第79章 ― 裏切り
「この物語は歴史と普遍的な神話に基づいたファンタジーです。やがて神道の神話も登場します」
「この服、着たくないよ……ムーア人が着てそうな服じゃん」
ロドリゴは、アンナとエポナが戦い用に買ってきた服を見ながら不満そうに言った。
ターバン、黒いマント、そして濃いベルトで締めたオレンジ色のチュニックだった。
アンナとエポナはすでにトテマを装備していた。
「宇宙を移動するから、光より速く動かなきゃいけないの。トテマなしじゃ無理だよ」
アンナはそう言って自分の装備を指した。
「う、宇宙? つまり……地球の外?」
ロドリゴは不安そうに聞いた。
「そうよ。光でも何千年もかかる距離なの。神速移動なら、通常の物質じゃ耐えられない速度でも問題ないの」
エポナが説明した。
「でも僕、まだ飛ぶ練習中なんだ……そんな速く動けないよ」
「アンナが抱っこしてあげるから大丈夫だよ、ルイ」
ロドリゴは服を見つめ、嫌そうな顔をした。
アルマンゾールの兵士たちを思い出し、吐き気がした。
「いいから早く着なさい。時間の無駄よ」
タニアが苛立った声で言った。
彼女の目の下には濃いクマがあり、トテマを装備していた。
ロドリゴはため息をついてうなずいた。
(また話してくれた……)
四人は中央庭園へ向かった。
そこにはすでにソルとミトラス、そしてエジプト風の服を着た二人の男がいた。
その後ろには仮面の神キネ、さらに炎の剣を持った百人ほどのマラキム兵が並んでいた。
「エ、エポナ、み、みんな……ま、待ってたよ」
ソルはいつも通りトテマを外していなかった。
頭の光は金色の王冠のようだった。
「アテナとホルスを待ってるだけだ」
ミトラスもトテマ姿で言った。
そこへエジプトの戦神二人が前に出た。
「タニア様、アンナ様、エポナ様、ロドリゴ様。
我らは偉大なるホルス様の精鋭弟子でございます」
「僕は戦神マアヘス」
羽飾りの円錐冠とライオンの仮面をつけた男が名乗った。
「僕はモントゥ」
白い鷹の仮面と巨大な杖を持つ戦神が続いた。
「ホルス様は少し遅れますが、必ず参戦されます」
「じゃあアテナ様は?」
アンナが聞いた。
「残念ながら、彼女も遅れます」
後ろからアスクレピオスとミュルディンが歩いてきた。
「師匠たちも来るの?」
ロドリゴが頭を下げた。
「いや、我々は戦士ではない。幸運を祈りに来ただけだ」
ミュルディンはアンナに近づいた。
「アンナ、あの技はマナが尽きた時だけ使うんだ。いいね?」
「うん! 聖属性耐性も教えてくれてありがとう! 終わったらまた修行するね!」
アスクレピオスはロドリゴの肩に手を置いた。
「チャクラはまだ完全じゃないが、力は使える。無理をするな」
「はい、師匠」
ミトラスとソルはエポナの前に立った。
「助言はいらないな。君は十分強い」
「頑張るわ」
ソルが斧を構えた。
「じゃ、じゃあ……い、行くよ……」
アテナのラブリュスが輝き、強烈な光が放たれた。
次の瞬間――
全員が消えた。
「で、でも……話すのって一秒以上かかるんじゃない?」
ロドリゴが尋ねた。
「ルイ、もう気づいてないの? 神のエネルギーが発動している時、私たちは実際には“声”で話してないんだよ。テレパシーで意思を伝えてるの。唇は反射的に動いてるだけで、音が出る前に通信が終わってるの」
アンナが答えた。
「パ、パラスでのヨ、ヨクト秒は、神のエネルギーが最低レベルでも、ほ、ほぼ二時間くらいに感じるんだ。ラ、ラブリュスはもう、め、迷宮を出る設定に……な、なってる……い、今くらいに」
ソルが続けた。
「だから外に出たら、体感的にはだいたい三十分くらいだよ」
彼は付け加えた。
タニアにとって、その“三十分”は永遠だった。
(出た瞬間……ロドリゴの首を落とす)
拳を握り、唇から血がにじんだ。
(彼はただのタニン……情けは無用……)
「十……九……八……」
(一瞬で終わる……)
「七…….六……」
(アンナとエポナに嫌われても……)
「五……」
(今日、私は死ぬ……)
「四……」
(自由になれる……)
「三……」
(もう少し……)
「二……」
「ごめん……ロドリゴ……」
涙が流れた。
「で、出たよ!」
閃光。
宇宙空間に放り出された瞬間――
タニアは手を刃の形に変え、炎をまとわせ、
ロドリゴの首へ――
稲妻のような速度で振り下ろした。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




