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第82章 ― アレスの遊戯

「この物語は歴史と普遍的な神話に基づいたファンタジーです。やがて神道の神話も登場します」

オルニスケムの一行は開かれたポータルを通って惑星へ降り立ち、

即座に荒廃した火星の風景を目にした。

そこは巨大な砂漠のようだった――

ただし、空は青灰色に濁り、地面は錆びた赤に鈍く光っている。

山々が彼らを取り囲み、

粗末な建造物が惑星全体に無数に点在していた。

「それでも……パラスよりはマシだな。」

マアヘスが皮肉っぽく荒野を見渡しながら言った。

「それに、体が軽い。

まるで小さな月に立っているみたいだ。」

モントゥが続けた。

「砂漠みたいなのに……寒いな。

宇宙ほどじゃないけど、かなり冷える。」

ロドリゴが呟いた。

「何百万年も前なら生命があったかもしれない惑星を、

あのクソどもが隠れ家にしたってわけね。」

エポナが吐き捨てた。

「うん……あちこちに小屋や柱が見える。」

アナも頷いた。

タニアは会話に加わりたかったが、

恥と罪悪感がまだ彼女を縛っていた。

彼女はロドリゴたちの近くに留まり、

無言で荒涼とした地表を進んだ。

「ち、塵が多すぎる……」

ソルが咳き込んだ。

「視界も最悪だ。

奇襲されてもおかしくない。」

ミトラスが警戒した。

その時――

惑星全体に響き渡る声が鳴り響いた。

アレスだ。

「ようこそ、オルニスケム。

我がささやかな住処へ。

何時間も待っていたが……

どうやらずいぶんと余裕がおありのようだな。」

姿はどこにも見えない。

「姿を現しなさい、この臆病者!」

タニアが怒鳴った。

「そう苛立つ必要はない、愛しい者よ。」

アレスは嘲るように続けた。

「僕はこの惑星で最も高い山の頂にある宮殿にいる。

そこを探すがいい……

ふむ、レル時間で十時間。

ここでは二十時間だ。」

「問題ないわ。」

アナは聖剣デュルンウィンを召喚しながら言った。

「失敗すれば、マラクは生贄だ。

僕の宮殿に面した最も高い丘に縛り付けてある。

僕を見つければ、彼も見つかる。

簡単だろう?」

アレスは笑った。

「簡単すぎる。

この程度の惑星、千分の一秒で探し終わる。」

ミトラスが言った。

「お前たちが気づいていないのは――」

アレスの声が低く響いた。

「この次元の時間は、僕の支配下にあるということだ。

ここでは時間が数百万倍で進む。

移動速度など意味はない。

お前たちが“感じる時間”こそが、消費される時間だ。

外では百万分の一秒しか経たないが、

ここでは二十時間を丸々体験することになる。」

「やっぱり、こういう手を使ってきたか……」

エポナが唸った。

「アレオパゴス山を二十時間以内に見つけられるかな?

まあ、お前たちが僕の“遊戯”に遅れてきたのが悪いのだがな。」

アレスは嘲笑した。

「すべてを遊びにするクソ野郎だ。」

ミトラスが吐き捨てた。

「それと……忘れかけていたが――」

アレスは続けた。

「僕の数百のイギギ、マラク、ベヒーモス、ネフィリムが

お前たちを止めに行く。

そして、惑星各地には十二のケレスが待っている。

急げ。

お前たちの二十時間は、今この瞬間から始まった。」

通信は途切れた。

オルニスケムの全員が身構えた。

「えっと……つまり、

二十時間以内にアンピエルのところへ?」

ロドリゴが尋ねた。

「そう、ルイ。」

アナが答えた。

「でも、その二十時間は“私たちの体感時間”。

神力は周囲の時間を遅くするけど、

この次元は私たちの内的時間を基準にする。

ズルはできないの。」

ロドリゴの顔は、ますます困惑していた。

「ロドリゴ。」

エポナが優しく言った。

「今から二十時間数えなさい。

それがアレオパゴスに辿り着ける限界よ。」

「でも……動くと時間は止まるんだよね?」

ロドリゴが言った。

「村で力を解放した時、

兵士たちはほとんど動かなくなった。」

「その通り。」

アナが頷いた。

「あなたは時間の流れ方が違っていた。

あなたにとって十秒でも、

相手には一秒も経っていなかった。

神力が強いほど、世界は遅くなる。」

「今は全員が神力を使ってる……」

タニアが控えめに口を開いた。

「だから、時間は私たち全員の総合的な力に合わせて進む。

空の動きが、残り時間を示すはず。」

皆が彼女を見た。

タニアは頬を赤らめた。

「気にしないで、タニア。」

アナは優しく言った。

「私たちはチームでしょう?」

タニアは――

アナの背中を刺した記憶を思い出した。

それでも、アナは彼女に微笑みかけた。

タニアは、ぎこちなく微笑み返した。

「会議だ!」

ミトラスが叫び、全員が集まった。

「残念だが、アレスは隠れている。

どれだけ速く動いても、

二十時間で惑星全体を探すことは不可能だ。

分散する。」

「アレスの宮殿を見つけた者が、

テレパシーで他の者に知らせる。」

「ぼ、僕は……

アレスがこんな手を使うとは……」

ソルが呟いた。

「分け方は?」

マアヘスが尋ねた。

「三班だ。」

ミトラスが即答した。

「キネ、タニア、アナ――北。

マアヘス、モントゥ、ロドリゴ――東。

ソル、エポナ、俺――西。

各班にマラク部隊をつける。

無駄な戦闘で力を消耗するな。」

「南は?」

タニアが聞いた。

「アテナに連絡する。

彼女とホルスが到着次第、南を担当する。

いいな?

誰かがアレスを見つけたら、即連絡だ。」

「了解。」

全員が答えた。

「もう行くのか?

宴を用意していたんだがな。」

山の方から声がした。

全員が振り向いた。

尾根の上に、一人の男が立っていた。

背後にはマラクたち。

ギリシャの鎧、将軍用ホプリタイの兜、槍、赤いマント。

「アテナの戦士たちよ。」

男は宣言した。

「我が名はポレモス。

この惑星の力を得た今、

貴様らを粉砕できる。」

マラクたちが炎の剣を構えた――

だが次の瞬間、

ミトラスがポレモスの背後に現れ、腹部を貫いた。

同時に、ソルが灼熱の腕で首を刎ねた。

マラクたちが雷撃を放つが、

ミトラスはマントでそれを防ぐ。

ソルが両手を掲げると、

天から太陽の光柱が降り注ぎ――

マラクたちは一瞬で灰となった。

「す、すごい……!」

ロドリゴが息を呑んだ。

「驚くな、ロドリゴ。」

ミトラスは言った。

「ただの口のデカいイギギだ。」

「で、でも……

もっと強い敵が近くにいるのは明らかだ……

イギギだけじゃない。」

ソルが付け加えた。

「アレスが言っていた、ケレス……」

タニアが呟いた。

「そうだ。」

ミトラスは説明した。

「ケレスは十二柱の戦神だ。

かつてカッテレスだった頃から異常な存在だった。

俺が知っている者だけ話す、よく聞け。」

全員が身を乗り出した。

「まず、エジプトの神コンス。

エジプトのアヌンナキの息子だ。

見た目は少年だが、

人間で実験を繰り返した嗜虐的怪物だ。」

「知っている……」

モントゥが低く言った。

「次にザルモクシス。

ネフィルムだ。

巨大な斧を持ち、

魔術師としても危険だ。」

――俺と同じネフィルムか。

ロドリゴは思った。

「そして……

特にお前たちが知っている二柱。」

ミトラスはアナとタニアを見た。

「イシュタルとセクメト。

伝説級の戦女神だ。

十分注意しろ。」

「セクメトまで……」

タニアは不安を覚えた。

「他は詳しく知らんが、

新参に“木星”が二柱、

さらに極東の地“大和”の男がいるという噂だ。」

「なんでそんな所の奴がここに?」

エポナが眉をひそめた。

「その地域は、

キリスト教にもイスラムにも汚染されていないはず……」

タニアは首を傾げた。

「分からん。」

ミトラスは言った。

「だが、ケレスを甘く見るな。

必ず連携しろ。

単独で挑むな。」

全員がうなずいた。

「ミ、ミトラス……

い、行こう。

時間が減ってる。」

ソルが言った。

「よし、オルニスケム!」

ミトラスが咆哮した。

「死ぬな!

それが我らの長、女神アテナの命令だ!」

全員が炎のような気迫で応えた。

そして彼らは、それぞれの進路へと散っていった。


「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」

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