第132章 ― 人間と神々
「この作品は純粋なフィクションであり、いかなる論争を引き起こしたり、人々の考えを変えたりすることを意図したものではありません。作品に描かれている出来事は、著者の見解を反映するものではありません。物語の一貫性を高めるために、一部の歴史的および神話的な出来事は改変または変更されています。この作品は、古代の出来事に関する歴史的または宗教的な言及を意図したものではありません。」
三十分後、彼らはついに迷宮を抜けた。外宇宙は相変わらずの姿だった——色彩に満ちていながら、どこか暗く物悲しい空気に包まれている。メンルヴァは天体地図を取り出し、左方向を指した。
「右じゃなかったのか?」
エポナが怪訝そうに言った。
「あっ……いや、すまない、間違えた。右だったな」
メンルヴァは恥ずかしそうに答えた。
「だいじょうぶだよ〜、アンナもよくまちがえるの〜」
アンナはにこっと笑った。
しかしエポナは妙な違和感を覚えた。ほんのわずかだが、左側に“何か”の気配を感じたのだ。だが気にしないようにして、仲間たちと共にアスガルドへ向かった。
神々はワームホールを通りながら、一時間ほど全速で飛行した。ロドリゴは宇宙の光景に圧倒されていた。銀河、ブラックホール、巨大な恒星、無数の惑星、そして見たこともない光の現象。宇宙は間違いなく、この世で最も美しい場所の一つだった。
「きれいだよね、ルイ〜」
アンナはロドリゴに寄り添いながら言った。
「こんなに色があるなんて思わなかった。昔は空の向こうは真っ暗で、海みたいなものだと思ってた。その上に天国があって、神がいるって」
「ロドリゴ、まだ神様しんじてるの?」
タニアが興味深そうに尋ねた。
「アテナにエル様の娘だって言われたとき、理解できなかった。でも今は……知らなかった世界を見て、神や天使と一緒に生きて……正直、何を信じればいいのか分からない」
「ルイ〜、ほんとのこと言うね〜」
アンナは真っ直ぐ彼を見つめた。
「わたしたちもね、マルチバースの先に何があるか、わかってないの」
「それに“エル様”をすべての神だと思わないで。生命を作ったのは神じゃない」
タニアが付け加えた。
「じゃあ……人間は神が作ったんじゃないのか?」
「違う。あたしたちは……人間と似てるけど、別の星で生まれた存在だ」
「人間ってね〜、ほんとはすごく特別なんだよ〜」
アンナが説明した。
「飛べなくても、イコルを出せなくても、“信仰”を生み出せるの。それがエネルギーになるの」
「こんな広い宇宙でも、人間みたいな種族は他に見つかっていない。神と人間の出会いも偶然だったと言われている」
タニアが言った。
「人間は技術も作るよね〜。わたしたちには必要ないけど、面白いから真似してるの。この地図もそうなんだよ〜」
「エネルギーを扱えない分、それを補ってるってことか」
「うん〜。でもね、人間も神の力を目覚めさせることができるんだよ〜」
ロドリゴは驚いた。普通の人間でも神に届くのか。
「アテナが言ってたの〜」
アンナは続けた。
「オリンポスには神の力を使える人間の軍があるって〜」
「アスガルドにもいる。死後に力を得た人間たちがな」
タニアが言った。
ロドリゴは言葉を失った。人間こそ最大の可能性を持つのではないか。
「それにね〜」
タニアは続けた。
「神の世界と違って、人間は争いながらも、互いを愛し、大切にすることができる」
「だから好きなのか?」
「……人間になりたい」
タニアは言った
「アンナも〜!」
アンナは大きく笑った。
一方その頃、スサノオはメンルヴァの隣で飛びながら地図を見ていた。
「スサノオよ、なぜオルニスケムに加わった?ヤマトが侵略されるとは思えぬが」
「かつてアレスのケレスに身を置いた理由と同じにて候。さらなる強さを求めてのこと」
「じゃあ、もっと面白い組織があれば裏切るのか?」
「否、そのようなことは致さぬ。この一行には、ケレスに欠けておったものがある。彼らの戦いを見た。力だけでなく、心で戦っておった。そしてロドリゴ殿との一騎打ちにて、かつてタカマガハラで感じたものを再び思い出したのだ」
「何を?」
「拙者はかつて、コンスやセクメトのようであった。ただ強者を倒すことのみを求めておった。しかしロドリゴ殿との戦いで、姉上の言葉を理解した」
「どんな言葉?」
「拙者は常に疎まれておった。だが姉上だけは拙者を庇ってくださった。“いつか、心から敬う者と刃を交え、その剣が折れたとき、お前は理解するだろう”とな」
メンルヴァは戸惑った。
「拙者はその想いを踏みにじった。田畑を荒らし、従者を殺し……さらには宮殿にて排泄まで致した」
「……え、うそでしょ?」
メンルヴァは笑った。
「恥ずべき過去にて候」
「失礼ながら、それこそが真実にござる。彼女の言葉は、いまだ我が心の奥底に響いておる——我が追放の前夜よりな:‘いつか汝、真に敬うべき刃と相まみえ、その刀、折れることがあろう。その時、汝は知るであろう。自ら酷薄を装い、他者を傷つけるも、それらはすべて己自身を傷つけるに過ぎぬと。そのような魂を見つけ、相まみえたその日には、我は喜んで再び汝を兄弟と呼ぼう’とな。」
スサノオは言った
「それで、その相手がロドリゴ?」
「左様。かつては破壊者を倒すことと思っていたが、違った。あのような者こそがそれであった」
「なら戻ればいいじゃないか」
「今は叶わぬ。ロドリゴ殿らと共に強くなりたい」
「私もだ。アテナ様のために戦う」
「然り、メンルヴァ殿」
後方ではエポナとアンピエルが並んで飛んでいた。
「驚いたな。疲れたとも言わず、運べとも言わず、暴れもしないとは」
「前のあたしは死んだんだよ」
エポナは得意げに言った。
「つまらなくなったな」
「いじめられるのが好きなのか?」
アンピエルは笑った。
「お前、気づいてなかったのか?お前が全部やってたんだ。あれは関係じゃなくて、ただの友達だった」
「そうなのか?」
「からかい合ってただけだ。それが楽しかった」
「じゃあ、またやってやるよ」
「無視してやる」
「で、なんであんな口調やめたんだよ」
エポナはため息をついた。
「ロドリゴに影響された」
「付き合ってるのか?」
エポナはウインクした。
「変態だな。処女神じゃなかったのか?」
「そうだよ。嫉妬してんのか?」
「悪いが無理だな」
「なんで?」
「馬とは付き合えない」
「このクソ野郎!!」
エポナは殴りかかるが、アンピエルは笑いながら避けた。
「やっぱりその口調だな!」
「ぶっ飛ばすぞ!!」
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




