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5、(ざまぁ)sideイザベラ&アルフレッド、家も継げず、金も貰えない


「い、今なんて言ったの?」


「?、だからペンドラゴン家の次の後継者はイヴにすると言っているんだ、お姉さんを支えるんだぞイザベラ」


そろそろくたばる頃なので、私が家を継ぐ事は確定的に明らかだが、後でオバサンにゴネられても面倒臭い、念書でも書かせようと思って実家に帰ると訳のわからない事を宣うクソ親父。


「な、なんでッッッ!!!戦う事しか脳の無い野蛮人より私の方がッッッ」


「お前、あんなに立派な姉に向かってなんて事を言うんだ、そもそもお前が嫌がってイヴに押し付けたんじゃないか」


あの暴力しか脳のない野蛮人、メスゴリラになんかに継げるワケない事を懇切丁寧に教えてやっているのになぜか理解しない青瓢箪、それどころか私を非難してくる。



「ーーーーーーッッッッッ、か、母様!!!、父様が訳のわからない事を言っています!!!!、なんとか言って下さい!!!」


「うん?、そんなに慌てて、どうしたの?」


「だ、だからオバ、イヴ姉さんを後継人にするとか言ってるのよ!!!」


「ああ、こら、アシュタル、ダメでしょ」


クソ親父の血迷った決断をクソババアに止めてもらう私。


「そ、そうよ、私の方が後継者に相応しーーー」


「ーーーイヴ本人に了解を取る前にペラペラ喋っては」


「へ?」


途中までは良かったが、どうやらクソババアの方もイヴオバサンに家を継がせる気のようだ、気がとち狂ってるとしか思えない。


「ああ、すまんすまん、なんせ国の英雄にまでなって帰ってくるとは思わず、気が急いてしまった」


「全く、アナタはせっかちなんだから」


「ーーーーっっっっっ?何を言ってるのイヴ姉さんなんかより私の方が相応しいよッッッッッ」


「何言っているの?、説明したはずよね?、戦場に駆り出された者が帰還した場合、家はその人物が継ぐと、それに姉さんの方が年上だしねぇ、外の世界に出たことで歳の差以上に逞しく成長したと思うわ、それに勲章クラスの戦果も上げてるし、それに貴女、ここの所無駄遣いが目立つし………」



「な、なななな、そんな話聞いてないわよッッッ!!!!」


全く記憶にない話をし始めるクソババア、いや、なんかそんな事を言ってた気がするような……いや!!、そんなこと言ってなかった!!!!コイツらオバサンを贔屓するつもりだ!!!、今まで戦場で戦うメスゴリラと違って優雅で気品溢れる淑女としていろんなパーティーへと出席してやったのに!!それに無駄遣いじゃない!!!!私を着飾るためには何着あっても服が足りないだけ!!!



「あら?、確かに話しましたけどねぇ、まぁ、まぁ、そんなに怒らなくても、イヴが断れば貴女にもチャンスはあるから」


「ーーーそ、それ本当?」


「ええ、本人が嫌だと言うなら無理に継がす訳にはいかないからね」


「ーーーそ、その言葉忘れないでよ!!!!」


希望の光が差した、どうやらあのオバサンが後継者を辞退すれば私が継げるみたいだ、大丈夫だ、昔みたいに泣きつけばあのクソバカは楽にだまくらかせる!!!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「い、今なんて言いましたか?」


「うん?、だから今月の生活費は嫁さん本人から貰えばいいじゃないか?」


「も、もしかして今までのお金って、イヴの仕送りだったんですか?」


いつも通り、遊ぶ金、いや、家計費を父から貰おうとすると、予想外すぎる事を言われて断られる、恐る恐るもしかして今までの金は全てイヴが稼いだ金だと聞く自分。



「ああ、そうだが、なんだ、彼女から聞いてないのか?」


「え、ええそんな事一言も」


当たり前かのように頷く父。


「それより式の日取りはいつにするつもりなんだ?」


「………へ?」


「うん?、おいおいどうしたアルフレッド、間抜けな声を出して、イヴさんとの結婚式をどうするって言ってるんだ、いやぁ、まさか国の英雄たる彼女と息子が結婚してくれるなんて、儂も親として鼻が高い」


「く、国の英雄???!!!!」


「?、お前、それも知らないのか?今や国中の注目の的じゃないか、一個中隊をほぼ一人で壊滅させたり、三日三晩戦線を一人で維持したり、あげればキリがない程の武勇伝、そして極め付けは敵兵が恐れた末に八つ裂き乱射魔(アハト・アハト)という異名を持つ頼もしすぎる奥さん、なんでも近々勲章を授与するとか」



「く、勲章??!!!!」


「まだイヴさんと会ってないのか?、まさか、英雄の結婚式を国をあげて祝うことも知らんとか言わんよな?」


「国が??!!!」


「おかしいな………確かに軍上層部からは帰還したと報告を受けてるんだが、まぁ二、三年ぶりに帰ってくるんだ、もしかしたらお土産をどれにするのか迷って、帰ってくるのが遅くなってるのかもしれんな」


次から次へと衝撃の真実を明かす父、自分はただ驚くだけの機械と成り果てる。


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