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21/29

21、、さらば人狼国、最後の最後でもふもふ出来た


「ーーーー待って!!」


「ん?、ルーガスさん、見送りに来てくれたんだ」


決闘に勝利した私達有利で人狼国との交渉は幕を閉じた、目的は果たしたので汽車で自国へと帰ろうとする私とロイ、汽車に乗る直前、ルーガスが私を呼び止める。


「ーーっとルフ様も……」


「フン」


ルーガスの影に隠れて気がつかなかったが、後ろにルフがいたようだ、そもそもルーガスは王族の護衛なのでいても不思議はない……ないが、勝者の自分は敗者の彼女とは気まずいので顔を直視できない。


「な、なぁ、最後に聞いておきたいんだが、お前の知り合いの人狼族のルーってやつ、そいつとはどこで会ったんだ?」


「ん?、えっと、戦場で会ったよ」


「お、お前はその子が所属している部隊を助けるために、一人残って戦ったのか?」


「ーーー!!」


「そしてその人狼族からお守り代わりに爪の首飾りをもらった」


「なんでそんな事知ってるの?」


「……………」


「言えないか」



ルーガスは不意に私に質問をしてくるいくつか質問した後、なぜそう詳しいのかと聞くと黙りこくるルーガス、まるで初対面の時の再現だ。


「わざわざお見送りありがとうございます、それではーー」


「ーーーーアンタの名前なんて言うんだッッッ!!!」


「へ?」


いくら待っても押し黙っているルーガス、なんか複雑な事情があるんだろとか勝手に納得した私は赤の他人の出発をお見送りしてくれるなんて、結構義理堅いんだなとか思いつつ軽く会釈した後、改めて汽車へと乗ろうとすると、後ろから大声でルーガスに名前を聞かれる、私は気の抜けた声を出してしまう。


「だ、だからその、アンタの名前は、な、なんて言うんだ」


「えっと、イヴ、イヴ・ペンドラゴン」


「イヴ・ペンドラゴン、そ、その、じ、実は俺、お前が助けてくれたルーだ」


「はい?、だ、だって初対面だって言ってなかったっけ?」


「そ、その、なんか気恥ずかしくて、つい知らないフリをした」


「き、気恥ずかしい?ーーーブフッッ」



私に名を名乗らせた後、なんと彼は私と面識があると言い出す、言われてみればなんか面影がある気がする、なぜと問うと恥ずかしいとかいう可愛い理由を言い出すルーガス、思わず吹き出してしまう。


「ーーーな、わ、笑うなよッッッ!!」


「ーーーはは、ごめんごめん、デカイ図体に似合わない可愛い事を言うもんだからさ」


「く、くそ…………」


「あれ?、じゃあ私にずっと嘘ついてたんだ」


「す、すまん」


「えい」


「ーーーーフギッッッ??!!、お、お前いきなり何をッッッ!!!」


「お仕置き」


笑う私と赤面するルーガス、なんか可愛く見えてきたルーガスをさらに虐めたくなった私は意地悪を言う、するとしょんぼりと耳を垂らすルーガス、まるで叱られたペットのようだ、彼のその姿に萌えた私は思わず彼の尻尾を触る、獣人の尻尾は結構敏感なようで間抜けな声を出すルーガス、適当な事を言いながら存分に撫で回す。


「ちょーー、ちょっとやめろッッッ、く、くすぐったいッッッッ」


「ダメダメ、この程度じゃお仕置きにならないって」


「あーーそ、そこダメッッッ」


「良いじゃん良いじゃん~めっちゃ肌触り気持ちいいよ~」


「ーーえ、そ、そんな気持ち良いのか?」


「うん」


「そ、それならもうちょっと触っていいぞ」


本当に痛いならすぐやめようかと思ったが、様子を見るになんか気持ちいけど素直になれないように見えるのでそのまま彼の尻尾の感触を思う存分味わう、触り心地を褒めると顔を赤くしてついに本人公認のモフモフ許可がおりた。


「ーーー離れなさいッッッッッッ!!」


「ーーー離れてくださいッッッ!!」


「「ーーーへッッッ?」」


私は許可がおりたのでさらに撫でようとすると、私はロイに、ルーガスはルフに手を引かれ、お互い引っぺがされる。


「えーと、じゃあねルー君」


「な、ルー君はやめッッッーーー」


ロイはルーガスに、ルフは私に対して敵意剥き出しで威嚇する、私はとりあえず別れの挨拶をルーガスにする、彼の返答の途中、汽車の扉が閉まり、出発してしまう。




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