥの身体は力なく地に落ちた。

コンスは白い光線を放つ。

逃げるマラクたちへ――

だがロドリゴは察知した。

腕を鱗へ変化させ、

光線を弾き飛ばす。

「ほう……俺の目は節穴じゃないな」

コンスは歪んだ歓喜を浮かべた。

「なんて上等な標本だ」

ロドリゴは凍りついた。

再び力が集束する――

――だがその前に。

瀕死のマアヘスとモントゥが、

背後から同時に突き刺した。

「行け、ロドリゴ!」

「ここは俺たちがやる!」

ロドリゴは頷き、

地平線の彼方へ飛び去った。

「認めよう」

コンスは淡々と言った。

「お前たちのイコールを侮っていた」

「まさか、あの攻撃で治るとはな」

「舐めるな、コンス……」

モントゥは唸った。

杖が深紅に染まり――

ドンッ!

爆発がコンスの腹を吹き飛ばした。

だが地に落ちると同時に、

肉は再生する。

反応する暇もなく、

見えぬ力が二柱を打ち砕いた。

血が噴き上がり、

二人は膝をついた。

「……いつ、そんな……」

マアヘスが掠れ声で呟く。

「俺は月の神だ」

コンスは言った。

「体液を操れる」

「敵の内臓を、好きな時に破裂させられる」

彼は鞭を振るう――

だが二人は辛うじて跳び退いた。

コンスは笑った。

次の瞬間、

マアヘスの頭が爆ぜた。

倒れゆく身体を鞭で打ち、

地面へ叩き落とす。

モントゥは再び炎矢を召喚しようとしたが――

詠唱の途中で、

心臓が破裂した。

血飛沫の中、

隼神は仰向けに倒れ、動かなくなった。

「安心しろ」

コンスは不気味に微笑んだ。

「すぐには殺さない」

「退屈するまで、ゆっくりな」

「イコールが尽きたら……」

「その身体で、実験を続けてやる」

「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」

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