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第60章 ― 五分間

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

「五分だって? たった五分、あいつらを食い止めろって言うの?」

アナが驚きの声を上げた。

「申し訳ないけど、これ以上早くはできないのよ。」

アテナは落ち着いた声で答えた。

「……分かった。あたしの限界までやってみせる。」

アナはカラドコルグとフラガラッハを同時に呼び出し、構えた。

アナはベレヌスに突撃した――だが、ケルト神は薄笑いを浮かべたまま。

その瞬間、彼の周囲に防御結界が展開された。

「防御結界は僕の専門だ。」

トゥータティスが手をかざしながら言った。その結界はベレヌスを完全に守っていた。

ベレヌスは右手に白い光の球を生み出し、アナの腹部に押しつけた。

アナの体が痙攣し、轟音と共に大地へ叩きつけられ、大きなクレーターができた。

「だめ、アナ! アンタの弱点は“聖属性”よ!」

タニアが苦しそうに立ち上がりながら叫んだ。

アナを止められなかったロドリゴは慌てて彼女の元へ駆け寄った。

「アナ、大丈夫か?」

彼はアナの手を握った。しかし、腹に大穴が開き、彼女はほとんど息ができていなかった。

「どけ、邪魔だ。」

ベレヌスがロドリゴの背後に現れ、指一本で彼を空間の壁へと叩きつけた。

ロドリゴは意識を失った。

ベレヌスは手刀に白い光をまとわせ、アナの首を切り落とそうとした――。

だがタニアがその背後に飛び込んだ。

しかし結界がまた彼女を止めた。それでもアナへの止めを阻止するには十分だった。

「最初に死にたいのはお前か? 望み通りにしてやろう。」

ベレヌスは冷たく言い放つ。

タニアは爪で切り裂こうとするが、結界が全て弾き返した。

次の瞬間、ベレヌスの手刀がタニアの腹を貫いた。

タニアの目が裏返り、力が抜け、彼女は地面へ投げ捨てられた。

ベレヌスは再びアナの胸を踏みつけ、弱った彼女の首を狙う――。

アナは苦しさに震えながらも剣を突き上げようとするが、結界がそれを止める。

「くだらん。」

ベレヌスは指先に小さな白光を集め、それをアナの体へ落とした。

白い光が炎のようにアナの体を焼き、彼女は絶叫した。

それでも剣だけは離さなかった。

――一分経過。

ベレヌスは再び手刀を構え、アナの首を――。

その瞬間、蜘蛛の糸が絡みついた。

ロキが背後から現れ、技を放ったのだ。

「俺の“網”はどんな結界でも通る。」

ロキが鼻で笑う。

しかしベレヌスは光でその網を焼き切った。

「その程度の低質な神技、通じるはずがない。」

ベレヌスは冷たく言った。

彼はロキの腹を殴り飛ばしたが、ロキは瞬時に氷塊を作り出し、ベレヌスの腕を閉じ込めた。

しかしその氷も内部から容易に破壊された。

アナも必死に攻撃するが――やはり結界は破れない。

「退屈だな。」

ベレヌスはため息をつき、詠唱した。

「イオンス・ビータ Ionsú beatha(生命吸収)。」

世界が一瞬で死んだ。

草木は枯れ、山は崩れ、空は灰色に染まり、海さえ蒸発した。

生命のあったすべてが失われ、巨大な光球が空に形成された。

光球は落下し、アナもロキも逃げようとしたが、

爆発に巻き込まれ、二人は倒れた。

アナは完全に意識を失い、ロキは必死に這って起き上がろうとした。

「ロキ、ロキ……お前はいつ学ぶんだ? 負け犬のままじゃないか。」

ベレヌスは笑いながら近づいた。

ロキは錯乱しながら幻術を使うが、

ベレヌスの指が本物のロキの胸を撃ち抜いた。

ロキが血を吐いて倒れる。

――二分経過。

ベレヌスはロキの顔を足で踏みつけた。

「さて……慈悲深い僕が、この次元そのものを滅ぼしてやる。」

彼は両手を掲げた。

大地から巨石が浮き上がり、

人間が想像する“ストーンヘンジの原形”のような巨大構造を形成した。

石柱が輝き、中心へ向けてエネルギーを放つ。

巨大な光球が生成された。

「永遠にさよならだ、子供たち。」

ベレヌスは小声で呟いた。

「スグリオス・ネアム(Sgrios neamh)(天界破壊)。」

地面が激しく揺れ、光球は爆発寸前――。

ドガァァンッ!!

突如、巨大なハンマーが光球に直撃し、

技も石柱も粉々に砕け散った。

「誰だ!!」

ベレヌスが怒鳴った。

そのハンマーはふわりと浮かび上がり、

虹色の光の門から出てきた男の手に戻った。

「お、ぎりぎり間に合ったか?」

その男は軽く地面へ降り立った。

「トール!!」

ロキが叫んだ。

「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」

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