第61章 — 約束だ
「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」
北欧の雷神は、黄金の鎧とトーテマの熊皮のマントをまとい、腰の帯と籠手を輝かせながら、ミョルニルをしっかり握って立っていた。
「ト、トール!? でも父エスス様が殺したはず…あるいは兄タラニスが!」
ベレヌスは恐怖で声を震わせた。
「いや、まあ…もうアイツは何もできんよ。俺たちがもう“首をレルに送っといた”からな。」
トールは首の骨をゴキゴキ鳴らしながら言った。
「ば、馬鹿な! 神への冒涜だ!!」
トゥータティスが絶叫し、戦場に走り出した。
「信じられないって? まあ心配すんな。すぐお前らもヘルに送ってやっから、そこで確かめろよ。」
トールはまだ首を鳴らしながら言った。
「本当なのか!? エススを倒したのか!?」
ロキが叫んだ。
「当たり前だろ。それと今からは、こんなザコを片付けたあとで、お前を“また牢屋にぶち込む”つもりだったんだがな。」
トールは親指を立ててみせた。
「待てトール!」
ロキはよろめきながら立ち上がった。
「父オーディンの情報があるんだ!」
「情報?」
トールは鼻をほじりながら聞き返した。
「父上は生きている。俺がしたことは全部、父上が力を取り戻すためのものだ。アース神族と戦う気はなかった。こんな連中と一緒に裏切るなんて、ありえない。」
ロキは本気の声で言った。
トールはまだ鼻をゴリゴリしていた。
「それに――あそこにいる女はアテナだ。」
ロキはアテナを指差した。
「彼女が父上を探すのを手伝ってくれる。」
アテナは目を閉じ、ラブリュスの柄に手を置きながら、足元に広がる魔法陣を集中して構築していた。
「今それ話すタイミングじゃないだろ。まぁ信じてやるよ、今はな。だがまずは――アースガルズを汚したこのバカどもを片付けるのが先だ。」
トールはまだ鼻をほじっていた。
――三分経過。
「分かった。」
ロキは短く答えた。
「俺を倒す? 笑わせるな。俺はケルトのカトレスでも最強格だ――貴様らなど敵ではない!」
ベレヌスが白い光をまといながら突進してきた。
「瀕死の神に何ができる?」
トゥータティスは空中に光の円盤を生み出し、ロキめがけて投げつけた。
トールはベレヌスの拳を軽く避け、その顔面に拳を叩きこんだ。
ケルト神は山へぶっ飛び、岩を砕きながら埋まった。
「ベレヌスがいなきゃ、お前は何もできねぇだろ。」
ロキは大量の幻影の後ろに隠れた。
トゥータティスはパニックになり、無差別に光弾を撃ち始めた。
ロキは氷の槍で反撃したが、バリアに阻まれた。
その直後、ロキは足元から現れ、トゥータティスを巨大な氷の牢に閉じ込めた。
ベレヌスは瓦礫を突き破り、怒りで燃えあがりながら光弾を連射した。
トールは全てを軽く避けた。
そして空を指さし――
「ブレグダ・ウップ・トゥーンラズ(Bregda upp Thunraz)(雷霆の斬撃)!!」
天から落ちる雷がベレヌスを貫いた。
光が消えたとき、光の神は膝をつき、白目をむいていた。
「で、あの女は何してんだ?」
トールが顎でアテナを指した。
「あと一分で術が完成する――今は三……いや四分だ。」
ロキが答えた。
その瞬間、トゥータティスが氷を破壊し、ベレヌスも立ち上がった。
「まだ倒れねぇのか。しぶとい奴らだな。」
トールは楽しそうに笑った。
――四分経過。
『ロキ、そしてトール。』
アテナの声が二人の頭に直接響いた。
「アテナ!」
ロキが応じた。
『転移魔法、まもなく完成。みんなを私の所へ――急いで!』
トゥータティスとベレヌスが同時に攻撃してきたが、
トールはミョルニルで弾き飛ばした。
ロキは即座に転移し、ロドリゴ、アナ、タニア、エポナをアテナの足元へ集めた。
「さあ、あなたたちも!」
アテナが叫んだ。
「悪いが、俺は残る。」
トールは敵の攻撃を受け止めながら言った。
「こいつらは俺たちの人間の土地を汚した。ここでぶっ倒す。逃げろ、アテナ。お前らには指一本触れさせねぇ。」
雷神は堂々と言い放った。
「アテナ、俺も残る。トールと一緒に戦う。ヴィンランドで必ず会おう。今日の借りは返す。」
ロキも言った。
「今度は俺たちの番だ!!」
トールとロキは同時に叫び、ケルト神たちへ突撃した。
『生きろ。死ぬな。レルを倒すまでは――絶対に。いいわね?』
アテナの声が戦場に響いた。
「もちろんだ!!」
二人の北欧神は吠えるように答えた。
光陣が輝き、アテナ、ロドリゴ、アナ、タニア、エポナは光の柱となり――消えた。
「俺たちは約束を守る!!!」
二人の神は、再びケルト神を相手に吠えながら戦い続けた。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




