第78章 ― 戦い前の晩餐・後編
「この物語は歴史と普遍的な神話に基づいたファンタジーです。やがて神道の神話も登場します」
皆は食べ、飲み、笑い合っていた。
二人の客がアンナとエポナに言い寄ろうとしたが、ロドリゴはそれを見て不快になった。
幸いにも、二人の女神はきっぱりと断った。
その直後、キタラ(リラに似た楽器)と笛、タンバリンの音楽が流れる中、アンナはロドリゴの手を引いて踊りに連れていった。
ロドリゴは恥ずかしがっていたが、アンナは「リラックスして、アンナの動きを真似して」と言った。
二人は手を取り合い、キタラのリズムに合わせてゆっくりと踊った。
その夜のアンナはとても美しかった。
長袖で金の装飾が施された赤いドレスを着ており、肩と胸元が少し露出していた。
額には精巧な金のティアラをつけていた。
「はいはい、次はエポナの番ね」
エポナはそう言ってロドリゴの隣に来た。
馬の女神は、太い黒のラインが入った白いドレスを着ており、髪には白いヴェールをかぶっていた。
その夜の緑の瞳は特に美しく、ロドリゴは改めて彼女に惹かれていることを実感した。
唇の下の小さな傷はあったが、笑顔、優しい眼差し、炎に照らされる金髪は、まさに女神そのものだった。
しかしアンナは拒否した。
「厩舎で相手を探してきなよ」
「少なくとも私は品があるわよ、アンナ。
その汚い布切れで胸の半分も見せて……
胸って呼んでいいの? 肥満王の垂れた乳首みたい」
エポナはそう言ってロドリゴのもう片方の手を掴んだ。
「アンナのほうが可愛いもん、馬ヅラ」
アンナが怒鳴った。
エポナは自分の胸を掴んで揺らした。
「ほら見て、アンナ。これに勝てる?
アンナは本当に女性ですか?それともかつらをかぶった宦官ですか?」
「や、やめて……」
ロドリゴは真っ赤になった。
「あらあら、ローワン。君は女性に大人気だね」
酔ったアテナがロドリゴの背中に腕を回した。
彼女の酒臭い息は遠くからでも分かるほどだった。
「いえ…二人がふざけてるだけです」
ロドリゴは恥ずかしそうに言った。
「今夜は誰と寝るの? 教えてぇ〜」
アテナは酔っていた。
「アテナ先輩! そんなこと言わないで!」
アンナが激怒した。
「もう十分よ」
エポナも呆れていた。
「エポナちゃん、処女を守りたいなら別の方法もあるのよ〜」
アテナはさらに調子に乗った。
アンナとエポナは真っ赤になり、殺意の目で睨んだ。
「アテナ先輩!! そういうことは声に出さないの!!」
そこへホルスが来て、アテナの腕を肩にかけた。
「すまないね、二人。彼女はワイン二杯が限界なんだ」
「まだ飲めるもん〜!」
アテナは連れて行かれた。
「私は、部屋に戻る……」
アンナの顔を赤くしたまま言った。
「じゃあ私はロドリゴと一晩中いられるってこと?」
エポナがニヤリとした。
「勝手にして」
アンナは怒って去った。
「聞いたでしょ、ロドリゴ。今夜はエポナのものよ」
ロドリゴは緊張してうなずいた。
彼はずっとエポナが好きだった。
初めて会った時から、人生で一番可愛いと思った。
最初は口が悪かったが、少しずつ優しくなっていた。
だが――
エポナの体が密着した瞬間、
柔らかな胸の感触に、彼の体は正直に反応してしまった。
エポナはそれに気づき、艶のある目で見つめた。
ロドリゴは恥ずかしくてたまらなかったが、
離すこともできなかった。
彼の服装は青い衣装に黒いタイツ。
……隠しきれていなかった。
「ロドリゴ……
アンナはあなたを弟子としてしか見てないと思うの。
アテナが言ってた“あれ”、試してみたい?」
エポナは彼の体に手を這わせた。
「だ、だめだと思う……」
「アンナにはバレない。
それに、あなたの“お友達”がもう答え出してるじゃない」
ロドリゴは迷った。
初めてのチャンスだった。
でも――戦いの直前で、友は苦しんでいる。
彼はエポナを優しく押し返した。
「ごめん、エポナ。
君のことは好きだけど……酔ってる人を利用したくない」
エポナは視線を逸らした。
「……アンナのほうがいいんでしょ。
強くて、綺麗で、いつも笑ってて。
私はただの弱い馬の女神。
口も悪いし、顔に傷もあるし……」
「違うよ」
「いいの。分かってる。
アンナのほうが上。
私は帰るね」
涙が一滴、頬を伝った。
エポナは去り、
ロドリゴは一人、墓のように静かな宴会場に残った。
何もかも壊してしまった。
だが、他にどうすればよかったのか――彼には分からなかった。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




