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第15章 — 戦闘訓練

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

「いい?ルイ。少し痛むかもしれないけど、我慢してね」

アンナは左手に剣を持ちながら、ゆっくりとロドリゴに近づいた。

「わかったよ、アンナ」

ロドリゴは答えた。

彼は、アンナがあまりにも可愛らしく幼い顔をしているので、本気で脅威とは思えなかった。

だがその瞬間、彼は右腕が消えたのを見た——最初にタニアと出会ったときとまったく同じように。

アンナはすでに彼の背後にいた。

剣を抜き放ち、完璧な斬撃を放ったのだ。ロドリゴは反応する暇もなかった。

痛みと恐怖が再び彼を襲い、腕を失ったと錯覚した少年は、今度こそ死ぬのだと思った。

だが意識は残っていた。

彼の傷口から流れる血は細い糸のように編まれ、蜘蛛の巣のように右腕の断面へと伸びていった。

数秒のうちに血の滴が融合し、腕は完全に再生した。

服に残る血の跡だけが、その斬撃の証だった。

「これが“神の血”よ、ルイ。イコルって呼ばれているの」

アンナは言いながら振り向き、剣を闇の羽に変え、消し去った。

「でも……どうして僕の腕が戻ったんだ?」

ロドリゴは顔を押さえながら、ふらついた声で尋ねた。

「神の身体は人間と違うの」

アンナは歩み寄って説明した。

「わたしたちの体にイコルが流れている限り、どんな傷も癒えるの。たとえ首を落とされても、身体を粉々にされても。

でも、攻撃を受けるたびにイコルは減る。失いすぎれば再生は止まり、意識も途切れる。

そして、イコルが尽きた状態で致命傷を負えば——死ぬのよ」

その言葉のあと、アンナは指先でロドリゴの額を軽くつついた。

見た目には軽い一撃のようだったが、ロドリゴの体は数メートルも吹き飛び、洞窟の壁に激突した。

「乱暴者はあたしじゃなくて、そっちね」

タニアが皮肉な笑みを浮かべた。

ロドリゴの意識は薄れていった。

全身の力が抜け、腕も脚も動かない。

「……僕は死ぬんだ」

そう思った瞬間、アンナが駆け寄り、小さな金色の筒を取り出した。

「早く、これを飲んで!」

彼女は液体をロドリゴの口に注ぎ込んだ。

すると不思議なことに、彼の体に再び力が戻り、痛みが消え、視界が鮮明になった。

「これは“アンブロシア”。」

アンナはロドリゴを支えながら説明した。

「イコルが危険なほど減ったとき、これを飲めばすぐに回復するの。

もし持っていなければ、体が自然にイコルを再生するのを待つしかないけど……それには何日もかかるわ。

その間に傷が癒えなければ、永遠に治らないの。

たとえば目を失ってイコルが足りなければ、その目は二度と戻らないのよ」

ロドリゴは立ち上がり、呆然としながら言った。

「じゃあ……君の指先の一撃だけで、僕のイコルが全部なくなったってこと?」

「ルイ、あなたはまだ訓練もしていないし、イコルの増やし方も知らないの」

アンナは優しく微笑み、彼の肩に手を置いた。

「気にしないで。これから訓練を重ねれば、少しずつイコルの量は増えていくから」

アンナは再び笑みを浮かべ、両腕を上げた。

「さあ、今度は本気であたしを殴ってみて。防御はしないから」

ロドリゴは即座に首を横に振った。

「無理だよ。僕は女の子を殴れない」

その言葉に、タニアは盛大に吹き出した。

「この子、一撃であんたをぶっ飛ばしたのに?まだ守る気なの?」

アンナもくすりと笑った。

「優しいね、ルイ。でもね、人間の常識に縛られてたら、神々の世界では生き残れないの」

「女神は人間の女とは違うのよ。戦の女神なら、数百のイギギやマラキムを数秒で倒せるわ」

「もし敵の女神が来て襲ってきたら? そのまま殺されるの?」

タニアが眉を上げて聞いた。

「うん。僕は自分を守るだけで、相手を攻撃したりはしない」

ロドリゴは胸に拳を当て、誇らしげに言った。

「見た?希望ゼロね」

タニアは呆れ顔で頭を支えた。

「相手が天使でも、女神でも、人間でも、僕は女性に手を上げるなんてできないよ。

髪の毛一本だって、暴力で触れちゃいけない」

彼はまるで昔から覚えていた台詞を朗読するように言った。

「どう思う?アンナ、滑稽でしょ?」

タニアが冷たく言ったが、アンナの頬は真っ赤に染まり、唇がわずかに開いた。

「ルイ……今の、すごく素敵だった」

アンナは小さな声で言った。

「ちょっと!アンナ!なに乙女みたいに照れてるのよ!思春期は終わったでしょ!」

タニアが叫んだ。

ロドリゴも赤面し、目を逸らした。

「もちろん……二人のことも守るよ」

と、ぎこちなく付け加えた。

「はいはい」アンナはまだ照れたまま言った。

「無理にとは言わないわ」

「じゃあ、そこのババア。代わりにあたしと勝負しようか」

アンナがタニアに向かって挑発した。

「ババア?」

タニアが眉を吊り上げた。

「だって、アンナはもう“思春期じゃない”んでしょ?だったらタニアは杖ついて歩くおばあちゃんね」

アンナはにやりと笑い、黒髪を軽く揺らした。

「そう言ったわね、このガキ。じゃあ見せてあげる、“ババア”の力を」

タニアは立ち上がり、笑みを浮かべた。

「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」


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