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第55章 ― モリガン対ロキ

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

タニアはロキの氷魔法で作られた巨大な氷柱の中に閉じ込められたまま、

突進したときの険しい表情をそのまま凍結されていた。

ロドリゴとエポナがロキへ飛びかかろうとした瞬間、

ロキの姿はふっと掻き消えた。

気づけば二人は巨大な蜘蛛の巣のような結界に囚われていた。

もがけばもがくほど、糸が肉に食い込み、皮膚を切り裂いていく。

「三人目、終了だな」

ロキがゆっくり歩きながらアンナとアテナへ近づいた。

「アンナちゃん、倒せるとしたらあなたよ」

アテナは地面に座ったまま、落ち着き払って言う。

「タニアは油断したわ。戦闘では“太陽”属性だから、氷には少し弱いのよ」

アンナはロドリゴとエポナの姿、氷の中のタニアを見て、

顔を歪めた。

「自分を生贄にしようとする主人に尻尾を振るなんて、

そんな犬、アンナ大嫌いだよ!」

アンナはロキに向かって怒鳴った。

ロキは空中にᛚ(ラグズ)のルーンを描き、

左手をその魔法陣に突っ込む。

取り出したのは緑の葉が付いたヤドリギの杖——

まるで逆さの槍のように尖っていた。

「これは神バルドルを殺した木だ。

神殺しのために作られた武器だぞ」

ロキはそれを掲げて見せる。

「お前がどれだけ強かろうが、これを持つ俺には勝てん」

アンナは伝説の剣ディルンウィンを両手で握り、

雄叫びを上げてロキの首めがけて斬りかかった——

だが、ロキの身体は霧のように消えた。

その瞬間、巨大な網がアンナを包み込んだ。

しかし彼女は呟いた。

「タヴィシュ・バンリオン(Taibhse banríon)(幽鬼の女王)!!」

アンナの身体は黒い大群のカラスへと分裂し、

網を切り裂いて飛び去った。

カラス達はロキを捜し散開した——

一羽が小さなハエを捕まえる。

それが一瞬でロキに変化した。

「見つけた!」

カラスの群れが一斉に襲いかかるが、

ロキはヤドリギの杖を振り回し、猛烈な力で吹き飛ばした。

カラスは再度集合し、アンナの姿へ戻る。

「変身して逃げ回るだけ? 卑怯者め!」

剣を構え直しながら言う。

「正面から戦う理由などない。

俺は“こういう戦い方”が好きなんだよ」

ロキは杖をクルリと回し、また姿を消した。

「もう同じ手は食わない!」

アンナは翼の羽根をすべて鋭い刃に変え、

全方向へ撃ち出した。

——だが、一つもロキに当たらなかった。

「ちっ……外した」

そう呟いた瞬間、ロキが目の前に現れ、

杖の穂先をアンナの腹に突き刺した。

「くっ……!」

反撃しようとしたが、ロキはすでに消えていた。

腹を押さえながら周囲を探るが、

ロキはつけ込むように低い声で嘲る。

「無駄だ、モリガン。俺は捕まらん」

(呼吸……声……位置……聞き取らないと……)

アンナは必死に集中した。

ロキが現れ、左肩を刺し、また消える。

「ははは! カラスの女王も大したことないな!」

今度は太もも。

次は胸。

「東……93.8度……距離58.3メートル……」

アンナは暗黒物質で作った短刀を投げた。

空中の“何か”に当たり、ロキの本体が露わになり、

その首を裂いた。

「ロキ、お前はどこにいようとアンナが見つけるよ!」

しかしロキは笑って消えた。

近くを見ると、刺さっていたのはただの小石。

「俺は視界に入るものなら何にでも入れ替われる。

必要ならバクテリアにもなるぞ」

ロキは嘲り笑う。

次の瞬間、背後から胸を貫かれた。

アンナは悲鳴を上げて地面に倒れ込んだ。

(くそっ……今のは本当に痛い……!)

しかし治癒のため立ち止まれば、ロキの餌食になる。

アンナは目を閉じ、呼吸を整えた。

ロキは再度背後に現れた——

だが、彼女はそれを読み切っていた。

「はあぁぁっ!」

剣がロキの右腕を切断した。

「ありえん!!」

ロキは悲鳴を上げて離脱。

再びテレポートし、今度は空中から奇襲。

だがアンナは剣を真上に突き上げ、

ロキの胸を貫いた。

「ぐッ……!!」

「テレポートには“音”が出るの。

百万分の一ナノ秒のズレ——全部読めるよ」

ロキは歯ぎしりしながらさらに距離を取った。

そして詠唱した。

「フリムトゥルサル・カエシア(Hrímthursar kaesia)(氷の巨人の槍)!」

巨大な氷槍が飛来、

アンナの胸を貫いた。

「がっ……!!」

膝をつき、呼吸が荒くなる。

翼の刃でロキを斬ろうとするが、

それすら幻影だった。

「俺の分身は“完全”だ。

質量、音、霊圧、全部本物に見せかける」

無数のロキが姿を現す。

「シォンフヴェルフィング・フィョルキュンギ!(幻術魔法)」

無限に近いロキの軍勢が氷槍を生成した。

「フリムトゥルサル・カエシア(Hrímthursar kaesia)(氷の巨人の槍)!!」

何千、何万もの氷の槍がアンナへ殺到する。

アンナは必死に本物を斬り払うが——

一本、側面から心臓近くへ突き刺さる。

「ぐあっ!」

抜けば、また別の槍が背中へ。

さらに脚へ。

さらに腹へ。

何度も、何度も、無慈悲に貫かれた。

——十五本。

アンナは血を吐き、

視界が暗く沈み始めた。

「アンナ!!

負けるんじゃない!!!」

アテナが叫ぶ。

しかし、黒髪の女神の膝は地面につき、

ゆっくりと倒れ込んだ。

「……これで“四人目”だ」

ロキが冷たい声で言い放った。

「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」

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