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第56章 ― 生と死の狭間

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

ロキは作り出した幻影をすべて消し去り、

瀕死のアナンド(アンナ)へ歩み寄り、

ヤドリギの槍でとどめを刺そうとしていた。

「アンナ!! 起きろよ!!」

ロドリゴが蜘蛛の巣結界でもがきながら叫ぶ。

「アンナ!! アンタそんな弱くないでしょ!! 起きろっての!!」

エポナが怒鳴りつける。

だが、アンナにはその声がとても遠くに聞こえた。

「……もう、何も感じない……」

意識が深く沈んでいく。

次の瞬間、彼女は幻を見る。

赤い髪の少女と、金髪の少女。

自分によく似た顔をした二人の少女が、

アイルランドの山地のような草原で笑いながら遊んでいた。

突然、炎が広がり、少女たちの悲鳴が響く。

その後ろには、巨大な杖を持った外套の男の影。

「バァヴ!! マハ!! 行かないで!!

アンナを置いてかないでよ!!!」

夢の中で叫びながら——

アンナの思考は、完全に途切れた。

「やっと……死んだんだ。

バァヴ、マハ……タニア……エポナ……

アテナ先輩……ルイ……ごめんね……」

完全に意識を失う、その直前。

——暖かい光が、身体に流れ込んだ。

知らない力。

だけど、どこか懐かしい。

コインブラで助けた人々、

トゥールーズで救った女性たち、

ホーセンスで守った住民たち。

その“誰か”たちが、彼女に寄り添うように感じた。

信仰とも違う、優しく抱きしめるような温かさ。

アンナの瞳が、燃えるように開いた。

そして彼女は、身体に刺さっていた氷の槍を粉砕した。

全身血まみれのまま、怒りと根性だけで立ち上がる。

「アンナ、まだ死なないよ!!

アンナを殺せるのは、アンナよりズルい奴だけだからねぇぇぇッ!!!」

黒い羽から二本の剣が形成され、

彼女はそれを両手に握った。

「この剣はカラドコルグとフラガラッハ。

アイルランドの魔剣だよ。速度、上がるんだ」

ロキは大笑いし、再び幻術を展開する。

数百のロキが一斉に氷槍を構えた。

「フリムトゥルサル・カエシア(Hrímthursar kaesia)(氷の巨人の槍)!!」

だがアンナは避けない。

すべての槍は触れた瞬間に霧散した。

幻だからだ。

次の瞬間——

本物の氷槍が彼女の首を貫いた。

アンナは血を噴き、崩れ落ち——

消えた。

そしてそのまま、ロキの目の前へ現れ、

両方の剣で切り裂いた。

ロキは吹き飛ばされる。

さらにアンナは壁を蹴り、予測した地点へ一直線に突進、

再度ロキを斬りつける。

ロキは叫び、外套を広げる。

「ヤルン・スキッキャ(Jarn skikkja)(鉄層)!!」

外套がアスガルド最硬の金属へ変化し、刃を弾いた。

アンナは首に刺さった氷槍を引き抜き、

血しぶきを撒き散らしながら再び突撃。

怒りだけで身体を動かしていた。

ロキの防御を破るため、アンナは一度剣を解除し、

伝説のディルンウィンを召喚。

「はぁあああッ!!」

ロキを地面へ叩きつけるほどの衝撃。

すぐに再び二本の魔剣へ切り替え、

空中から叫ぶ。

「ベァナ・アン・ヴァーシュ(Beanna an bháis)(死の鴉)!!」

黒い羽根をまとった二つの紫の光線が、

雷のような速さでロキへ降り注ぐ。

ロキは外套を硬化させようとしたが遅かった。

光線は胸と腹を貫き、ロキは血を吐いた。

アンナは降下し、

二本の剣でロキを連続で刺し、斬り刻み続けた。

「うあああああああああああッ!!!!」

怒りの咆哮とともに、彼女は何度も何度も刃を叩き込む。

だが——

「アンナ、もう十分よ!」

アテナが左腕をつかんで止めた。

剣は消え、

アンナはその場に崩れ落ちた。

「……ごめん……またアンナ、暴走しちゃった……

ごめんなさい、アテナ先輩……」

顔を両手で覆い、震える声で謝った。

一方、ロキは地面を這って逃げようとしていた。

だが、その腕が踏みつけられる。

タニアだった。

氷塊を破壊して復活したのだ。

「どこ行くつもりよ、クソ野郎」

タニアは腕を容赦なく踏み潰す。

ロキは悟った。

——もう、逃げ場はない。


「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」

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