第112章 ― 夜の女王対幻影の女王
「この作品は純粋なフィクションであり、いかなる論争を引き起こしたり、人々の考えを変えたりすることを意図したものではありません。作品に描かれている出来事は、著者の見解を反映するものではありません。物語の一貫性を高めるために、一部の歴史的および神話的な出来事は改変または変更されています。この作品は、古代の出来事に関する歴史的または宗教的な言及を意図したものではありません。」
イシュタルは暁の空に輝く明星のごとく光り輝いていた。
その髪は銀白に染まり、瞳もまた同じ色へと変わっている。
女神は地面の上に浮かび、白き翼をゆるやかに羽ばたかせていた。
一方のアンナは、巨大な剣グラムを構える。
黄金の柄には二体の竜の顔が刻まれ、柄頭には赤い瞳を持つ黄金の竜の頭。
刃は巨大で蒼白、鍔は夜のように黒い。
その大剣からは、烏の羽の形をした闇のエネルギーが滲み出ていた。
その時、アンナはエポナの神力を感じ取る。
『みんな、見つけたよ。アレオパゴスを見つけた。最終決戦、力を貸して』
エポナの簡潔で澄んだ声が、アンナの心に響く。
「うわぁ、ちょっと恥ずかしいよね。エポナは目的達成なのに、アンナまだ戦ってるし」
「心配はいらないわ、アンナ。すぐに終わらせてあげる」
そう言ってイシュタルは天へと昇り、背後に虹を出現させる。
上空に位置取ると、象牙のように白い鎌をアンナへ向ける。
「すごい……イシュタル様、あの技を使うのですか?」
ニンシュブルが興奮気味に見上げる。
「さようなら、アンナ」
虹を背に鎌を振るう。
瞬時に、白き光の剣が無数に出現し、回転木馬のように並ぶ。
同時に空は暗転し、虹の背後には金星が巨大に迫る。
「イナンナマル・ザラグ・シェグ(Inannamul Zalag Shegh)(ヴィーナスよりの雷雨)」
無数の光剣が雷のごとく降り注ぐ。
「Crág Dubán(ドゥバンの盾)!!」
アンナの翼から伝説の盾が出現し、頭上に掲げる。
「今度は守れないわ!」
イシュタルが叫ぶ。
盾に亀裂が走る。
アンナは翼から複数の盾を形成するが、次々と砕け散る。
それでも、直撃寸前――
アンナはグラムを振り抜き、闇の突風で光槍を弾き飛ばす。
烏へと変化して逃げようとするが――
烏が一羽ずつ撃ち落とされる。
雨は止まない。
アンナは人型へ戻り、膝をつく。
光が針のように身体を貫く。
「……ここで……負けない……!」
嵐の中、立ち上がる。
「どうして耐えられるの? 聖なる力よ、あなたはサターンなのに!」
イシュタルが困惑する。
「Tir-An-Na Tedeti(虹よりの襲撃)!」
流星のごとく急降下。
大爆発。
だがアンナはグラムを盾にして受け止める。
足元に巨大な穴が穿たれる。
歯を食いしばる両者。
アンナは押し返し、横薙ぎ。
その一撃は火星を両断するかのような衝撃波を生む。
イシュタルに直撃するが、変身中ゆえ無傷。
アンナは追撃。
最初の斬撃で鎌を両断。
イシュタルも真っ二つ。
凄まじい爆発。
即座に再生。
アンナは剣を抜き、彼女を追い続けた。
イシュタルの額には八芒星が燃えていた。
「ジ・シャ・ガル・ニグ・シ・サー(Zi-sha-ghal Nigh-si-sá )(神の裁き)!」
天空が白く染まる。
両手に球体。
背後に巨大な金星。
アンナが斬ろうとする――爆発。
吹き飛ばされる。
「まだよ!」
「Shu hul Kur dú(シュ・フル・クル ドゥ)(山の破壊者)!」
高速の刃。
回避不能。
アンナの身体が裂かれる。
それでも翼を広げ、渾身の一撃。
イシュタルは火星の反対側へ吹き飛ぶ。
追撃。
垂直斬り。
クレーター形成。
無傷。
(マナを枯らすしかない)
「Aratta Anzakár(アラッタの塔)」
巨大なジッグラトが出現し、アンナを閉じ込める。
頂は次元壁へ届く。
「破壊不能よ!」
だがイシュタルは血を見る。
変身が治癒しない。
マナ消費過多。
塔が斜めに両断され崩壊。
「嘘……!」
「壊れない? 笑わせないで」
「サグ・ガズ・ガラ・アカ(Sagh-gaz Galla aka)(悪魔殺し)――」
発動せず。
変身崩壊。
膝をつく。
アンナは連撃。
イシュタルは辛うじて再生し退避。
「まずい……でも最後は派手にいく」
両脚を揃え、腕をV字に。
アンナが止まる。
「降参じゃないわ。それがあなたの最大の失敗」
「Éd Bar Kur(冥界降臨)」
皮膚が白濁。
猛禽の脚。
黒き翼と髪。
赤き瞳。
梟の幻影。
妖艶で禍々しい。
—冥界で死に、帰還した。冥界の力を得た。この力はイコルを消費するが、マナ不要—
「アンナに関係ない!」
斬撃回避。
「Kur Ush(地獄の瘴気)」
赤きエネルギーが脚から放たれる。
脚に命中。
激しい眩暈。
—イコルは削らぬが、マナを破壊する—
闇の斬撃。回避。
再び瘴気。
三度目直撃。
膝をつく。
立てない。
—我が名はイナンナ、冥界征服者、夜の女王—
連続瘴気。
グラム消失。
マナ不足。
嘔吐。
意識遠のく。
掴まれ、山へ投げられ粉砕。
立ち上がるアンナ。
再び瘴気。
回避せず受ける。
—死ぬ覚悟は?—
「ない!」
—なら?—
「何もしない」
巨大赤球。
「Kur Ush(地獄の瘴気)」
轟音。
引きずられる。
(ルイ……タニア……エポナ……待ってて)
大爆発。
瀕死でも笑う。
—なぜ続けるの—
「降参? まだ終わってない」
—何ができる—
「追い詰められた獣は、一番強く噛むんだよ」
立ち上がり、ペンダントを握る。
「Caoin cath(戦の叫び)!」
神力が爆発的増幅。
火星震動。
時間歪曲。
「マナが少ないほど、神力は増える。アンナ、それ分かった時、これしかないって思った!」
「そんな力……アレス並み!」
「一撃だけ。イシュタル、ごめんね。夜の女王なら――アンナは闇の幻影の女王だよ」
闇炎が燃え上がる。
突撃。
一撃。
衝撃波が山々を消し飛ばす。
巨大クレーター。
変身崩壊。
力が消える。
アンナは膝をつく。
「みんな……ごめん……ここまで……」
崩れ落ちる。
両者気絶。
――アンピエル処刑まで、残り一時間。
「アラッタの塔はメソポタミアの人々の伝説に登場する伝説の塔でした。」
「イシュタルの変身は、バーニー レリーフとも呼ばれる高浮き彫りの「夜の女王」にインスピレーションを得ています。」
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「ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もぜひお楽しみに。」
「翻訳に間違いがありましたら、お知らせください。」
「とても感謝しています。」




