表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/113

第13章 — 許して

「この物語は歴史と神話をもとにしたファンタジーです。」

洞窟の下層の部屋で、ロドリゴとアンナは向かい合って立っていた。タニアは少し離れた岩の上に座り、二人の訓練を見守っていた。

「まず最初にやるのは、この次元を歪ませることだよ、ルイ」

アンナは服のポケットを探り、小さな白い光の粒を取り出した。

「次元を…歪ませる?」ロドリゴは尋ねた。

「うん。この場所を壊さないように戦闘用の空間を作るの。神しか動けない次元を開くんだ。人間は完全に止まって、時間も流れなくなる。でもここでは普通に動けるの」

アンナは説明した。

「…よくわからない」ロドリゴは首をかしげた。

「心配いらないわ、すぐ思い出すから」

タニアがそう言った。

アンナが光の粒を地面に落とすと、衝撃波のように青灰色の波が洞窟全体を包んだ。ロドリゴはすぐに、アル=マンスールを殺そうとしたときの感覚を思い出した。

「これが新しい次元、ルイ。こういう“ポケット次元”を使えば安全に戦えるの。しかも、壁は絶対に壊れないから、思いきりやっていいよ」

アンナは腕を広げて言った。

「すごい…」ロドリゴは驚いた。

「訓練が終われば、すぐ閉じられるの。こういう空間は神を閉じ込める牢獄にも使えるのよ」

アンナが言うと、彼女の左腕から黒い羽根が生え始めた。

黒い羽根が渦を巻き、やがて一振りの剣の形になった。アンナはそれを左手でしっかり握った。

「これがアンナの力、“闇の物質ダークマター”だよ」

アンナは剣を振り、目の前の空気を切った。

「想像できるものなら何でも作れるんだけど、アンナは武器を作るのが好きなの」

彼女が横に一閃すると、背後に無数の武器が現れた――剣、槍、弓、短刀――やがてそれらは黒い羽根となって消えた。

「神々はそれぞれ、生まれたときに“元素”と結ばれるの。アンナは闇。タニアは炎」

「まあ、わたしはもともと“水”の元素だったけどね」

タニアが肩をすくめた。

「でもそれに満足できなかったから、炎を鍛えたの。つまり、生まれた元素に縛られる必要はないのよ」

二人の女神はロドリゴの目を見つめた。

「まずは、ルイ、あなたの元素を顕現させるの!」

アンナが剣の先でロドリゴを指した。

「君の血に流れている神の力が、次の段階への鍵になるのよ。さあ、自分の神気を出してみて!」

タニアが促した。

「ムーア人を攻撃したときの怒りを思い出して!」

ロドリゴはうなずき、拳を握り、膝を少し曲げた。集中すると、髪がふわりと浮き、足元に光の筋が生まれた。砂や小石が宙に舞い、目の色がより鮮やかな緑に変わる。ロドリゴの体から白い光の輪が放たれた。

「準備完了だ」ロドリゴは叫び、光の中で立ち上がった

アンナは舞い上がる砂を手で払って咳をした。

「エネルギーの制御をもう少し練習しようね」

「さて、次は“エネルギー”を出せるか見せて」

「エネルギー?」ロドリゴは戸惑った。

「そう、こうやって」アンナが右手に青い炎を灯し、すぐに消した。

「出てくるエネルギーの性質で、あなたの元素がわかるの」

ロドリゴは右手を見つめて力を込めた。だが何も起きない。さらに集中すると、地面が震え、石が浮き、ひび割れが走った。光が暴走し始める。

「ダメだよ、ルイ、落ち着いて!」

アンナが声を上げた。

「心を静めて、エネルギーを感じるの」

ロドリゴは力を抑えようとしたが、何も起こらず、焦りで再び震動が起きた。

「まったく、手に負えないわね」

タニアが苛立たしげに言った。

「そんなこと言わないで、タニア。きっとできるよ」

アンナは剣を消し、ロドリゴの肩に両手を置いた。

「ルイ、たくさんの苦しみを乗り越えてきたね。心の中に痛みと怒りが渦巻いているのをアンナは感じるよ。でもまずは、心を整えなきゃ」

「できない!できないんだ!」

ロドリゴは叫んだ。力が爆発し、稲妻のような光が走った。

「アルマンスールを殺したいんだ!あいつを…!」

アンナはロドリゴの涙に満ちた瞳を見つめた。

「ごめんね、ルイ」

「アンナとタニアが復讐を止めたこと、許してほしい」

「お母さんを守れなかった自分を責めないで。それは君のせいじゃないの」

彼女の声は穏やかで、洞窟に静けさが戻った。

「敵を完全に許すのは難しい。でも少しずつ受け入れよう。憎しみを抱いたままでは、君自身が壊れてしまう。アンナは君を信じてるよ」

ロドリゴは力を失い、その場に崩れ落ちた。アンナは膝をつき、肩を支え続けた。

「そういうのは得意ね」

タニアが退屈そうに言った。

「わたしなら、もうボコボコにしてるわよ」

ロドリゴはゆっくりと呼吸を整えた。

「もう大丈夫?」アンナが優しく尋ねた。

ロドリゴはうなずいた。

アンナは立ち上がり、ロドリゴに手を差し出して立ち上がるのを助けた。彼はその手を取り、ゆっくりと起き上がった。


「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」

「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」

「とても感謝しています。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」 「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」 「とても感謝しています。」
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ