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第7章 — 敵陣内で戦う

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

夜の闇を利用し、ロドリゴは兵を一人また一人と気絶させた。五人が倒れたとき、タニアは驚嘆した。


「信じられない……神の力を一滴も使っていないのに」

「母が望んだんだ。人間として生きるために鍛え続けた」


ロドリゴは隠密戦術を使ってゆっくりとキャンプに侵入し、沈黙する蛇のように、夜と兵士たちの酔いに乗じて、殺すことなく一人ずつ倒していった。

しかし、陣の中央に進むと、信仰深い兵士たちが酒を一滴も口にしていないことにロドリゴは気づいた。しかも周囲は焚き火に照らされて明るく、突破するには戦うしかなかった。


「気のせいか、この陣営は妙に静かじゃないか?」

背の高い、顎髭をたくわえた兵士が言った。


「いや、怪しいな」片目の低い兵が答えた。「夜襲を受けているのかもしれん」


八人の兵士が槍を構えて警戒を強める。ロドリゴは天幕の陰から彼らを観察し、遠くに洞窟を見つけた。中からは深い泣き声が響いてくる。


「町の人々はあそこに!」ロドリゴは即座に悟った。

だがその瞬間、槍が天幕を突き破って飛び込んだ。ロドリゴは間一髪でかわした。

「おい、ここにネズミがいるぞ」巨漢の兵士が布越しに槍を引き抜きながら叫んだ。


ロドリゴは焦りながら周囲を見渡した。

「くそっ、戦うしかない」そう心に決めた時、巨漢の背後からさらに四人の兵士が現れた。

「持てる技をすべて使わなければ……」若き戦士は覚悟を固めた。


兵士たちはすぐにロドリゴを凝視した。


「隊長、この顔……昼に城を襲ったジンの顔と同じです!」


「ならば、この穢れた悪魔の首を差し出せば、スルタンから黄金と奴隷を与えられるだろう」巨漢は自信満々に答え、槍を振りかぶった。


「来い、小僧! そのジンの力を見せてみろ!」


ロドリゴは巨漢に飛びかかったが、左腕の一撃で地に叩きつけられた。槍が彼を貫こうと迫るが、ロドリゴは転がってかわし、立ち上がって構えを取った。


「これがジンの力か? 笑わせるな」巨漢が嘲笑し、ロドリゴの焦燥は募った。


巨漢が突進してきた瞬間、ロドリゴは隙を見抜き、槍をかわして巨腕をつかみ、その体重を利用して投げ倒した。槍を握る手を短剣で突き刺し、他の兵士が襲いかかろうとするのを見て即座に巨漢を人質に取った。


「奴隷を取り戻しに来ただけだ。これ以上は望まない!」ロドリゴは叫んだ。

だが巨漢はなおも抵抗し、ものすごい力でロドリゴを数メートル吹き飛ばした。


「この小僧め!」兵士は悪態をつき、槍を握ろうとした。だがロドリゴは背に剣を浴びせた。


他の兵が襲いかかると、ロドリゴは腱や腕を斬って戦闘不能にした。巨漢もなお潰そうと体を振り下ろすが、ロドリゴは間一髪でかわし、剣の柄で首筋を打ち抜き、ついに気絶させた。


だが勝利は束の間だった。顔を上げると、片目の兵士が弓兵を率い、矢を彼に向けていた。

「降伏しろ、小僧。お前は包囲されている」


弓兵が放とうとした瞬間、月が眩い光を放ち、兵士たちは目をくらませ矢を外した。その隙にロドリゴは片目の兵に飛びかかり、膝蹴りで倒して洞窟へ駆け込んだ。

視力を取り戻した兵たちは少年が消えたことに気づいた。


「洞窟を囲め! 奴隷が最優先だ!」片目の兵が血を吐きながら叫んだ。


兵たちは洞窟の前に立ち並び、矢を構えた。ロドリゴは罠にかかった。


洞窟の中では市民や子どもが檻に閉じ込められ、彼を見るなり助けを乞うた。ロドリゴは「大丈夫だ」と宥めたが、内心では神の力なしでは脱出できぬと悟っていた。力を使えばタニアに罰せられ、奴隷は救えない……どうすべきか分からなかった。


「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」


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